オバマ政権の凋落は日本に「神風」か --- 岡本 裕明

2013年09月11日 11:49

プーチン大統領の一本勝ち!

シリアをめぐるオバマ大統領の強硬路線に対して平和的解決を提示していたプーチン大統領との勝負はプーチン大統領にきれいに手が上がりました。

プーチンとオバマといえば犬猿の仲でプーチンが第二期大統領就任時から険悪そのものでした。私は米ロ関係というよりプーチンとオバマ個人の不仲が先立っていたような気もします。その二人の最新のバトル、シリアでの化学兵器使用疑惑についてアメリカはアサド政権がその使用の証拠を掴んだと断定し、それを根拠に空爆を強く推しました。それに賛同したのが盟友イギリスでしたが、同国議会ではあっさり否認。フランスは大統領が独断で決められるため、オランド氏も初めはアメリカと一緒に空爆すると息巻いていましたが、こちらも消沈。


残るはアメリカだけでしたが世論の疑念と空爆への反対の声が強まる中、オバマ大統領は野党の説得工作を行い、ベイナー議長が野党の旗振りをするところまでこぎつけていました。

しかし、世論と世界の指導者たちは更に厳しい声を浴びせます。それが先のG20でした。議長国がロシアということもあり、平和的解決を望むプーチンと空爆を叫ぶオバマの一騎打ちが再来しました。結果としてみればG20は分裂状態、シリアについては声明すら出せないという情けない指導者会議で今となっては途中でアルゼンチンに脱出した安倍首相が一番賢かったような気もします。

この分裂状態の中、一本とったのがプーチン大統領のシリア説得工作でした。ラブロフ外務大臣をその交渉の矢面に立たせ、アサド政権が使ったとされる化学兵器を国連の監視下に置き、解体するということで説得したのです。これは大きな反響でした。フランスが早速手のひらを返すように国連安保理にこの案を提出することにしました。オバマ大統領の空爆案はこれでほぼなくなったと考えてよいでしょう。

オバマ大統領は第二期に入り、やや陰りを見せています。シリア問題の引き金のひとつとなったエドワード・スノーデン元CIA職員の情報漏えいとロシアへの一時的亡命はオバマ政権を震撼させました。当然ながらこうなってくるとオバマ氏に対する指導力と支持率が下落する可能性が大いに出てきています。シリア問題に関する世論調査では反空爆が過半でしたが、オバマ大統領自身への支持率を問う世論調査はまだ出ていません。もしかすると急落する可能性はあります。

オバマ氏が年内にこなさねばならない問題は当面が債務上限問題とTPP妥結だと思います。金融問題はバーナンキ議長の腕にかかっていますが、その施策が失敗すれば当然ながらオバマ政権にもダメージがあることは目に見えています。また、オバマ大統領が時期FRB議長の指名をするのも10月ごろだと思いますのでその指名次第では大きな議論を呼ぶかもしれません。

オバマ氏は少なくとも外交では失敗でしたし、特に対ロシアでは負けです。これが何を意味するか、私の考えすぎと思われるでしょうが、日本には神風が吹きます。北方領土を含む日ロの包括交渉でラブロフ外相の訪日を控え、かなり前向きな話が出来る環境が出来たということです。つまり、今までのアメリカ側からの邪魔の影響が薄くなるということです。この点においてはツキまくっている安倍首相がまたにっこりするシーンが出てくる気すら致します。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年9月11日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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