確定申告では「守りの納税」より「攻めの納税」を --- 内藤 忍

2014年03月03日 12:50

確定申告の季節になりました。以前に比べ、確定申告をしている人が多いように思うのは、海外で不動産投資をしている人が周りに増えたせいでしょうか。

税金というのは、これからの国家と個人の関係を考える上で、重要なテーマになると思っています。最近、アマゾンやアップルといったグローバル企業の課税問題が、先進国の国々の税務当局の重大な関心事になっています。それと同じように、個人の資産運用においても、税は重要な問題なのです。


例えば、投資判断をする場合でも、投資対象からの利回りを考えるだけでは不十分です。単体のリターンより、他の経済活動と合わせた、税金も考慮した上での「税引き後リターン」をコントロールすることが、大切になってくるのです。

誤解のないように言っておきますが、税金は決められたルールにしたがって、正々堂々と納税することが大原則です。

例えば、海外の証券会社で購入して利益を上げたのに、意図的に申告をしていない人がいます。現地ではキャピタルゲインに対して非課税であったとしても、日本の居住者であれば日本国内での納税義務を果たしていません。日本の居住者であれば、最終的には日本での確定申告が必要になります。外で得たお金だから日本の税金は関係ないということにはならないのです。

このような海外所得の税逃れをしようとする人がいる一方で、国内の納税をする人の中には、税制上の特例があるにも関わらず、それを知らないまま納税しているお人好しな人もいます。このようなイレギュラーな税制上のメリットについては、自ら申告するというアクションを取らなければ誰も親切には教えてくれません。「取られ損」のままになっている人もいるのです。

脱税はNGですが、合法的に税金が少なくなるのであれば、税制上の優遇を上手に活用するのがスマートな税との付き合い方です。

と言っても、税金に関する手続は素人が手を出すべきではないというのが私の考えです。シンプルな確定申告なら自分でやるというのもありかもしれません。しかし、海外資産運用を含めたような高度で複雑な税務は、専門の税理士に相談すべきでしょう。素人が、手を出して間違った計算になってしまったりすると、後で大変なことになります。

ただ、専門家に依頼すると言っても、誰でも良いわけではありません。国内、国外の両方の税務に通じている税理士というのは、意外に少ないものなのです。知識の無い専門家に依頼すると、保守的で通り一遍な税務申告をされてしまうことがあります。

税の世界は白黒はっきりしているルールもありますが、考え方や解釈によって見方が分かれるケースも多いと聞きます。となれば、税制を柔軟に解釈してくれるような攻めの税理士とお付き合いした方が良いのです。

一般社団法人海外資産運用研究会の3月15日の研究会は「税金のエキスパートが教える 海外投資の税金対策」というテーマです。私が税金関係の業務を依頼している「攻めの税理士」木村先生が講師です。

税金とは、受け身で最初から「取られるもの」とネガティブに考えるのではなく、社会に対する価値の提供の対価として受け取った報酬の中から、自らが能動的に「支払うもの」と考える。確定申告の作業は煩雑で憂鬱なものですが、納得できる納税を、もっと主体的でポジティブに捉えても良いと思います。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年3月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


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