「ハフポ」は編集長を交代しては?

2013年05月22日 07:00

1カ月もブログを書かなかったのは久々。本業が怒涛の日々で時間が取れずじまいでした(汗)

さて、今更ながらハフィントンポスト日本版のお話。スタート段階での論評は出尽くした感はあったが、出資元である朝日の複数の関係者から「松浦編集長にズバッと言ってやれ」とご要望もあったので(笑)、書くことにした。しかし社外だけでなく身内の評判が芳しくないのは気の毒だな。ま、私のような三文ブロガーは未来永劫ハフポにお呼びがかかることもないので思いっきり遠吠えをしよう。わおーん。


まず書き手の顔ぶれ。ハフポ執筆陣に入った常見のアニキも指摘しているように、既存の有名ブログサイトと面子がかぶる。さらにピュリツァー賞受賞で名をはせた本家のように調査報道で驚愕スクープをトップ記事に持ってくるかと思いきや期待外れに。先日、ある有力ネットメディアのデスクと会食した際に意見が一致したが、批評系ブログを載せるのが主体の現状では、「とあるサイプロ」さんのように、匿名とはいえ鋭い専門の見識を持つブロガーも多いBLOGOSには書き手の数で負けてしまう(大谷編集長におべっか使ってないよ、笑)。ハフポは実名基本で、ステータスの高いブロガーにオファーを出して寄稿を募っている分、コンテンツの生産力で見劣りする。

批判に終始するのは我が美学に反するので、改善の方向性も提案する。
1. 独自コンテンツ(調査報道)の拡充
実は、朝日の関係者も調査報道が差別化の切り札であることは認識していた。新聞やテレビなどが報じる一次情報への論評が圧倒的な中で、世間を驚かせるような独自情報をネットメディア発で出せれば存在価値は高まる。例えば、ジャーナリストの渡邉正裕さんが事実上、個人経営している「MY NEWS JAPAN」は、スポンサータブーを排し徹底した調査報道へのこだわりと、キャリアアップに悩む若者の情報ニーズにこたえる入念なマーケティングで採算を取ることに成功した先例だ。これを組織的に展開できた時のインパクトは大きいはず。ハフポ日本版のスタッフ体制は本家の500人に遠く及ばない8人の零細状態だが、たとえば週刊朝日とAERAを廃刊して人的資本を移すなど劇的なことをやれると面白い・・・なんて、そんな経営は当面ムリゲーですね。なので取材力のあるフリージャーナリストらとの提携から始める。

2. 独自コンテンツ(問題解決型報道)の発展
これは1. の発展型。ある事象の問題点をあぶり出すだけではなく、それをどう解決するか当事者や専門家の知見・知恵を集約し、一定の解決策(仮説でもいい)を示す報道を目指す。現代ビジネスで先日、市川裕康さんが紹介したソルーション・ジャーナリズム(問題解決型報道)ってヤツですね。たとえば地方のシャッター通り商店街の課題を取り上げるとする。新聞社の地方支局に勤務する若い記者は、青色吐息の商店主たちの嘆きの声を並べる記事に終始しがちだけど、マーケティングや地域活性化に明るいベテランのジャーナリストなら当事者だけでなく、他地域の再生事例を探したり、大学教授やコンサルタントの意見も取材したりして解決策の仮説を編み出し、取材を積み重ねてその精度を高める。通り一遍の解決策を模索する記事は従来もあるけど、ネットメディアなら原稿の文字数を紙媒体ほど気にせずに取材の蓄積を存分に投入できる(逆に求められる)。動画などの視覚効果の高い非テキストコンテンツとも連動するなど新たな可能性もある。

3. 編集長の交代
んでもって、切り札はこれ。あ、別に松浦さんの能力に問題があると言っているわけではない。いかに効果的にPVを叩き出すか、どういうコンテンツを組み合わせるか、記者出身者はネットメディアそのものの運営ノウハウは乏しいので、田端さんとか松浦さんのような人材は必要です。しかし小泉元首相を初代編集長に招聘しようと画策したなんて噂を聞くと、新聞社の出資を受けた言論サイトの編集責任者としての「資質」を疑っちゃうわけ。この件、渡邉さんや新聞社時代の元同期である中田安彦君ともツイッターのやり取りで意見一致しただけでなく、朝日の関係者も頭を抱えてたな。元首相のネームバリューにあやかろうとしたPR発想はビジネスとしては正しいが、やっぱり権力者(引退したとはいえ)とは基本的な線引きはしないとね。だから松浦さんはCEOとかCTO的なポジションが相応しくて、朝日が本気でハフポを言論サイトとして育てるつもりがあるなら津田さんや佐々木さんのようにネットを中心に幅広く社会事象を批評できるジャーナリストを三顧の礼をもって招聘すべきだった。とりあえず、つなぎ役として週刊朝日の山口元編集長でもいいんじゃないか。左遷されたらしく暇でツイッターで遊んでるんだし。

ま、これで僕は築地とハフポに出禁確定ですが(笑)、とにもかくにも折角のブランドがある言論サイトの上陸は歓迎してますのでご発展をお祈りします。

新田 哲史
Q branch
メディアストラテジスト/コラムニスト
個人ブログ

※訂正・初稿で「BLOGOS」とすべきところを「BROGOS」書いてしまいました。大谷さん、ゴメンナサイ。

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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