今年のホリデー商戦、予想を裏切る数字が相次いだだけではありません。予想外なハプニングが発生しました。ギフトを楽しみに待つアメリカ人が、どれだけ怒りに震えたことでしょう。
配送大手UPS、航空取扱貨物量が処理能力を超えたため肝心のクリスマスまでに配達が間に合わなかったんです。アマゾンはUPSの不備を説明した上で、送料の払い戻しとギフトカードの提供を発表していました。ワタクシもアマゾン以外のネット小売でクリスマス・ディナーを用意して下さる家人の実家宛てにシャンパンとワインを数本注文したのですが、あいにく届いてなかったんですよね……。
UPSで稼働力を超越したとのニュースとは裏腹に、クリスマス直前を含むホリデー商戦は思ったほど過熱していませんでした。有名トークショーのホスト、コナン・オブライエンがこんな判を押したようなメディアの大作戦「自分へのご褒美、1個でも10個でもいいから買っちゃいなさい~皆やってるんだから!」(詳細は画像をクリック下さい)を暴露してましたが、アメリカ市民は騙されなかったんですね。
コナン、名探偵ぶりのお仕事ぶりにこちらが目を丸くしていまいます。
(出所 : Adweek)
コムスコアによると、11月1日~12月22日までのホリデー商戦・オンライン小売売上高(デスクトップ型パソコンのみ)は前年同期比10%増の428億ドル(4兆4520億円)。事前の同社予想481億ドルを大幅に下回ったんです。サンクスギビング・デーが例年より後ろ倒しとなり営業日が6日少なかった上、失業率が低下したとはいえ所得が伸びず貯蓄率も10月に4.1%と1年前の5.9%から低下の一途をたどるなかで、財布の紐はきついままだったんですね。コムスコアのジャン・フルゴーニ会長は、資料にて「今年のホリデー商戦は例年より短いために、最終戦にオンライン小売が集中するとの予想を立てていた」と説明。その上で「残念ながら予想に反し、ホリデー商戦最終週はいずれの日も10億ドルに達しなかった」と振り返っていました。
ちなみに最も人気が高かった商品は、PS4とXボックス・ワンの発売が起爆剤となりビデオゲーム機・関連でした。2位は服飾・アクセサリー、3位は電化製品、4位はコンピューター・ハードウェア、5位は住宅・園芸——となっています。
アマゾンも26日、クリスマス明けホリデー商戦動向を発表いたしました。
ウェブサイトに掲載された発表資料によると、12月2日のサイバー・マンデー世界全体の注文個数は3680万個でした。1秒間に426個に相当し過去最高を記録したといい、オンライン小売大手は絶好調ぶりをアピールしております。クリスマス直前の12月16~22日週には、配送2日以内を謳い文句とする有料会員制度「アマゾン・プライム」に100万人以上が登録したんですって。残念ながら、クリスマス直前に会員になった皆さまには冒頭でご説明しましたように、UPSの処理能力超過で商品が配送先に届かないというアクシデントを迎えてしまいましたが。
お手頃な商品をアマゾンで購入する必要がないせいか、しっかりクリスマスにギフトを頂いたのに不平不満を並べ立てる人達もいます。
「両親なんか大嫌いだ、iPhone 5Sが欲しいって言ったのに、5Cを買ってくるなんてひどいよ!」
「クリスマスにMacプロを寄越すなんてあんまりよ、iPad Airがいいって知ってたくせに!」
クリスマスの翌日には、10代の本音がここかしこにツイッターで流れていたんです。そんな10代に、こんな投稿でいさめる方々が現れました。
上記のようなツイッターに、こんな口撃が!
「金持ちの子供はMacプロやらiPhone 5Sをもらったとか言ってるけど、私がゲットした歯磨きは使えるわよ」
「iPhone 5Cをもらってツイッターで文句言ってる奴マジでいんの?感謝の気持ちの微塵もない甘ったれだな」
こんなツイッターで応酬したのは……はい、同じく10代の少年少女達です。ギズモードが「クリスマスにもらったガジェットに文句言う10代を諌める10代のツイッター」という記事で伝えておりました。こうしてみるとツイッター、日本でいう「バカッター」とそうでない投稿が鮮明に現れて気持ちがいいですねぇ。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年12月27日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。