日本に資産インフレは起きるか? --- 岡本 裕明

2014年06月29日 17:53

人件費の上昇の記事が目につきます。アルバイトは時給1000円は当たり前、1500円払っても人が欲しいと思っているところもあると聞きます。この一年程度の急変ぶりには全く驚かされていると言っても過言ではないでしょう。消費税引き上げ前には4~6月は大幅な調整があると見込まれていたもののその気配は軽度なものに留まるばかりか、1~3月のGDPは上方修正され6.7%という中国に引けを取らない成長率でした。

控えめな日本人はそれでも「景気がいいのは一部でしょう」というかもしれませんが、明らかに人の動きは違います。活気があると申したらよいでしょうか?


さて、ここにきて株式相場の方も年金の買い増し報道やアメリカの安定的な景気回復基調をバックに株価は大きく回復してきました。特に個人マネーの主戦場である新興市場の活況ぶりは明らかな変化と言えましょう。その代表銘柄がミクシーで同社の先週前の株式分割前の数字ではにあれよあれよという間に6000円程度の株価は18000円を付けました。プロの目標株価はほとんどのところが分割前で1000円台から数千円という中(一社だけ1万円以上としていました。)GSを始めとするプロは7000円台でショートをかけていたとされていますがそれを一気に打ち破り天井知らずとなっていたのです。明らかに根拠なき高騰なのですが、こういう動きをする株が存在すること自体が市場の大きな変化ともいえるでしょう(この数日はテクニカルに下げていますが基調は変わらないと思います)。

不動産への資金のシフトも注目しています。今、始まっているのがいわゆる老齢になった不動産所有者の物件売却に伴う所有者のグレートローテーション。日本の不動産ブームになった60年代、70年代の頃に自宅用として購入した都内の木造住宅は築40~50年越えもざらでほとんど手入れされていない物件も目にします。それらの所有者は当然ながら高齢者、しかも相続税対策で売却を迫られていたり、ライフスタイルの変化(老人ホームに入るなど)の理由で不動産を現金化する動きは今後、かなり増えてくるとみています。

一方取得する側としては法人や個人の事業用不動産取得、外国人による取得などが考えられますが理由は利回りの良さ、値上がり期待など様々です。香港、ニューヨーク、ロンドンなど大都市圏の不動産価格と比較すれば東京の不動産はバーゲンセールそのもの。ならば今買っておくという選択肢は大いにあるのだろうと思います。

結果として起きるのは資産インフレの可能性です。株や不動産価値が世界水準と比べまだ上値を追う余地があり、今後、オリンピックを始め、イベント効果が期待でき、政府が様々な形で「変わるニッポン」を演じようとしています。日本人投資家はいまだ疑心暗鬼でありますが、日本人の世代交代とともに新しい発想を取り込む動きは必ず出てくるとみています。つまり、「今までがこうだったから今後もこうだ」という決めつけはしないほうがよい、ということです。

日本の不動産と株式はある意味、世界の趨勢と比べ蚊帳の外でありました。いまだに「日本の不動産は上がるのかね?」と聞く外国人に対して「土地の価値は上がるでしょう。後は建物の償却費以上に土地が上がるかですが、政府が償却の仕方を見直せば日本の不動産は様変わりする」と答えています。

私は日本で資産インフレが起きない方がおかしいと思っています。異次元の金融緩和をした結果、浮遊する資金が必ず生じているはずでそれが投機なりの刺激を起こし、回りまわって最後に本当の資産インフレがいつかやってくるというシナリオはあり得るのではないでしょうか?

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年6月29日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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