朝日新聞が「慰安婦の強制連行」の記事がまちがいだったことを認めて、話題になっています。よい子のみなさんは、まだ「慰安婦」の意味は知らなくてもいいのですが、「強制連行」の意味ははっきりしたほうがいいので、確認しておきましょう。
このことばは、1965年に朴慶植『朝鮮人強制連行の記録』で初めて使われたもので、厳密な定義はありません。そもそも任意で連行することはないので、「強制連行」ということばがおかしいのです。これは日本人が無理やり朝鮮人を日本に引っ張ってきたといいたいのでしょうが、日本の役所が朝鮮人を暴力で連行して強制労働させた事実はありません。
これを少し広く定義して、徴兵や徴用と定義すると、これは国の命令に応じないと罰則があるので、強制といってもいいでしょうが、朝鮮に徴兵制度はなかったのです。当時の朝鮮は日本の領土でしたが、一定の独立性を認められていたので、志願兵を募集しただけです。それに対して最高50倍の志願があり、24万2000人が戦争に出陣しました。
同じ意味で、朝鮮に徴用もありませんでした。日本国内の軍需工場に動員する官あっせんという制度があり、これによって32万人が日本に渡ってきました。これはあっせん(国が世話すること)であって強制ではありませんが、「タコ部屋」もあったので、意に反して労働させられた男性はいたでしょう。
戦争末期に徴用の制度ができ、245人の男性が朝鮮から徴用された記録はありますが、女性の徴用制度はなかったので、徴用された朝鮮人女性は一人もいません。官あっせんもなかったので、「強制連行」は事実無根です。朴慶植も、女性についてはまったくふれていません。
朝日新聞の報道では「女子挺身隊として強制連行」されたことになっているのですが、これは彼らも認めたように、単純な事実誤認です。挺身隊というのは軍需工場などに勤労動員する制度ですが、朝鮮半島にはなかったのです。徴用も勤労動員も、内地の国民の義務だったのです。
そんなわけで「女子挺身隊として強制連行」という朝日新聞の記事は100%嘘です。こんな明らかな嘘を「研究が進んでいなかった」とか「真偽不明だ」とかごまかして、朝日が20年以上も訂正しなかったために、韓国が日本に「強制連行を認めろ」と要求し、それを認めない日本政府を「戦争犯罪を反省していない」と攻撃してきたのです。
朝日新聞は謝罪もしないで「強制連行はなかったが強制性はあった」などと開き直っていますが、強制性などというあいまいな言葉は、どうとでも解釈できます。嘘つきがどんな格好いいことをいっても、信用されません。よい子のみなさんは、嘘を指摘されたら「すいません」とすなおにあやまりましょうね。