強まる「個人主義」とコミュニケーションの重要性 --- 岡本 裕明

2014年04月14日 08:54

いわゆるミスマッチという言葉がマスコミを通じてにぎわしたのは就職活動の採用側と就活側の相性の悪さだったと思います。繁忙を極める業界には人が集まらず、学生は知名度のある企業やカッコよさで企業選びをする傾向がいまだに強いということだったと思います。最近、たくさんの方から私のブログに頂いているコメントを拝見していて思ったことはミスマッチは世の中の至る所にあり、それを多くの人はそれなりに認識をしているということでしょうか?


世界を見渡せば案外、二つの背反した組織、考え方がぶつかり合う構造が以前より鮮明になってきたかもしれません。「不適当な組み合わせ」と訳されるミスマッチは好む、好まざるにかかわらず、我々の周辺に混在し、それを無理やり縁組みさせているのかもしれません。

資本主義x共産主義
ナショナリズムxグローバリズム
マネタリズムxケインズ
保守x改革
富裕層x99%の一般庶民
先進国x新興国
キリストxイスラム
カソリックxプロテスタント
最新型x価格優先

上記の対立構造は10年前にはさほど感じなかったことかもしれません。この10年で何が変わったかといえば一つの理由に情報の開示とその広がりのスピードが圧倒的になってきたことが挙げられるでしょう。そして、もう一つはアメリカやヨーロッパでも成熟国の病である住宅バブルの崩壊を経て人生をリフレッシュした人も多く、大衆がすべて経済的上昇気流には乗れないのだということに気が付いた証でもあると言えましょう。

そんな中、日本は戦後、世界で最も優れた社会主義システムと揶揄されたチームワークで一億総中流というステータスを築いたもののバブル崩壊後、アメリカ発の資本主義が日本を襲い、その影響が日本人の発想を大きく転換させました。例えばそれまでは「転職」はタブーであったものが20代までならとかOKとか、30代半ばまでなら大丈夫かも、と徐々に門戸が広がっていきました。今や、若者は転職することに抵抗はないでしょう。人もうらやむ一流企業にようやく入った諸君も一生を捧げるつもりだったのに同期が次々辞めていくその事実に影響を受けないはずはありません。

私はそんな世界はむしろ、健全ではないかと思っています。

戦前戦後から高度成長期にかけての日本は言いたいことも言えず、個の尊重はなかったとも言えます。長屋、隣組、部落といった集団が一つの意思の単位でありました。会社でも「俺、辞める」といえば熱い奴が叱咤激励して引っ張っていってくれたものです。しかし、今や、助けてくれるはずのあいつもこいつもいつの間にか転職していなくなり、一人取り残される時代になったともいえます。つまり、一人で生きていかなくてはいけなくなったということです。ところが一人取り残されても十分に生きていける社会の仕組みができてきたことがより一層、コトを複雑にしています。

実は私がバンクーバーで所属する日系のビジネスNPOの会員の推移を見ていて思ったのですが、NPOの必要性は以前と比べ薄くなった気がしています。所属意識はネットとSNSで済ませられるのでリアルの世界は面倒くさいということなのでしょうか。

そこに見えるのはみなバラバラだということです。

ウクライナの話はその好例で関係する国が見事に違うインタレストを持っているのです。ヨーロッパ内もロシア派のギリシャやキプロスから生理的拒否反応を示すポーランドまで様々です。おまけに何もしていない中国が持ち上げられる始末です。いったい何がどうなっているのかオバマ大統領でさえもさぞかし苦労していると思います。

バラバラになった世界、国際関係、日本、日本人、もしかしたら家族も、ですが、その行方は強い個人主義に向かっていくような気がします。個性と個性がぶつかり合うそんな時代が来るのでしょう。迎合もせず、ひたすらまっしぐら自分の道を進む、けれど最後壁に激突した時に気が付く、そんな世界が見えてしまいます。

そういう世界が予見できる中、コミュニケーションの強化は今後、世界の中でもっとも重視されることになるような気がしております。私も今後、コミュニケーションについて突っ込んだ考察と関与をしていくつもりです。時期が来ればまたこのブログでもご紹介させていただきたいと思っています。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年4月12日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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