採算度外視としか思えない癒しの空間が京丹後にあった --- 内藤 忍

2013年06月05日 15:13

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旅の連載「Viaggio」の取材で京都に来ています。京都と言っても京都駅から車で2時間以上かかる丹後です。雨情草庵さんにお世話になっています。


自然が残る素晴らしい雰囲気の中、日本海の新鮮な魚貝類を始め、料理長が腕を振るった料理を堪能できます。写真は鳥貝。東京でも見かける寿司ネタですが、鮮度が違います。肉厚で歯ごたえが絶妙。塩を軽くつけて口の中に入れるだけで、自然の甘みを感じることができます。この時期はカニはありませんでしたが、シーズンになるとカニ目当ての方で大賑わいになるようです。

しかしこの宿の魅力は食事だけではありません。

お部屋は全室離れで一軒家のように広々としています。ソファのあるリビングの窓はスライド式でフルオープンにすることができ、ベランダにあるカウチで寛ぎながら、竹や草木に囲まれた美しい緑の中でのんびりと過ごすことができます。

温泉は各部屋にとても広い露天風呂があります。5人くらいで入っても問題ないような広くて気持ち良い空間。24時間お湯が絶えることは無く、いつでも気が向いたら入ることができ、これは温泉好きにはたまりません。

和の宿なのですが、露天風呂に入り、カウチで寛いでいると、鳥の鳴き声以外は何も聞こえてきません。非日常を味わうことができる贅沢な時間です。ここにいると、自分がどこにいるのかわからなくなってしまうようです。日本にいるというより、アジアの高級リゾートにいるような錯覚に陥ります。

取材で多くのオーベルジュを回ってきましたが、それぞれの宿にそれぞれのキラーコンテンツがあります。雨情草庵さんの場合は、寛げる露天風呂付のお部屋、材料と調理が最高レベルの料理、そして周囲に残っている日本海沿岸の自然です。

夕食前に出かけた海岸では、素晴らしい夕陽を見ることができました。また食事中に席を少し離れ、裏庭に行くとそこにはホタルが乱舞しています。平家ホタルのはかない光を見て、空を見上げると東京では見られないような宝石箱のような星空。彦摩呂でなくてもこれは感動です。

案の定、夕食は食べすぎになりましたが、翌日の体調はすこぶる良いのは、野菜や魚介類が中心で、献立がヘルシーで、比較的年配の方向けだからでしょうか。

とにかくすべてが贅沢な造りで、採算度外視でオーナーが道楽でやっているのではないかと、勝手に思ってしまいました。アクセスは関西の方が圧倒的に良いのに、お客さんは関東からも多いと聞きます。関東にあるオーベルジュとはまったく違った魅力を持つ宿。わざわざやってくる理由がよくわかります。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年6月5日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


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