エビチリに使うエビの種類を考える

アゴラ編集部

テレビ番組『料理の鉄人』で一躍有名になった四川中華料理の陳建一氏は、日本へ四川料理を紹介したと言われる陳建民氏の息子です。NHKの料理番組なんかへ出てたので、年配の人には父親の名前のほうが知られているんじゃないでしょうか。麻婆豆腐やエビチリといった四川料理の代表メニューは、建民氏が日本で広めたものらしい。四川のエビチリは「乾焼蝦仁」(カンシャオシャーレン)と呼ばれ、かなり辛いです。それをトマトケチャップや卵黄などでマイルドにしたのが日本のエビチリです。


そもそも内陸部にある四川省でなぜエビなのか、と言えば、本来は川エビを使っていたものが、上海でクルマエビを使った料理に進化したんだそうです。中華料理でエビは種類によって名前が違います。クルマエビは「明蝦」、イセエビは「竜蝦」、タイショウエビは「対蝦(肉蝦)」、小型のシバエビなどは「蝦仁」と呼びます。つまり、エビチリは本来ならクルマエビを使うべきなんだが、日本での車エビは高い。建民氏は当時、安かったシバエビを使うことにした、というわけです。

しかし、シバエビは養殖していません。シバエビの「芝」は、東京の芝の沖、江戸前のエビだからそう名付けられたんだが、今ではもう東京湾でほとんど穫れなくなっています。もちろん、シバエビ自体は日本列島南岸やアジアなどでも穫れ、冷凍物も多く出回っている。それでも価格的に東南アジアなどから輸入されるバナメイエビと比べたら勝ち目はありません。バナメイエビはもともと米国南部やメキシコなど太平洋東岸で穫れたエビ。それを東南アジアで大量に養殖するようになったそうです。

今、偽装メニュー問題で「高級」と言われてきたホテルなどが大揺れです。エビチリなど、エビを使った料理メニューの表示で、バナメイエビをシバエビと偽って使っていたらしい。中華料理では、シバエビを含む小型のエビはすべて「蝦仁」と呼んでいて、それほど種類にコダワリはないようです。エビチリに限れば、どんなエビを使っても良さそうなもんなんだが、種類を偽ってきた、ということが問題なんでしょう。料理人にエビの種類に関する知識がなかったのか、シバエビもバナメイエビも「シバエビ」と呼ぶのが業界の慣習だったのか、偽装だと知りつつずっとそうやってきたのか、疑惑は深まるばかりです。

J・SPA!
偽装で話題の芝エビvsバナメイ、エビチリで差を試してみた


What the World Would Look Like If Countries Were As Big As Their Online Populations
The Atlantic
世界地図をインターネット接続という側面から色分けした、という記事です。実際の面積ではなく人口の絶対数で地図上の大きさが異なり、また色が濃いほどネットを使う国民の数が多い。こうしてみると日本ってのは人口が多いんだなと思います。韓国のネット利用率の高さは英国やドイツなどに匹敵する。日本は米国やフランスと同じくらい。人口は少ないが、いろんな意味の影響力の高い国でネット接続数が多い傾向にありそうです。そして、人口が多いわりに、まだネットを使っていない国が一目瞭然にわかる。インドやアフリカの普及余地はかなり大きい、というわけです。

ネット世界での行動を現実世界で行うとこうなる
Gigazine
これはおもしろいです。実際、ネットから離れた場所で同じ言動をしたら、かなり滑稽なことになる。もちろん、ネット上だからやってるわけで、見ず知らずの相手に面と向かってバカ、とか言いませんから。逆に考えれば、ネットというのは、人間がひそかに持っていたこうした願望をかなえてくれるシロモノなんでしょう。本当は自分のことをみんなに知ってもらいたい、というのが人間です。とすれば、そのへんにネットの本質がある、というわけなんですな。

これからはホームページがいらなくなる?!
INTERLIFE MODE
だいたいどの解説書を読んでも、インターネット上のホームページを作るときには、本で言うところの「表紙」つまりトップページから、と書いてあります。そこが本で言うところの「目次」になる。目次から下の階層へ進む、というわけ。しかし、そんなのはまどろっこしい、というのがこのブログに書いてあります。まず訴えたいこと、ここではブログなんだが、各SNSから入ると即ブログに到着する、というような構成にしてある。なるほど、読み手の側はインデックスなんて興味ないですね。しかし、この構成って単なるアメーバブログなんかと同じなんじゃないのかな。

ブラック企業で働くメリット
たのっちぶろぐ
放送業界や新聞、雑誌なんかの出版業界は基本、ブラック企業ばかりです。大新聞社やキー局だってそれは同じ。総務とか事務職以外、制作と呼ばれる人たちは、若いころみなさん、このブログで書かれているような日常を送っています。個人的にも弱小出版社出身なので、こういうのはよくわかる。休日に出勤なんてむしろ誇らしい。無限残業や徹夜仕事なんて普通です。好きで入った業界だから頑張れたんでしょうかね。しかし、ワタミなんかで若い店長やブラっと来た幹部あたりからバカ野郎呼ばわりされたくはないなあ。飲食でブラック修業したことはないんだが、修業する場、というのは大事だと思います。ワタミで何年も修業すれば、飲食店で独立しても成功する確率は高くなるんでしょうか。


アゴラ編集部:石田 雅彦