ウクライナ危機の背後にある住民構成とは

アゴラ編集部

東部ウクライナが緊迫しています。ロシア軍が介入する、という見立てもあり、オバマ米大統領はロシアのプーチン大統領と電話会談して軍事介入を強く牽制したらしい。内戦状態になると不測の事態も起きかねません。

ウクライナは東部と西部で住民構成がかなり違うようです。西部はウクライナ系住民が多く、東部はロシア系が多い。ある地域の民族構成や宗教の割合は、コソボにしてもウガンダあたりにしてもシリアにしても、紛争の火種になります。


英国は北アイルランドを蹂躙し、アイルランド系住民を追い出して英国から「屯田兵」を入植させた。だから、北アイルランドで選挙をしても英国系住民のほうが多いので英国の帰属から脱することはない。パレスチナも同じ。イスラエル人は絶対にパレスチナ人と一緒に住みません。人口構成が圧倒的にパレスチナ人のほうが多いので、民主的な選挙をすれば必ず負ける。

日本はよく米国の51番目の州などと言われたりするんだが、米国は1億人超の地域を包含するはずはない。日本を含んだ途端、日本人の大統領が誕生します。

で、ウクライナの東部には豊富な穀倉地帯や天然ガスなどの資源があり、西部にはチェルノブイリで汚染された土地と貧しい地域しかない。旧ソ連時代からロシアはせっせと東部ウクライナのウクライナ系住民をよそへ移住させ、ロシア系住民を移植させてきた。それが今になって奏功している、というわけです。

The Telegraph
Ukraine crisis: UN meeting told Russia is massing 40,000 troops on the border


空間除菌グッズの表示をめぐって消費者庁と大幸薬品が大バトル
ニュースの教科書
正露丸で有名な「ラッパのマークの大幸薬品」は、現社長が辣腕の外科医で実兄から同社を受け継いだ人物です。医学的な知見があるので、パンデミックなどの警鐘を鳴らしてきた。同社が開発した「空間除菌」の技術は、濃度管理された二酸化塩素を発生するもので、インフルエンザ菌による死亡率50%のマウスを限りなく0%に近づけた、とされています。マスクや手洗いなど、物理的に除菌することを「物体防衛」といい、空間を除菌することを「空間防衛」、さらにワクチンなどで体内の菌を抑えることを「体内防衛」といい、空間除菌は二層目の「防衛」になるらしい。水道水に含まれている0.02ppm程度の二酸化塩素を使い、空気中の浮遊ウイルスや細菌を除去する、というわけです。一方、消費者庁は、こうした二酸化塩素による除菌効果はエビデンスがない、として表示内容を変えるよう大幸薬品などの業者に命じています。効果についていえば、この記事に書かれているとおり、首からぶら下げるタイプの空間除菌具は、開放空間での二酸化塩素が放散、流出してしまい、確かにうたわれているような効果はないと思われます。密閉された閉塞空間でこそ、空気中のウイルスなどを除去できる。また、二酸化塩素自体は濃度が濃い場合、けっこうな劇薬になるので、その点も留意されたい、と書いています。

Can We Really Upload Johnny Depp’s Brain?
Slate.com
コンピュータが「進化」して人類に害悪を及ぼす、というストーリーは古今東西うんざりするほどあるんだが、これは2014年6月に日本公開予定の映画『トランセンデンス(Transcendence)』について書いている記事です。主演はジョニー・デップ。「トランセンデンス(Transcendence)」というのは「超越」というような意味らしい。コンピュータが人類を「超越」する、という話です。どうもモーガン・フリーマンが出てくると、いろんな映画のイメージが混在しちゃうんだが、名脇役ならではの存在感です。ところで、この映画、英国、米国、中国の合作。中国の「DMGエンターテインメント」が資金調達をしているようです。

「散歩の時なにか食べたくなって 池波正太郎」
ヌマンタの書斎
当方の地元、横浜中華街には池波正太郎が好きだった、というシューマイ屋があるんだが、「清風楼」といいます。店構えは愛想もなにもない。シューマイ自体も大した特徴があるわけでもありません。シューマイってのは、ほとんど不味く作れないんじゃないだろうか。ちなみに、崎陽軒のは「シウマイ」です。あと、神田の「万惣フルーツパーラー」も池波正太郎が好きだったらしい。ここのホットケーキをよく食べたらしい。そんな「万惣」も今はありません。寂しいですね。

「クリエイター」の二義性
メカAG
一口に「クリエイター」といっても、その意味はいくつかある、という話です。「誰でもクリエイターになれる」という誘い文句は、服飾系の専門学校とか、絵画教室とか、カルチャーセンターとか、そんな場所へ誘導するキャッチによく見かけます。「クリエイター」という、なにやらカッコ良さげな「職業」に憧れ、ブランドのデザイナーやイラストレーター、さらにミュージシャンとか、そんなものになりたい人を誘うわけです。かなりオオザッパのひとくくり「クリエイター」という言葉にダマされちゃいけません。


アゴラ編集部:石田 雅彦