芭蕉が詠んだセミはニイニイゼミだった

アゴラ編集部

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毎年、暑くなってくると「セミが鳴かない」とネットなどで必ず話題になります。この原因、時期的地域的にズレていたり、たまたまセミが鳴いてない場所だったり、単なる気のせいだったりします。梅雨も明けきらない7月から、都会でセミがうるさく鳴くことはあまりありません。セミは種類によって鳴き声も鳴く時期も地域も変わります。

セミと言えば、松尾芭蕉が『奥の細道』で東北に旅をし、山形藩の領内にある立石寺(りっしゃくじ)という山寺を訪ね、そのときに詠んだ句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」はあまりにも有名です。これから盛夏になっていくと、都会でも地方でもやかましいほどセミが鳴き声をあげ始めることでしょう。この芭蕉が詠んだ「蝉」とはどんなセミだったのでしょうか。


これについては、歌人の斎藤茂吉と芭蕉研究家の小宮豊隆が、昭和初期に激しく論争したそうです。斎藤はアブラゼミだとこだわり、小宮はニイニイゼミだと主張しました。じゃあ芭蕉が山形を訪ねた時期と二種類のセミの活動時期を比べてみよう、ということになり、実際に立石寺で調べてみました。すると、5月27日(旧暦、新暦では7月13日)ごろ、山形県で鳴いているのはニイニイゼミというがわかり論戦に終止符が打たれた、という次第。アブラゼミが鳴き始めるのは8月以降が多い、というわけです。

セミで鳴くのはオスのセミだけで、その声にひかれたメスと交尾します。種類によって鳴き声や鳴く時期に違いのあるのは、そのためです。セミの成虫の時期は約2週間ほどなんだが、幼虫の時代が長く、アブラゼミやミンミンゼミなどで約7年ほど、北米の周期ゼミでは13年か17年にもなります。

樹木の皮などに産卵し、孵化した幼虫は地面へ落ち、そこから地下へ潜って成長を続けます。民俗学的には、セミは人間の生まれ変わりという伝承が多くみられるんだが、ツクツクボウシは旅先で客死した筑紫(ちくし)の人が故郷をしのんで鳴くというような物語が伝えられている。ツクツクボウシは夏の終わり頃に鳴き始める。ちょっと寂しいイメージのセミ、というわけです。

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アゴラ編集部:石田 雅彦