ツイッターが時間外取引で急落、決算が割高感を証明【訂正】 --- 安田 佐和子

アゴラ

【訂正:見通しにある11億5000万~12億ドルはEBITDAではなく、2014年通期の調整済み売上高の間違いでした。お詫びして訂正させて頂きます。】

上場来から飛ぶ鳥を落とす勢いだったツィッター、ついに調整の波が襲いかかりつつあるようです。

きっかけは、決算でした。以下は業績内容です。


5日引け後に発表した10-12月(第4四半期)決算で、純損失は5億1150万ドルとなり前年同期の870万ドルから大幅拡大した。広告ツールの開発費をはじめ宣伝費がかさみ、市場予想の2億5350万ドルから約2倍も損失が膨らんでしまっている。非GAAPベースでの1株当たり利益は2セントと、市場予想の2セントの損失より良い結果に。売上高は倍増の2億4300万ドルとなり、市場予想の2億1810万ドルを上回った。

1-3月期の売上高見通しは2億3000万-2億4000万ドルと、市場予想の2億1490万ドルを上回った。調整済みのEBITDA売上高は11億5000万-12億ドルとなり、レンジ下限は市場予想の11億3000万ドルを軽く超えていった。

ただし月間アクティブ・ユーザーは前年同期比30%増の2億4100万人と、7-9月期の39%増から伸びを縮小してしまった。競合のフェイスブックの月間アクティブ・ユーザーが39%増の9億4500万人だったことを踏まえると、失望は禁じ得ない。タイムライン・ビュー数も1480億人と、前期から110億人減少してしまっている。コスト増に伴い損失が拡大した上にユーザーの伸び鈍化したとあって、時間外取引では売りが畳み掛けられ約17%もの急降下を示した。2013年11月の上場から47%も急騰していただけに、反動も大きかったといえる。

見通しは悪くなかったんですが、ユーザー数の鈍化は痛かった。
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(出所 : IBtimes)

以上の残念な決算結果に加え、フェイスブックと比較するとツィッターは非常に割高です。ツィッターの時価総額は370億ドルと、2014年の売上予想である12億ドルの約30倍に及ぶんです。黒字決算のフェイスブックの14倍、リンクトインの16倍の上を行く水準に、行き過ぎ感は否めません。

まもなく迎えるロックアップ(売却禁止)期間の終了も、意識したのでしょう。2月15日には非取締役の従業員が保有する株式990万相当、5月7日には取締役なども含め株式4億5400万株が対象となり、ツィッター株を押し下げかねません。逆にいうと、同社株の下値を拾いたい方々にとってはチャンスの日なのかもしれないですね。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年2月6日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。