ミもフタもないことを言えない、空気を読む日本人

村井 愛子

流行らないラーメン屋は何が悪い?

何かが上手くいかないとか、行き詰った時とか、原因を追及すると根本的なことだったりします。

例えばラーメン屋さんを作ったとします。しかし、全く流行らなくてランチ時間でもガラガラ。何が悪いのかを検討すると、プロモーションが十分でないとか、ファミリー向けの住宅街に店があるのに子供向けのメニューがない、など色々課題が出てきます。


プロモーションが十分でないという課題ために地域のミニコミ誌に広告を打ったり、客層という課題のためにメニューがどんどん追加されていくのです。

しかし、この問題の根本をたどると「たんに、ラーメンがマズい」だったりします。

こういうミもフタもない真理を、解っていても解らないフリをしたり、当事者に指摘できなかったりします。ラーメン屋なのに、ラーメンがマズいというのは「全部0からやり直し」になるからです。

ということで、世の中のたいていの失敗は、空気を読んでミもフタもないことを言えない現象が起因していると思います。

映画を作ってもそもそも映画が面白くないって言えないし、
ゲームを作ってもそもそもゲームが面白くないって言えないし、
WEBサービスを作ってもそもそもこのサービスいらないって言えないし、
エトセトラ、エトセトラ・・・

戦争の失敗においても、空気が起因

日本国の敗戦の理由を分析した「失敗の本質」でも、空気を読みすぎて無謀な作戦を指摘できなかった事例が山のように出てきます。

商品そのものがおかしいのに、ミもフタもないから指摘できない。でも、結果として上手くいっていない。そうなると、たいてい周辺のどうでも良いところをいじりはじめます。冒頭のラーメン屋がミニコミ誌に広告を出そうとしたり、新メニューを開発しようとしたようにです。
これがWEBサービスだと、たいていサイトリニューアル、名称変更などを数回繰り返してやがて消えていくパターンが多いです。どれだけリニューアルをしてUIを改修しようが、そこに核(コア)になるものがないので、意味がないのです。

ミもフタもない意見を言うのは、simpleなこと

社会人になるとこの現象にしょっちゅう遭遇するのですが、アップル関連の書籍(多分「Thinksimple」)を見ていたら、ミもフタもないことを言って全部ひっくり返すという場面が2つくらい出てきました。

1つめは初代iPhoneを開発していたとき、デザイナーのジョナサン・アイブがハっと気づくのです。今のiPhoneは表面のディスプレイにフチがありません。しかし、当時のiPhoneにはフチがついていて、枠がボコっとなっていたのです。
既に生産ラインも動いていたし、普通だったら空気を読んで何言わないところですが、アイブは意を決してジョブズに伝えます。驚くべきことに、ジョブズは既に稼働していた生産ラインを止めて、やり直しを命じるのです。

また、アップルストアが初めて出来た時、アップルストアのモデルハウスを作り、試行錯誤を繰り返し、いよいよ公開という時期を迎えました。オープンの直前、夜中に飛び起きた担当者は、アップルストアのコンセプトが間違っていることに気づきます。今は製品順に商品を陳列しているが、そうではなくて消費者の生活における行動導線にそって配置し直すべきだと。
担当者は恐れおののきながらジョブズに伝え、ジョブズは烈火のごとく怒りますが、「やっぱりやり直すべきだと思う」と、開店を延期して1からコンセプトを組み直したのです。

正解が「0からやり直す」になるのであれば、やり直すのが正解なのです。しかし、多くは空気を読んでそれを口にすることすら出来ない。口にすれば組織間の同調圧力が壊れたり、その過程に至る責任を追及されたりするからです。

ダメだったら0地点にかえる、とシンプルに考えたいものですが。

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