リクルートのゼクシィの創刊20周年CMがすごい なぜ、ここまでやるのか?

2013年06月30日 10:56

ゼクシィ首都圏版 2013年 07月号 [雑誌]
ゼクシィ首都圏版 2013年 07月号 [雑誌] [雑誌]

今年もゼクシィのCM、気合いが入っている。お笑い芸人30人によるプロポーズである。5月22日に放映を開始したが、 ゼクシィnetのCMサイトでの再生回数が約1ヶ月で100万回を突破したという。ゼクシィのCMはいつも面白く、また、感動的である。情報誌の広告ということをこえて、結婚文化を啓蒙している。


リクルート(現 リクルートマーケティングパートナーズ)が発行する結婚情報誌『ゼクシィ』は、今年、創刊20周年を迎えた。余談だが、この情報誌は同社の新規事業創造コンテンスト「NEW-RING」で選外だった。にも関わらず、提案者の熱意、経営のバックアップなどにより検討期間をへて事業化している。いまや、同社を代表するドル箱事業である。

このCMだが、『ゼクシィ6代目CMガール』に選ばれた松井愛莉さんと、売れっ子お笑い芸人30人がそれぞれ登場し、1人1パターン、合計30パターンのCMが放送されている。

お笑い芸人の顔ぶれがすごい(・・・ようだ。テレビをあまり見ない人なので。最近、スギちゃんが誰かやっと分かったレベルだ)。同社のHPによると・・・。

○ノッチ(デンジャラス) ○出川哲朗 ○土田晃之 ○名倉潤、原田泰造、堀内健(ネプチューン) ○児嶋一哉、渡部建(アンジャッシュ) ○スギちゃん ○ふかわりょう ○バカリズム ○ビビる大木 ○小木博明、矢作兼(おぎやはぎ) ○山崎弘也(アンタッチャブル) ○小峠英二、西村瑞樹(バイきんぐ) ○塚地武雅(ドランクドラゴン) ○チャンカワイ(Wエンジン) ○小島よしお ○塙 宣之(ナイツ) ○坪倉由幸(我が家) ○豊本明長、飯塚悟志、角田晃広(東京03) ○コカドケンタロウ、中岡創一(ロッチ) ○澤部佑(ハライチ) ○酒井健太、平子祐希(アルコ&ピース)

という、そうそうたる顔ぶれである。ヒロシ、波田陽区、ダンディ坂野が出ていないのが不満だが。

30ものCMが流れるなら、テレビで全部覚えるのは難しいが、ウェブと上手く連動しているのがポイントである。

笑えるものもあれば、不器用で逆に気持ちが伝わるものも。

エグゼクティブ・クリエィティブ・ディレクターが箭内道彦、クリエィティブ・ディレクターに中村聖子、、CM楽曲はMISIAという、まさに最終鬼畜兵器ともいえる布陣である。

何より、伊藤綾ゼクシィ編集長の魂を感じる。リクルートに「編集長」を名乗る人はたくさんいるのだけど、いまや(というか、私が退職した00年代なかばくらいにはとっくに)、編集長とは名ばかりで、金の亡者のような人、まるでカスタマーのことをわかっていない人もたくさんいるのだけど、彼女には、社会現象を作ろうという想い、企画魂を感じる。同社HPによると、ゼクシィの読者の3割が男性、結婚式準備に協力的な「イケ婿」は全花婿のうちの8割以上だという。男性応援企画ともいえる。

このCMに限らず、ここ数年のゼクシィのCMが「応援色」、および結婚っていいなと思わせる空気づくりが目立ってきている。

もうだいぶ前のCMであるが、00年代後半に流れていた、このシリーズ(http://www.youtube.com/v/LR5HW-qHbW4)は話題になったので覚えている人もいるだろう。私はひたすら結婚の敷居を下げていると感じたのである。なんせ、男性が会社員風ではなく、自由な仕事をしている人のイメージだからだ。ひょっとしたらフリーターなのではないかとさえ思ってしまう。

でも、結婚はできる。その応援をする、と。そんな作りになっている。

ここ数年の、内田裕也&樹木希林夫妻、黒柳徹子を起用したものも「結婚っていいな」と思わせるつくりになっている。

女子大学で講師をしているが、今年の3年生あたりから、専業主婦志向が一段落していると感じる。いや、大学に入ってから、「もう結婚では食べられない」ということに気づいてしまったのだろうか。先日、50名のクラスで手をあげてもらったが、8割~9割は仕事・結婚・妊娠&出産&育児をすべてかなえたいと思っている様子だった。数年前はキャリアセンターにやってきて「どうやったらお嫁さんになれますか?」と聞く学生もパラパラといたのだけれども(複数の大学から聞いた、実話である もっとも絶対数は多くないのだろうけど)。

とはいえ、ゼクシィが応援したところで結婚が増えるわけでもあるまい。むしろ、「結婚したら負けだと思っている」という男性すらいる。

先日、6月25日に東京・新宿ネイキッドロフトにて

革命的非モテ同盟 presents
ジューンブラインド粉砕! ゼ○シィを破り捨てろ!
男性サイドからの“否婚”最強論。
~結婚したら負けかなと思ってる~
結婚しない女を負け犬と呼ぶなら、結婚しない男は勝ち豚だ!

というすごい名前のイベントが開催された。

革命的非モテ同盟はクリスマス粉砕デモ、バレンタインデー粉砕デモ、ホワイトデー粉砕デモと次々と恋愛資本主義的リア充イベントを粉砕してきた。その革命評議会議長 MarkWater と愉快な氷河期世代独身男たちで語る過激で真っ当な“否婚”論を語る集会だ。ネットニュース編集者の中川淳一郎(年収3360万円独身)、フリーライターの赤木智弘(年収200万円独身)という豪華なメンツで行われた。

女子SPA!にレポートがのっているので、ご覧頂きたい。
【女子SPA!】「結婚したら負けかなと思ってる」非モテ喪男イベントに喪女記者が潜入
http://joshi-spa.jp/20457

【女子SPA!】「結婚したら負けかなと思ってる」非モテ喪男イベントに喪女記者が潜入【後編】 http://joshi-spa.jp/20694

特に、前編における、赤木智弘氏がゼクシィを破ろうとしているが、分厚くて破ることができないというシーンは圧巻である。ぜひ、クリックして見て頂きたい。

参議院選が迫っている。少子化に歯止めをかけ、その前に結婚を増やすためにはどうするか。各党の婚活・妊活・育活方針をもっと聞きたいところである。

PS 
女子と就活――20代からの「就・妊・婚」講座 (中公新書ラクレ)
女子と就活――20代からの「就・妊・婚」講座 (中公新書ラクレ) [新書]

私も白河桃子さんと一緒に『女子と就活――20代からの「就・妊・婚」講座 (中公新書ラクレ) [新書]』という本を書いている。就活と名前がつきつつ、女子の生き方・働き方に関する本。

また、7月6日には好評企画日本女子学サミット夏の陣を白河桃子さん、水無田気流さん、西森路代さんと阿佐ヶ谷ロフトでやるので、ぜひ遊びにきてほしい。

試みの水平線

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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