新都知事様、「海の特区」はどうです? --- 中村 伊知哉

2014年02月06日 07:09

マック赤坂さんはじめ多くのかたがたがデッドヒート中の都知事選であります。

脱原発、脱成長、脱五輪を目指すのか、目指さないのかが問われているようです。

誰もデジタルやソーシャルのことなど唱えません。正直、ピンと来ません。

アジアで初めて2回めの五輪を開催する都市がどういう姿を世界に示すのか。あるいは1940年に五輪を返上した都市が2回めの返上を成し遂げるのか。よく見えません。


アドビの国際アンケートでは、最もクリエイティブな都市として東京が30%を獲得。ニューヨーク21%、パリ15%、ロンドン8%、ベルリン7%を抜いてダントツであります。世界はわかっている。だけど東京ご本人はどんなクリエイティビティを発揮するのでしょうか。

国連統計によると、都市圏の人口で東京は世界一。2位デリー、3位サンパウロ、メキシコシティ、ムンバイ、ニューヨーク、上海を上回っています。予算規模を国家予算で比較すると、インドの下、インドネシアの上、フィンランドやギリシャより大きい。大きな国です。

じゃあ公約を考えてみよう。

ということで、KMDの授業で知事選マニフェストのプレゼン大会を開きました。

4つの学生チームが提案したのは、以下のプランです。(ぼくが脳内解釈しちゃってる部分もあります。)

1 女性海上都市
 女性の力を活かす。オンデマンド育児、夜間医療、エンタメ、教育施設を備え、研究開発や情報処理など女性向けの業務を集積する都市を東京湾の船上に創りあげる。毎日がクルーズとなる。

2 23区バトル
 23区の隠れた都市資源を再発見し、プロデュースするプランをソーシャルメディア上で闘わせる。勝者のプランは実行する。ニート対策として行い、企画から雇用・実施までニートを優先して採用する。

3 ロボットシティ
 アシモ、ルンバ、その他の業務用・家庭用ロボットを1万体投入し、防犯、清掃、介護等の業務につかせる。クルマの自動走行も実用化し、ロボットによるライブイベントやスポーツも開催。

4 デジタルバレー
 シリコンバレーの次っぽいのを作る。スマートでクラウドでソーシャルの次の次に来るIT、ウェアラブルでユビキタスでM2Mの次に来るやつ。そしてクールジャパンの次の次に来るコンテンツ、教育や医療やビッグデータやウェブマネーの次に来るやつ。その産業支援。

うむ。

一つ一つはショボかったりしますが、トータルでみれば諸君、悪くない、と思いましたよ。

まず、海を活かすという点。東京の大いなる特長は海です。海のある首都って他にありますか。ワシントンDC、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマ、マドリード、モスクワ、北京、ニューデリー。ないよね。大きな首都って東京だけじゃないですか。明治政府が海洋都市を首都に据えたのは英断だったと思うんです。東京は海を持っている。これを活かすべきです。

そして、さらに活かされていない資産を活かす。女性とニートです。安倍さんが熱心な女性力の活用は東京も進めましょう。そしてニートたち、オタクたちよ、日本のネット力を引きこもりつつ世界に発揮しているみなさんの力をリアルにも活かしてくれまいか。

一方で、既にある強みを活かす。ロボットやデジタル技術ですね。政策資源を投下し、それらが活躍し、増殖する場を創りだす。担当教授としては、ポップ度が薄いので、ガンダムやナルトやミクやゴスロリや回転ずしなどニッポン代表たちにも集中的に活躍していただきたいと申し添えます。

これらを総合的に特区として実施すればいかがか。総コストは1000億円から2000億円の間でしょう。案外ロボットシティの費用がかさみますが、予算規模12兆円都市からすれば小さな話です。

東京湾とベイエリアに施策を集中させます。総務省にかけあって特殊な電波をもらい、オークションにかけてデジタルバレーの原資とします。フリーwifiで世界中のテレビを4K8Kで見られます。文科省にかけあってデジタル教育特区とするとともに著作権特区を定め、二次創作のメッカにします。国交省と警視庁にかけあって屋外表示規制を解除します。街中のデジタルサイネージに3カ国語翻訳もつけます。

特区プロジェクトリーダーはマックさんなのか、家入さんなのか、ドクターさんなのか、議論の残るところです。 もちろん知事選に当選されたら兼務となります。

さて、実は学生にもナイショだったのですが、似たような構想をぼくは内々あたためておりました。東京オリンピックに向けて、港区のベイエリア、竹芝地区にデジタルの技術、人材、産業を開発する拠点を形成しようとするものです。これは明日(2月7日)開催する「デジタル新年会」で発表する予定ですので、改めて報告申し上げます。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2014年2月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。

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