新聞のネット選挙リテラシーが低すぎ(追記あり)

2014年03月20日 07:00

おととい、地方に出張がてら電車の中でツイッターを見ていたら、金髪のお兄さんが久々に記者会見を“tsuda”っていた。興味をもってみると、クラウドファンディングサイト「ShootingStar」を運営するJGマーケティングが、政治家の資金調達サービスを本格展開することを発表しているではないか!聞いてないぞー(-_-;)


※tsudaってた記者会見コメント
140320津田

●クラウドファンディングで政治資金集めの時代
ネット選挙界隈の事情通の皆さんなら、このサイトのことはお馴染みの話。そうです。家入さんが都知事選で選挙資金を集めるのに利用させてもらいました。代表の佐藤大吾さんといえば、寄付サイト「ジャスト・ギビング・ジャパン」代表を務めるなど、イケてる社会起業家界隈のスター選手で、「“20代、コネなし”が市議会議員になる方法」(ダイヤモンド社)という著作もあるように、政治にも詳しい。家入さんが、日本では初めて選挙期間中にクラウドファンディングを使って選挙資金を集める取り組みにチャレンジするにあたって不可欠な存在だった。公職選挙法その他のリーガル面をクリアする上でご尽力いただき、目標額の500万円を大きく上回る約740万円を集める成功事例を作った立役者だ。早速、来年の統一地方選を見込んで、もう本格展開して商品化してしまうのは、さすがなんだけど、記者会見、呼んでほしかったなー(汗)本の宣伝してやったので、佐藤さん、次からリリース頂戴ね、と何故か上から目線。



で、今回のポイントは「寄附型」ではなく「購入型」であること。まず挙げられるのは、ざくっと3点あって、①寄付文化が根付いておらず、ましてや個人が政治献金をする気風が奇特なお金持ちを除いてほとんどしない日本にあっては、寄附型は難しい②購入型で対価性をもたせた取引にすることでお金を払う側のインセンティブを高めやすい③ただし、選挙民への利益供与にあたるお祭りの開催や、供託金目当てのゲンナマ集めに特化するようでは公選法に抵触するので購入型ならリスクヘッジできる――あたりを認識しとけばよさそうです(詳しくはプレスリリースC-NET記事をご参照。あと、おときた君のブログが問題点もろもろ、まとまってます)。

※外国の被災地支援から活動報告まで様々な“商品”ラインナップ
140320クラウド

●大手新聞社の関心が薄い(?)理由
参加した人の話では、結構報道各社の記者が来てたそうなので、ベタ記事でも取り上げている新聞が多いのかと思ったが、Googleニュースを検索する限り、出てくるのは前述のC-NETを含め、IT系のニュースばかり。全国紙では日経電子版だけだった。我が家は紙の新聞は日経しか購読してないので図書館いってまでめくってないけど、発表案件なので、ネットニュースくらいは流すはず。それもないところを見ると、おそらく他の一般紙は書いていないか、掲載しててもしょぼいスポット記事程度なのだろう。関心うすっ。。。(※20日16時30分追記⇒朝日新聞さんが結構大きめに取り上げていたようです。さすがです)

現代ビジネスでも書いたことだけど、今回の都知事選で思ったのは、既存の選挙活動も「伝統芸能」と化しているところがあるが、それを取材する側も型にはまり過ぎていて同じく「伝統芸能」になっている。公示・告示後は平等性を意識する余り、制約が多くなって型破りな記事が書きづらくなっているのも大きいのだが、たとえば地方選は社会部や地方支局が取材する。そういうところはまだ若いのに「リツイートって何?」って、化石みたいなネットリテラシーの記者たちの巣窟なので、ニュースの妙味も分からず、仮にある陣営がユニークな仕掛けや、社会的有意義な現象があったとしてもスルーする、あるいは咀嚼できないことになりがちだ(筆者の偏見・経験則だが、ネットリテラシーが平均的に一番高い取材部署は経済部だと考える)。参院選、都知事選で家入さんだけでなく、他の陣営を含めてネット選挙活動、あるいは政治とネットの融合はますます加速していて、取材する社会部、政治部記者たちが置いてけぼりを食らう可能性がある。まー、別に全ての記者にtsudaってください、とは言わないけど、Facebookくらいはやってくださいな。あ、そういえば僕が最もよく存じ上げている新聞社は、新人記者のFB使用は「自粛」という名の事実上の禁止令を出している噂を聞くんですが、そんなんで来年の統一地方選挙のネット選挙を取材できるんでしょうかね。クラウドファンディングと聞いて、雲を見上げている記者が大手町付近で今しばらく目撃できるかもしれません。

●政治のデジタル化が報道をデジタル化する
そんなアナログ路線まっしぐらの会社はさておき、記者のネット選挙との向き合い方を真剣に模索する新聞社もありまして、不肖私ごときが勉強会の講師を打診されていまして、気恥ずかしさがありながらも、この手の話は積極的にお引き受けしたいと思ってます。記者のリテラシーを上げていただかないと、中高年主体の新聞読者のリテラシーがますます上がらないですしね。それに、取材対象の政治のデジタル化が進むことで新聞報道のデジタル化も進む要因になる気がしていますご参照までに前回の記事もどうぞ)。

ま、講師を呼ぶとなると、「中の人」と取材側を両方経験しているのは、日本で私か上杉隆さんくらいだと思いますが、上杉さんをご指名する物好きな社があれば、どうぞ彼を招いて記者クラブの是非を巡って、楽しく罵り合ってください。私の方はそういう血の気の濃いお話にはならないことは保証致します。最後は微妙に宣伝となり、アゴラを商用利用で穢してしまいました。池田先生、ごめんなさい m(__)m

新田 哲史
Q branch
広報コンサルタント/コラムニスト
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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