「朝鮮総聯ビル」を建築的に分析してみた --- かわにし のりひろ

アゴラ

朝鮮総聯ビルの取引に関する、奇々怪々な取引に関しては静観するとして、建築的にあのビルがどのような機能などをしていたのか、そして再活用するとしたらどれくらいかを少し考えたいと思う。

在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)の中央本部(東京都千代田区富士見2町目14-15)の面積は、床面積約11,700平方メートル土地は約2,390平方メートルと公表されています。地上10階、地下2階の構成になっています。

地上部分は7,650平米メートル、地下部分は4,079平方メートル。

従って、業務部分の地上階の標準階の面積は、765平米メートルと推定できます。


在日韓国・朝鮮人は統計を見る限りでは、56万人、朝鮮籍だけでだと3~4万人といわれています。朝鮮籍などの区別がつきにくいのは、南北分断などのも影響しているとは思いますが、想定としてその倍の10万人が加入する団体として条件設定をします。

11,700平方メートルの業務スペースが必要な10万人加入する団体の本部となります。

中央本部の職員は、100人程度との報道がありますので、実際、この手の業務オフィースとしては、2,000平米メートルもあれば業務可能だと思われます。3階くらいの面積があれば充分業務が可能と想定できます。残り7階分の面積は何をしていたのか、不思議な感じが感じ取られます。

競売の書類から見ると、工作室みたいなものや倉庫みたいなものも多く見受けられ、地下1階には自前の焼却炉もあります。

以下は想像になりますが、一般の事務所には必要のないものばかりであり、通常の業務をするためのものには見受けられません。何かの活動をしていたと判断する方が正しいと思います。

一様、建物登記的に、昭和61年度の建築検査済み書があるとのことですので、一度建築検査は受けたので立ち入り検査は行われた訳であります。今から約30年前の検査です。そうなると30年間に関しては建物内で何をやっていたのか検査出来ていないこととなります。

日本の法治国家においてこのような都心の真ん中に不明なビルがあること事態が非常におそろしいと考えるほうがいいのではと思います。

さて再活用をすることが可能かということを考えると、各階の床面積が非常に重要になるのは、もともと会館的なものですので、コンバージョンするとしてもホテルというのが結論になります。仮定として40億円で落札するとして単純なキャッシュフロー的に、20年返済で考えても、年間2億以上の利益を稼ぎ出す必要があります。

ホテルとすると一部屋17平米メートルで有効的な面積を考えると450室ほどの部屋数をもつホテルには可能である。ホテルの一部屋利益は、良くて年間20万円程度と言われていますので、年間9,000万円しか利益が出ない建物であります。

そこから推定しても資産価値として18億円程度、最低落札価格が26億円ですから、50億円などという数字で落札するのは非常におかしな数字であると考えられます。

建築的に分析していくと非常にわかりやすい建物であるのですが、この騒動何時まで続くのでしょうかね。競売でやるのが無理なのかもしれませんね。

立ち退きの作業やその他含めても事業として考えれば26億円でも買い手は難しいかもしれません。いっそのこと国が買い上げて公園にするしかないのではと思うのです。

かわにし のりひろ
会社員/コラムニスト
マルハビ日記