肩書き捨てたら地獄だった --- 宇佐美 典也

2014年12月02日 18:27

12/9に2年ぶりの新刊を出版します。


肩書き捨てたら地獄だった – 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方

タイトルは表題の通り「肩書き捨てたら地獄だった 」となかなか過激なものになっておりますが、これは私の経験上の嘘偽りない真実の言葉でございまして、安易に独立や起業を奨励する気風にもの申す意味もこめてこのようなタイトルにいたしました。


久しぶりの本ということでどのような内容にするのか迷ったのですが、私自身のキャリアの独自性は「官僚」というある種の組織・権威社会の頂点から「ニート」に近いような一切の肩書きの無い社会から隔絶したドン底に落ちた、という両極端を味わったというところにあると考えておりまして、「肩書き」と「セルフブランド」というものにフィーチャーした内容になっております。具体的には前半部分で私が「経済産業省の官僚」という肩書きを失ってから何とか生計を立てるようになるまでの体験談と考えたことをまとめ、後半部分では「普通の団塊ジュニア世代のサラリーマンは今後どのように働いて、生き抜いていくべきなのか」ということを論じております。

改めて経済産業省をやめてから(2012年9月退職:最後の一ヶ月半はほとんど仕事をしなかったので実質7月退職)の2年半を簡単に振り返るに、やはり一番辛かったのは始めの半年で、何をしても上手く行かず、金も減り、人の縁も剥がれ、プライドもずたずたとなり、なす術も無く沈み込んでいで行く中で周りの人からもの凄い勢いで見捨てられていきました。

官僚時代私に「よろしくお願いします」と頭を下げていた方々が、一転「お前は本当にどうしようもない奴だな~」と今度は蔑むような目で私を見るのはM気質の薄弱な私に取ってはなかなか辛いものでありました。温室お坊ちゃんで高学歴育ちの私に取ってはやや大げさなものの「地獄」と呼ぶにふさわしいものであったと感じます。。。いや悪いのは周りではなく、無能な私の方なのですがね。

そんなわけで独立後半年は今振り返ってもトラウマとなるようなことばかりだったのですが、なんとか官僚時代のご縁に泣きつく形で下請けの仕事をいただき飯を食いつなぐことができました。併せてあてもなく放浪して色々な人と出会ってどのように生き抜くか試行錯誤する中で、たまたまブログやtwitterやメルマガの伝てで出会った方々のご縁から(多少の戦略もありましたが)再エネ業界に足を踏み入れることになりました。

その後人の情けに甘える形でしばらくおまんまを食わせていただき、今年に入り色々な人のご指導をいただきながら仲間と再エネの電源開発の会社を立ち上げ、ようやくまとまった売上が見えて来たという現状です。一時期はキャバクラ嬢のコンサルなどという半ばヒモのような仕事までしていたのですが、その辺の経緯やそこから這い上がってくるまでの道筋も含め本にまとめております。

後半部分では「組織への忠誠と身分の保障、そして定年後の年金生活」という考え方に基づく団塊の世代型のキャリアモデルの持続可能性や、それに対極する「フリーエージェント」という働きの可能性を論じております。官僚時代は現状の社会保障の枠組みが崩れかけていることで、私は団塊ジュニア以下の世代の将来を非情に悲観的に捉えていたのですが、木下斉氏なり、高木新平氏なり、家入一真氏なり、といった現代の旗手の方々に会ううちに考え方は変わってきておりまして「経済環境が違うのだから無理に親の世代の働き方のモデルに自分たちを当てはめて、勝手に悲観的になることはないのだな」と考えるようになって来ております。

一応ジャンルで言えばこの本は「自己啓発本」というものに属するのかもしれませんが、実際にドン底をなめて這い上がって来た人間が書いたという意味で、イケイケいっぺん等な田村耕太郎風味のものとは異なる面白みのあるものとなっていると思います。一方で色んな議論をつまみ食いしておりまとまりが悪い、というところも自分ながら感じるのですが、ただ人生というものはそもそもそんなまとまりが良いものではないので、これはこれで等身大なのではとも思っております。

ということで、いつか起業なり独立なりの形で脱サラを考えている人達には、間違いなく800円くらいの価値がある本だと思いますし、また将来への漠然とした不安というものを覚えている方にも働き方について色々考える材料が盛りだくさんになっていると思いますので、是非ご一読いただければと思っております。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「宇佐美典也のブログ」2014年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のブログをご覧ください。


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