親の投票行動でも固定化される社会格差

2014年12月17日 15:51

毎度のことながら選挙の投票率の低さが話題になっています。先日12月14日に行われた衆院選も投票率は小選挙区が52.66%、比例代表で52.65%でどちらも戦後最低になりました。前回2012年12月より低く、東京は過去最低ではなかったものの、ほかの46道府県で最低を更新するという始末。唐突感満載の「奇襲」解散だったこと、師走の気ぜわしさもあり、さらに争点がボンヤリして有権者の問題意識を喚起しなかったことも影響したようです。


日本に限らず、世界的に若い世代の投票行動が問題になりがちです。すでにネット上にバラ撒かれているこの「衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移」によれば、やはり2009年の政権交代選挙の投票率はどの年代でも高かった。傾向として、1967(昭和42)年の第31回総選挙ではそれほど各世代の差は開いていなかったのが、時代を経るにつれてバラけ、その理由はもっぱら20歳代30歳代の投票率が下がり続けたことであることがわかります。

特に小選挙区制に移行した1996(平成8)年の第41回総選挙で、20歳代の投票率がドーンと下がっている。どうも小選挙区制の問題の一端が、ここに見えるような気がします。つまり、一人しか当選しないような結果は積極的な投票行動につながらないのでは、というわけ。選択肢が狭まった結果「自分が投票した候補者の当選する可能性が低いなら行かない」ということになります。おそらく、それは若い世代の意見を代表する候補者だということが想像される。

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このように、日本では特に世代間の投票率の差が問題になっています。2012年の総選挙では、60歳代の投票者数は20歳代の2.5倍。安倍首相は「代表なくして課税なし」と言いましたが、若い世代は国政の議会へ自分たちの代表を送り込んでいません。投票しないのは勝手ですが、代表ないのに課税あり、という事態に手をこまねいている。これを自業自得と言えるでしょうか。

米国の場合、2006年の中間選挙では、世帯年収が1万ドル(約90万円)未満の層の投票率が24%しかなく、その中でも18歳から24歳の年齢層の投票率が12%だったようです。また、2012年の調査では、裕福な人の投票率はそうでない層の2倍以上で、2008年の米国大統領選挙の場合、年収15万ドル以上の層の投票率78%に対し、年収3万ドル以下の層の投票率は50%未満だったようです。

投票行動と経済格差には、何か相関関係があるんでしょうか。既成政党が、40歳代以上の有権者の代表となり、さらに与党が経済的な富裕層の意見を集約し、大企業とその社員の代弁者となっているんでしょうか。どの国の既成政党も得票につながらず、自勢力の損になる政策をすることはありません。表題の記事によれば、若い世代がなぜ投票に行かないのか、その理由は「寒いから」とのことです。また当方の若い知り合いは「せっかくの日曜日くらい自宅で休養したい。だから期日前投票へ行ってきた」と言っていました。ベルギーでは、父母の投票行動が子どもに影響するようです。親が投票へ行かなければ、その子も行かない、という意味でも、経済格差がどんどん固定化される、というわけです。

秒刊SUNDAY
若者が選挙に行かない理由「寒いから」であることが話題に


Amount of mitochondrial DNA predicts frailty and mortality
EurekAlert!
米国ジョンズ・ホプキンス大学の研究を紹介している記事です。ヒトの血液中のミトコンドリアDNAの量が、病気のかかりやすさや死亡率を予見する指標になる、というもの。ミトコンドリアはよく知られているように、もとは別の生物だったものが、細胞内へ取り込まれ、様々なエネルギー源となることで細胞を持つ主体生物と共生するようになりました。ミトコンドリアのDNAが老化と深い関係がある、ということは以前から知られていたそうですが、一定の血液量中にどれくらいのミトコンドリアDNAが含まれているか、またそれがヒトの健康や寿命にどういう影響を与えるのかはわかっていなかった。この研究により、血液サンプルの検査から予防医療や老化防止などが期待できるようになるかもしれません。

Humans May Be Causing the Sixth Great Extinction in Half a Billion Years
VICE
人類はこの先の5000万年の間に、6回目の大絶滅を引き起こす可能性がある、という記事です。言うまでもなく温暖化を含む大規模な環境破壊がその原因。地球上の生物は、過去、5回の大絶滅を生き抜いてきました。しかし、6回目は最後の大絶滅になるかもしれません。

7 Reasons You Should Teach Your Kids To Speak French
BUSINESS INSIDER
各言語を母国語としている人口の多い順でいえば、やはり中国語が最も多いようです。約14億人くらい。次が英語で約5億5000万人。ヒンディー語の約5億人、スペイン語の約4億2000万人、アラビア語の約2億3000万人、ベンガル語の約2億2000万人、ポルトガル語の約2億1500万人、ロシア語の約1億8000万人、日本語の約1億34000万人、ドイツ語の約1億3000万人、フランス語の約1億数千万人、と続きます。フランス語は正確なネイティブ人口がちょっとよくわからないらしい。この記事によれば、英語圏の人間が学ぶべき言語ではフランス語が最も適している、と書いている。その理由は、フランス語はラテン語が基礎になっているからスペイン語やポルトガル語、イタリア語への入口に容易になれるとか、アフリカで約半分の国がフランス語圏だという点、またフランス語のブランド力などだそうです。しかし、日本語って国の数を競わなければ、世界でもメジャーな言語なんですな。

South Korea To Export K-9 Howitzers to Poland
DefenseNews
韓国は自国製の兵器を自主開発しようと必死です。しかし、なかなかちゃんとしたものはできない。韓国初の国産主力戦車K1は自動消火装置が誤作動し、砲撃すると戦車内に消化剤がバラ撒かれるシロモノ。戦闘機に搭載される対地ミサイルは、地上の携帯電話の電波を受信してそこへ向かって飛んでいくらしい。韓国製の自動小銃K11のグレネードランチャーは暴発が頻発し、改良を繰り返してなんとか実戦配備したようです。さらに、水没する水陸両用車とか枚挙に暇がない。この記事によれば、韓国製の自走榴弾砲K9をポーランドへ輸出する、とのこと。しかし、この兵器、2010年11月23日に北朝鮮軍が韓国内の仁川・延坪島とその近海に向けて砲撃を加えた延坪島砲撃事件の際、6輌中3輌が故障で作動しませんでした。ポーランドは戦車K1の購入を途中で止めたりしている。懲りない両国、というわけです。
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韓国軍のK9自走榴弾砲。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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