日本は韓国に謝罪要求すべきだ --- 長谷川 良

アゴラ

日韓中3国首脳会談開催の準備が静かに進められているという。外交筋によると、3国外相会談を年明けの早い時期に開き、その後、3国首脳会談を開催する方向で調整されているという。

韓国メディアを読んでいると、3カ国首脳会談後の次は日韓首脳会談の開催だ、という希望的観測が囁かれだしているという。反日攻勢を続けてきた韓国側が日本との関係修正に乗り出してきたわけだ。隣国関係は緊迫しているより、友好関係にこしたことはない。


ところで、朴槿恵大統領が就任して1年10カ月間が過ぎるが、その間、日本は韓国から慰安婦問題から竹島問題まで叩けれ続けてきた。韓国側の日本憎しは国際議題まで拡大し、慰安婦像は米国でも建立され、米主要メディアが「日本は性奴隷国」と報道するまでに広がっていった。あれもこれも韓国側の感情的な反日情報工作の結果だった。

幸い、ここにきて風向きが変わってきた。慰安婦問題の扇動役を演じてきた朝日新聞の誤報が明らかになり、朝日新聞社長が謝罪表明して辞任したのだ。反日報道では朝日報道の記事を多用してきた韓国メディアは困った。「我々の報道も間違いでした」とは口が裂けても言えないから、朝日新聞誤報事件の衝撃が去るまで静観する姿勢だろう。

韓国経済にも数年前の勢いはもはやない、頼りの中国経済もスローダウンしてきた。このまま日本を叩き続けていると韓国経済にもマイナスだ、ということがようやく理解されだした。そこで韓国大統領は面子を失わないように慎重に軌道修正に乗り出してきたわけだろう。

ここまでは韓国側の“お家の事情”だが、日本側はソウルの軌道修正を基本的には歓迎すべきだろう。国際関係はいがみあっている時間などない。問題があれば、相互意見を交換して解決すべきだからだ。

とまれ、一方的な反日攻勢を展開し、世界に告げ口外交をしてきた韓国側に「過去の悪口三昧の外交に対し、一言お詫びがあって然るべきではないか」といった正論が日本の政治家の口から飛び出しても不思議ではない。

謝罪要求は韓国の専売特許ではない。間違いがあれば謝罪するのは国家関係も人間関係と同様だ。国家の面子云々というのならば、隣国を性奴隷国と罵声を浴びせてきた韓国側も日本国民の辛い思いを一度は考えてみるべきだろう。自分の怒り、恨みだけではなく、相手の心を考えることが関係改善の基本だからだ。

安倍晋三首相が朴大統領と会談する時、先手を打って韓国側に謝罪を要求したらどうだろうか。そうすれば朴大統領は驚き、椅子から滑り落ちるかもしれない。

もし朴大統領が「わが国のこれまでの行き過ぎた批判に対し、韓国政府代表として日本側に謝罪したい」と表明すれば、その瞬間、凍結してきた日韓関係は一挙に改善するだろう。そして歴史家が後日、「朴大統領の日本への謝罪は韓国民族の度量を世界に示した画期的な表明だった」と評価するのは間違いない。

そして朴大統領の謝罪表明を聞いた安倍首相が、「わが国も過去、韓国民族に多くの痛みを与え続けたことを詫びたい」と返答するならば、日韓両国は安倍・朴時代に大きな繁栄の時を迎えるかもしれない。国の進路に責任を担う政治家は拘りや姑息な打算を捨て、国家・民族の未来のために度量を示すべきだ。


編集部より:このブログは「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2014年12月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。