「金目的」という判然としない犯行動機

2014年03月06日 12:00

3月3日に会社員が刺殺され、ほかに3人を負傷させた千葉の連続通り魔事件の犯人が逮捕され、容疑者(被疑者)は「金目的」と容疑を認めているようです。この容疑者、ネット上の一部では有名な「動画投稿」マニアだったらしい。犯行翌日の4日の夜には自宅前で報道陣の取材を受け、目撃したとする犯行の様子を証言していました。どうも虚栄心がムダに強く虚言癖と目立ちたがりの性格なようで、報道陣の前でも奇声を上げ、おかしな言動をしています。


今回の容疑者の「金目的」という「動機」は警察からの情報のようです。捜査当局としては検察へ送検するために「動機」を確定したがる。マスメディアも「動機」を解明したがります。もちろん、人間のほとんどの言動には「動機」がある。「動機」がなければ犯罪意志が成立せず、いわゆる「衝動的にした」という犯行の理由も「動機」です。

犯罪捜査の場合、日本では警察が容疑者に取り調べ捜査をし、検察へ送検する際に「動機」も含めて証拠をそろえないと「立件」「公訴」が難しいようです。供述調書も、犯罪がいつどこでどのように起きたかという「5W1H」と「動機」について明らかにしなければならない、と定められています。とりわけ、心神喪失状態を装っている容疑者では、犯行当時の犯罪意志の有無が重要となり、捜査当局としては送検前にしっかり固めておきたい要件になるんでしょう。

どうも人間というのは、何かの事象に関してその理由を知りたがる生き物のようです。抽象的な事象を「言語化」したがる生き物と言ってもいい。理解できないことでも、はっきりした理由があれば何となく納得します。犯行が「金目的」だと「なるほど」と得心する。三重県で2013年8月に女子中学生が殺害され、逮捕された高校3年の男子にしても「動機は金目的」と「自供」しているようです。

しかし、我々はすべての言動に確固たる理由があるわけではありません。自分でもなぜそんなことをしたのか、わからなくこともよくあります。千葉の通り魔殺人事件にしても三重の女子中学生殺人事件にしても、本当に「動機」が「金目的」だったのかどうか判然としない。捜査の進展と犯人の「動機」の解明を待ちたいと思います。

Birth of Blues
【千葉柏・通り魔連続殺傷事件】逮捕の瞬間「ヤフーチャット最高!」を叫んだ犯人がネットに残した精神異常の痕跡


Native American Tribe Adopts Its Own Bitcoin Clone
POPULAR SCIENCE
ビットコインについては毀誉褒貶があるんだが、これは米国政府に対するネイティブ・アメリカンの人たちの闘争のためにビットコインが使われている、という記事です。正確にはビットコインのクローン「MazaCoin」というものらしい。電子空間上のヴァーチャルな貨幣を中央政府は規制できない、というのは一種のアイロニーです。これが実態となって印刷物になった途端、厳しい規制の対象になる。電子的な実態のない貨幣も実際の貨幣も単に相互の「信用」に基づいて交換されているだけなのに。いずれにせよ、仮想通貨は政府に対する強力な反抗ツールになる、ということらしい。米国にも過去から訣別できないいろんな問題があるようです。

Virtual bees help to unravel complex causes of colony decline
PHYS.ORG
ミツバチの「コロニー」をコンピュータ上でシミュレートし、ミツバチの巣がどうやって作られ、全盛期を迎えて衰退していくか、その過程をトレースしてみた、という記事です。コロニーというと「植民地」なんだが、ハチの巣はコロニーと呼ぶらしい。スペースコロニー、という意味でなら理解できる。しかし、欧米人にとってのコロニーの概念がちょっとわからなくなってきました。それはともかく、ハチの巣をシミュレートすると、ちょっとした寄生ダニの侵入や環境変化、農薬などで巣に大きな影響が現れます。しかし、最も重要なのは食糧を得る場所の距離らしい。最初にどこに巣を作るかによって隆盛を極めるか衰退するかが決まってくる、というわけです。

Twitter to Install 19th Century Log Cabins in its San Francisco Headquarters
inhabitat
酔狂というか、Twitter社がサンフランシスコの本社敷地内に社員のための憩いの場や遊び場を作ってるんだが、そこにモンタナ州の田舎から壊れかかった小屋を移築する、という記事です。米国のIT系企業は、社内にそうした場を作りたがる。Googleも六本木ヒルズのオフィスに行くと社員食堂にサッカーゲームなんかが置いてあります。しかし、写真を見ても古びて今にも倒壊しそうな小屋です。100年前のモンタナ州なんて典型的なバッドランドだったんじゃないかと思うんだが、そうしたフロンティアスピリットを忘れないためなんでしょうか。いや、実際は何も確固とした理由なんかないんでしょう。それが連中の良さでもある。

コンビニエンスフッィシュ「ワカサギ」
神奈川件水産技術センター
冷たい風が吹き抜ける氷が張った湖上に、じっと座り込んで穴の中へ釣り糸を垂らします。すると、どんどこ小魚がたくさん引っかかって釣れてくる。これは病みつきでしょう。釣れれば寒さ暑さは感じなくなるのが太公望です。ワカサギもブラックバスなどのゲームフィッシュがたくさんいるところでは数が減っているらしい。他人のターゲットの違いを配慮する気持ちがないと釣りなんてやっちゃいけませんやね。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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