容易に「矛盾」を解消できない不幸

2014年02月19日 11:16

既存左派が戦後体制の固定化を主張して「保守化」する一方、既存右派は憲法改正などを唱えて現状を変える「革新」になるという一種の「ネジレ」や「パラドックス」が生じています。もちろん、左派が革新である、という前提自体おかしなことなんだが、すでに「左右」を分けることは無意味になっているんでしょう。

いわゆる「カウンター勢力」としての「左派」が存在意義を喪失して影響力も急激に減退し、一方の「右派」が社会的な不満をすくいあげ、とりわけ若い世代やネット上などで支持を広げる現状で、「左右」の対立もなんとなく不可視化されているようです。仮にあったとしても姿形がかなり見えずらくなっているか、あまりにも「左派」が無力化し、一見すると圧倒的に「右派」が強いため、対立構造さえないように感じます。


ただ、社会的不満の受け皿になっている「右派」にしても、弱者同士で叩き合う図式に陥っています。たとえば、ネット上のルサンチマンが生活保護需給者を批難したり、在特会のような跳ね返りナショナリストらが外国人を攻撃したりするように、社会的に不満分子同士がイガミ合う、というのは人類史上ありがちなパターンなんだが、とりわけ近代国家では経済状態が悪化すると顕在化してきます。

それでも国民の不満が解消されなくなると対外的に同じことが起きます。同時に国内の経済矛盾の解消のため、こうしたことが意図的に行われると戦争になったりする。ここには、為政者や権力者らに社会的な不満の矛先を向けさせないための「圧力」や「誘導」があるのかもしれません。ただ「核の時代」では、容易に大戦争は起こせない。

戦争の代わりに東西冷戦構造が崩壊した、とも言えるんだが、今でも中東やアフリカなどで紛争や内乱が絶えません。しかし、極東における北朝鮮の存在など、摩擦が生じる場所は限定的です。どの国も国家間の緊張状態を継続させておいたほうが国民をコントロールしやすいことに気づいたんでしょう。

その一方、これまで先進国と発展途上国の間にあった矛盾が、グローバルな規模で拡散し、先進国内に一種の「南北問題」が浸潤してきます。これまでは国境という参入障壁があったんだが、あらゆるフェーズでボーダレス化が進んでいる。同じように経済的な矛盾もボーダレスになり、かつての発展途上国の国民と同じような階層が先進国内に生まれることになりました。

もちろん日本を含め、ほぼ世界中の労働者が「年収200万円」に均質化する未来がすぐそこまで来ています。経済的なエントロピーがここまで増大し、国家がその存在意義をなくした世界がいったいどうなるか、まだ誰もわからない。矛盾を解消する手段もほとんどありません。

この「消費せず働きもしない未来を歩む遊民の独白」というブログでは、「希望格差社会」という言葉から「格差を暗黙裡に期待する社会」の到来を書いているんだが、人々の「希望」さえもデフレ化し、「格差」の醸成しか矛盾の解消手段がなくなったとき、国民国家は冷戦構造のように崩壊してしまうんでしょうか。その後に来る人類の社会システムがどうなるかを知る人もいません。

グダちゃん日報
日本のテレビ業界を覆い尽くす「愛国ポルノ」と「不幸ポルノ」


グーグルと鴻海がロボットで提携。困るのはファナックではなく日本の町工場?
ニュースの教科書
日本の産業用ロボットが世界市場を席巻し続けてきたのは、欧米のメーカーが本腰を入れて競合にならなかったことも大きい、と感じさせられる記事です。「価格破壊」はあらゆる業種業態で行われ、もうほとんど残っていないくらい。最後にそうか産業用ロボットがあった、というわけです。製造現場においてヒトとロボットとを比べると、導入コストや設備投資、メンテナンスの面でこれまでヒトに軍配があがっていたんだが、安価でランニングコストもかからないロボットが大量生産されれば、ヒトの仕事はどんどんロボットに奪われるでしょう。その代わりヒトが楽をできるか、と言えば多少は安い製品が市場に出てきて仕事がなくなるだけです。賃金が安くなり安い製品が出回り、デフレはどんどん進行するでしょう。イノベーションが我々を幸福にするとは限らない。

Pepsi Used A Secret Weapon To Steal Buffalo Wild Wings from Coca-Cola
BUSINESS INSIDER
米国を旅するとたいていのレストランやバーのメニューに「バファローチキン」が載っています。「ホットウィングチキン」と書いてあるかもしれないんだが、米国の食べ物が大好きな日本人でもあまり知られていない料理です。当方、これが大好きでレストランチェーンでほとんど唯一メニューにしている「TGI Friday’s」で食べたりする。ここ、ワタミ系でもあり、また以前は本数指定に融通がついたんだが最近ナゼか2種類しか頼めなくなっていて少しガッカリです。あとね、本来のバッファローチキンは、手羽元、ドラムスティックだけなのに、日本のはこっそり手羽先を入れたりしている。これもTGI Fridaysでは以前なら手羽元だけでした。ただ、このチェーン、ワタミ系にしては接客がいい。たぶん、米国の本社との契約にはワタミ式サービスを制限する項目があるんじゃないか、と邪推しています。で、これはペプシがコカコーラに対抗するためにバッファローチキンとのコラボを画策している、という記事です。

大英図書館が100万点以上の画像を公開、無料で利用可能に
media pub
うーん、大英図書館もflickrを使う時代なんですね。こうした画像データを自由に利用できるのはありがたい。けっこう質も高い作品がたくさんあります。しかし、写真がない時代、書物のグラフィックはすべてこうした手描きやエッチングで一枚一枚、イラストレーターが描いていたわけです。すごいですな。もちろん、英国の著作権法では1873年までしか権利放棄されていないそうなので、それ以降の作品がまったくの著作権フリーかどうかはわからない。あと、高解像度版が欲しい場合は有料です。

Windows designer explains why Windows 8 is such a mess
BGR
アップデートとサポート終了の死亡が確定したWindows XPなんだが、最新のOSも何やらけっこう使い勝手が悪いようです。さすがにXPはもうあきらめたほうがいいと思います。しかし、8はすでにVistaの二の舞か、という揶揄も飛び交い、ネット上でもちょっとした騒動になっている。この記事では、開発者がどうして8がこんなことになっているのか説明しています。ようするに、タブレット用とPC用を併存させようとしたから、ということらしい。Vistaの失敗から何も学んでいなかったかも、という反省の弁もあります。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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