日本の技術者研究者にわだかまる不満

2014年03月14日 12:26

今では普通に使われている「フラッシュメモリ」を発明したのは日本人技術者です。東芝にいた舛岡富士雄氏。中村修二氏が日亜化学に対して起こした「青色LED裁判」のように、舛岡氏も東芝を相手取って発明貢献に対する「相当の対価」を求めた裁判を2004年に起こしました。


中村氏の場合、東京地裁で約200億円の判決が出た発明を東京高裁で和解にし、約8億4000万円で手打ちにした。舛岡氏も2006年に東芝と和解して10億円が8700万円になってしまいました。日本における職務発明に関する特許法はその後、2004年に改正され、最近ではこのような訴訟はあまり起きていません。また、起こされたとしても職務発明の対価はかなり減額した判決が出るようになっています。

東芝のフラッシュメモリの元技術者が、研究データを不正に持ち出し、転職先の韓国半導体メーカー「SKハイニックス」へ渡した、とされる事件で、3月13日に警視庁が東芝と提携先のサンディスクからの刑事告訴を受け、元技術者を不正競争防止法違反の容疑で逮捕しました。すでに、その元技術者はSKハイニックス社を辞めているらしい。東芝は本来なら得られたはずの利益をめぐり、SKハイニックス社を東京地裁に訴えています。

こうして事件化され、逮捕にまで至った事例は、これまでかなりレアケースだったようです。しかし、頭脳流出、技術流出と言われて久しいわけで、東芝の事件は氷山の一角、という人もいます。2000年代に三洋電機の有機EL技術や液晶技術、キヤノンのデジカメ技術、日立のLSI技術などが技術者と一緒に流出している。日本の技術が世界中から垂涎の的だった時代はすでに過去になり、中国や韓国はキャッチアップからスルー、パスされる段階に入っているようです。

くだんの東芝元技術者も、技術さえ持ってくれば用済みとばかり、SKハイニックス社から「お払い箱」になったのかもしれません。デフレで賃金も上がらず、終身雇用や年功序列制度が崩壊し、日進月歩の技術革新で若い研究技術者に後れを取り、かといって慣れないデスクワークで定年まで過ごすのも納得できない将来に希望を見出せない中高年技術者が増えているんでしょうか。

頭脳や技術、知財の流出には、待遇や報酬だけではない何か別の大きな理由もあるような気もします。それはもしかすると、会社や家族も含めた社会全体からの技術者や研究者に対する「正当な評価」と「正当な対価」なのかもしれません。

せと弘幸BLOG『日本よ何処へ』
韓国への技術流出で逮捕状請求


Rotten Fruit May Be Due to Microbe Warfare
Science
「微生物戦争」がものを腐らせている、という記事です。「腐る」という現象は、実はまだあまりしっかり研究されていないんですね。もちろん「腐敗」と「発酵」は同じ現象であり、我々人間にとって有益なものを「発酵」というわけです。有機物が細菌などの微生物によって分解され、変質することを「腐る」という。では、この「微生物戦争」の「戦争」というのはどういうことなんでしょうか。スカベンジャー、つまりハイエナのような「腐肉漁り」はどんな生物種、生物相にも存在します。ヒトもかつてスカベンジャーだった、という説もある。サバンナにシマウマの死体があれば、それをハイエナやジャッカル、ハゲワシ、さらにライオンにまでいたる様々な生物で奪い合います。ようするに、生物の死体をめぐる「戦争」が微生物の間でも繰り広げられている、というわけです。

Robotic fish designed to perform escape maneuvers
PHYS.ORG
米国MITの研究者らが作ったロボット魚を紹介する記事です。天敵の捕食から逃れるような行動を自律的にするらしい。この技術のキモは「柔らかで滑らかな動き」のようで、アユなどの小魚の動きをトレースしています。アクチュエーターと圧縮ガスを併用しているようなんだが、魚の動きはけっこうパターン化が可能で、水中という粘性のある流体も空気中より「引っかかり」があり、コントロールしやすいんだと思います。ただ、自律的に「逃げる」という行動は、けっこう高度な技術でしょう。

特殊なGoogle検索を使ってサイト調査を簡潔にする方法【webマーケター必見】
ビーカイブ
すでに「ググれ」という言葉が人口に膾炙するようになっているんだが、これは知っておいたほうがいい検索の小技です。検索で出てくる情報は、言葉が広くて抽象的であればあるほど膨大。その中から目的の情報を拾い集める手間暇はバカになりません。もちろん、辞書を引いていると目的の言葉のヨコに知らなかった情報を見つけて得をすることがあるように、ネット検索でもそうしたことがあります。しかし、ミソもクソも一緒くたのネットと辞書を同列に並べるのも失礼です。この中で便利そうなのは「related:」というやつ。これから多用しそうです。

ネットの揉め事のほとんどは片方がスルーすればそれで終わる
脱社畜ブログ
もうね、ホントにその通りです。どうしてヤッカイごとに自ら絡みついていくのか、よくわからない。ネットの匿名性は、それをさらに助長します。放っておけばいいのに。当方、嫌なことを書かれても、二、三日たてば忘れちゃいますね。書いたほうがずっと嫌な思いをすればいいのに。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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