デジタル教科書の課題 --- 中村 伊知哉

アゴラ

もちろん、課題もあります。

それに対する指摘も書いておきます。

つまるところ、情報が与えられすぎて、自ら探索し、感じ、考えるという自主的な能力が忘れられるということではないでしょうか
>はい、そういう「懸念」はあるかと思います。だからといって「使わせない」のがよいということが「検証」できるかです。


僕は賛成派ですが、「情報量が多いと考えることができない」理由がわかりません。考えるためには必ず情報が必要だと思うんですけど。
>ぼくもわかりません。検証してもらえるといいんですが。

凄い直感ですが、「デジタル~(なんちゃら)」って表現が敵を多くしてる気が(^-^; そもそも書籍も電子化してるなかで媒体の電子化は避けられない
>そう思います。3年前、コトが動かないのに業を煮やしわざと刺激的な「デジタル教科書」という言葉を使いました。

早めの導入は必要ですし、そのための旗振り役も必要なのだろうとは思いますが、「旗の振り方はそれでよいのだろうか?」と不安になることがあります。
>この指摘は当を得ています。
>実はぼくらの協議会でも反対派のかたがたとのシンポを計画したんですが、国会議員含めみなさんに断られました。反対するかたって、反対に対してもう熱心じゃないのかと感じていたので、そんなことはないという議論ができれば建設的かと思います。
>賛成vs反対で激突したのは3年前、田原総一朗さんとのニコ生でした。一つ一つ説明し、意見の違いは残れどちゃんとやろう、ということで田原さんにはわれわれの協議会に入っていただきアドバイスをいただいています。
>その時もその後も、「懸念」に対し「データ」で答えるようにしていました。でも懸念は「主観」なので消えません。 その議論をやめることにしました。逆に反対するかたに懸念をデータでお示しいただくようお願いしています。(これだけの人が懸念を持っているというデータ は承知しています)
>でもなかなかお答えいただけないのが現状。使わないほうがいい、という主張に対してもぼくは平易な質問をしていますが、それに対する回答もありません。
>デジタル教育の旗振りの主役は文科省であり、総務省、IT本部、知財本部であり、与野党の推進派国会議員であり、導入を主導する自治体の首長です。ぼくは一団体の事務局長にすぎず旗は小さい、けれども、リスクを取って先頭に立とうとするので、被弾するのは仕方ありません。
>デジタル教育には「創造」「共有」「効率」の3メリットがあり、弊害は「ない」というのがぼくの主張です。結局のところ、これに対する反対派の主張、導入を阻止する論拠っていうのは何なんでしょう。それがぼんやりしていて、反論しにくい状況です。
>ぼくはデジタル教育の弊害は「ない」と考えており、「ない」ことを検証できません。「ある」と考える人はあることを証明してくれると議論が始まります。
>デジタル反対派のいう弊害は、使う場面が間違っているか、アナログでも同じ問題があるか、が大半で、ぼくも反論のネタが尽きている面があります。

何処かの学校が生徒一人一人にデジタル教育のタブレット代5万円を請求するとニュースになってましたが、日本では100ドルPCみたいなものは難しいんでしょうかね、、、
>それでいま1人1年1万円サービスを募集してます。

軸? 完全自主財源で賄えますくらいハードル上げていきましょう!わっしょいわっしょい
>デジタル機器はランドセルやそろばんのように家で買え、という選択肢もあると思います。

教材費を削減する学校が多い中、「家で買え」はハードルが高いような気がします。
>そうなんですよね。コスト負担が最難問。

アナログかデジタルかはどうでもよくて、100円のロバストな文房具か50000円の不安定なデバイスかの違いだけだと思います。携帯キャリアと組んで安く仕入れ、新機種に気軽に変えれるとかできないもんすかね。
>このサービスを募集しています。

単純に紙の本に触れる時間が減ることにより、紙の本の利用技術が減ることじゃないですか。教科書がすべてデジタルになってしまったら、家庭教育の乏しいところでは、紙の本など見たこともないという子供が出てきそう。
>うむ、それはあるかもです。

各学校にサポートスタッフ大量導入は必須かと、はっきり言って学校自体がアナログ気質なので、その辺で、スタッフと教師の間で教育方針にギクシャクするのが一番の弊害だったりして。
>はい、サポートは重要な対策。政府も自治体も重視しています。

興味あるが不安が拭えない三児の母。なぜ小学校?高校の選択制ではなぜダメ?
>親が反対するならその子はアナログで、というデジアナ混在制を台湾の小学校が導入してます。その手はあるかと思います。

こういう親の声は非常に貴重です。拙速な導入ではなく、不安点について徹底的な調査研究をしなければ導入してはいけないと思います。
>親の不安を解消していくことは必要ですが、今は導入してくれという10年来の声に応えられていない状況です。

デジタル教科書2015年全学校に配布等、デジタル教科書の標準団体結成とか報道されていますが、導入後の授業の進め方など、まとまった資料が出来ていて、保護者が知ることが出来るようになっているのでしょうか?
>ちょっと聞いてみます。

さらにデジタル教科書はタブレット?パソコン?義務教育で保護者の費用負担は?デジタル化教科書?サブ教材?全教科一斉?転校時の互換性は?ノートはどうなるの?小中9年間同じものを使えるの?
>まさにそういうことを議論しています。

新しいことの導入おいては、なにかと不安になるものです。的確で素早い情報の公開と私達、保護者まで情報が伝わるよう御願い致します。
>はい、心がけます。
 
デジタル教育には大賛成で、活用もしたいのですが、現在学校に普及しているICT機器の数量ではなかなか普段から使おうと思えません。各学級1台ずつあればと思います。パソコン教室も定数の40人分は欲しいです。最低でも…
>そうですね・・ 

業務電子化やICT教育の推進により、困っている教員も多いので、現場はサポートしてくれる人を求めているのでギクシャクはあまりないと思います。もっと早くきて欲しいくらいだと思います。
 >そう思います。

教師が電子黒板で使う電子教科書は既に教科書会社から発売されていますが、生徒用のものは、まだ開発中と聞いています。生徒用の試作品は存在しているのでしょうか? そしてそれで実証実験されているのでしょうか?
 >はい、実証実験が進められています。

親として中立に見たい。語学教育のようにカリキュラムに数時間加えられるなら抵抗ない。時間割まで情報端末利用を強要させると抵抗ある。
>ぼくら協議会も一人一台になっても授業の3割程度で使われるイメージかなぁと見ています。
>デジタルを授業でどう使うか、どう使わないかは、国やましてぼくらが決めるんじゃなくて、現場の先生と子どもが考えながら編み出していけばいい。このため、ぼくらは全国の学校の実践を数多く共有する場づくりを進めます。
>それは先生方の力を信頼するところから出発しています。おそらくデジタル反対のかたがたは先生に使いこなす力量がないという前提だと思います。韓国は全ての教員がデジタルを駆使できるのは当然だし義務という前提で進めています。

有識者会議は初等教育や脳科学の専門家など幅広い分野から成るのでしょうか?
>ぼくら協議会も、反対意見含め幅広い分野のかたがたと意見交換をしています。その点、会員企業にとって耳の痛い話も多く入りますが、教育に携わる企業人は真面目で、きちんと受け止めようとしています。

>ただし、デジタル教科書教材協議会で、賛成派vs反対派のイベントを仕掛けたんですが、政治家含め反対派っぽいかたがたから軒並み登壇を拒絶されました。次回、やりましょう。反対派のみなさん、ぜひご登壇ください。
>反対派の名誉のため付言しますが、3年前に協議会を立ち上げた時は、賛成派と目される研究者の方々も登壇を拒否しました。日本は、こういう重要問題について旗幟鮮明とならず、その間、海外が進んでいったという構図です。

中村伊知哉さんはしばらく小中学校で働いてみたほうがいいんじゃないだろうかという気はしてる。
>小中学校で働くかたがたを尊敬し、憧れてもいますが、自分には務まらないでしょうね。大学の教員も務まってるとは言えませんし。

いろんなことに答えたので、次回は逆質問です。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2013年9月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。