原田泳幸氏が日本マクドナルド経営第一線から退く

アゴラ編集部

日本マクドナルドホールディングスは、8月27日、連結子会社である日本マクドナルドのトップ人事を発表しました。会長兼社長兼CEOの原田泳幸氏が退任して会長専任になり、後任は社長兼CEOとしてサラ・カサノバ氏が就任するらしい。カサノバ氏はカナダ人の女性。マクドナルド・カナダの幹部とマレーシア・シンガポール法人のリージョナルマネージャーからの転任です。


日本がデフレ経済から脱却したとも思えないんだが、ファストフードチェーンの価格競争がすでに飽和状態になり、日本マクドナルドも2期連続で経常利益が落ち込んでいます。大衆向け食いモノ産業は難しい。顧客の嗜好はネコの目のように変化します。牛丼など格安チェーンはどこも苦戦している。

日本マクドナルドも今年の6月に高級ハンバーガーを売り始め、路線を修正したのにもかかわらず、客足は戻っていない。客単価が上昇しても客離れでの利益減を受け止めきれなかったというわけです。この秋に向け、マックシェイクやらマロンパイやら新商品を投入すると発表したばかり。しかし、客の食指を動かすまでにはいたらなそうです。

会長専任に退く形になった原田氏は、米国アップルの副社長から日本マクドナルドへ転身し、見事に経営を立て直した功労者です。表題の記事によれば、社長就任後に8年連続で増収増益を達成。その経営手腕は高く評価されてきました。会長職には留まるということでもあり、また今回の人事で原田氏の評価が急落することはなさそうなんだが、カサノバ体制になって日本マクドナルドがどんな路線を取り、どう復活するのか、注目を集めそうです。

ゴールドラッシュ
マクドナルド原田社長退任でなにが変わるか? 原田社長はそんなに迷走してなかった


Fukushima water handling ‘like whack-a-mole’: minister
PHYS.ORG
茂木俊充経産相が福島第一事故現場を視察し、汚染水対策は「whack-a-mole」つまり「モグラ叩き」のように果てしない、と語った、という記事です。これだけ大量の汚染水を処理、貯蔵できる技術的物理的な能力はありません。結局、海へ放出して「希釈」させるしかない、ということになりそうです。しかし、高濃度放射能に汚染された水が周辺にあふれ出せば、原子炉建屋にも近づけなくなります。そうなると廃炉はおろか、冷却自体もできなくなる。低温安定状態に落ち着いている核物質が再び「暴走」を始める危険性もあります。いったんそうなってしまえば、手をこまねいて眺めているしかありません。汚染水問題を解決しなければ、福島第一は再び「息を吹き返す」ことになります。

著作権による保護は本を普及させず逆に「消失」させている
GIGAZINE
これは興味深い記事です。Amazonで入手可能な本のタイトルを調べたら、19世紀後半から20世紀初めにかけて出版された本のほうが今より入手しやすいことがわかったそうです。この傾向は再販数を調べても同じだった。このことが著作権の影響だけによるものかどうか、ちょっとわからないんだが、記事で紹介されている論文は、著作権が本を消滅させ、著作権が切れると再び本が復活する、と主張している。米国の著作権が作者の死後70年間、保護され、日本の場合は50年。これについてはTPPでも議論になっています。

映画『アバター』は続編3本の4部作へ、『アバター2』は2016年12月公開
engadget 日本版
大ヒット映画『アバター』は、ストーリーが単調で登場キャラクターも画一的だったのにかかわらず、CGなどの視覚効果や3Dを含む斬新な映像表現で多くの観客を魅了しました。ここんところのハリウッドは、シリーズ化やリメイクが多いんだが、オリジナルのコンテンツ不足は否めません。製作費が膨大になり、リスクを賭けるより安全パイに投資したい、というのは人情でしょう。映画『スター・ウォーズ』シリーズ、最近の『バットマン』シリーズや『スパイダーマン』シリーズなど、あらかじめシリーズ化を意図して作られた作品と同じように『アバター』も興行的な成功が期待されているようです。

産総研、インフルエンザ検査などの高感度センサ開発に成功
QLife Pro
冬になると猛威をふるうインフルエンザなんだが、ワクチンが効かない「新型」の出現に戦々恐々、といったことが毎年、続いています。人類にとってインフルエンザは依然として大きな脅威です。この記事では、産総研(独立行政法人産業技術総合研究所)が、インフルエンザウイルスやカドミウムや鉛といった重金属などを高感度にモニタリングするセンサーを開発した、と紹介しています。インフルエンザには「型」があるんだが、さらに細かい「亜型」もある。このセンサーは「亜型」までセンシングし、チップを替えることで生体から無機物まで広い範囲を検出することが可能だということです。これにより、新型のインフルエンザを早い時期から発見し、感染拡大の阻止につながると期待されています。さらに、この技術を応用した医療向けの製品開発として、血液中に入ると発熱やショックなどを引き起こすエンドトキシンという物質のセンサーができたらしい。この製品にはカブトガニのイラストが描かれているんだが、カブトガニの血球抽出液がエンドトキシンに反応することを利用しているそうです。


アゴラ編集部:石田 雅彦