大切な人に残せるもの --- 岩瀬 大輔

2014年12月30日 19:09

世の中がクリスマスで賑わっていた12月の第3週。期せずして境遇が似た二人の女性と話をする機会に恵まれた。お二人から許可を頂いたので、少しその対話をご紹介したい。


1人目は、昨年末に急逝した中学時代の恩師の奥様。1回忌を期に、ライフネット生命のコンタクトセンターにお電話を頂き、色々とお話しした。

「彼を偲ぶ会を開こうと他の先生方が話をしてくれているので、ぜひ岩瀬君には来てもらいたいと思って連絡をしました。職場のことは家ではあまり話さない人だったのですが、岩瀬君のことは昔からよく聞いていましたよ。

1年経つのですが、あの人のことだから、ちょっとどこかに行ってしまっているだけで、ある日、ふらっと戻ってくるような気がするのです。」

奥様とはお会いしたことがないはずだが、なんだかずっと前から知っている人のような温もりを感じた。今後も連絡を取り合う約束をして電話を切ったが、奥様も、高校生のお嬢さんも、あたかも先生とそうしていたように、これからずっとお付き合いをしていく予感がした。

2人目は、今年の夏に夭折した友人の奥様。少し落ち着いたらお会いしましょうという約束が、年末になってようやく実現した。

お会いするのは初めてだったのだが、以前から年賀状などで写真を見ていたことや、旦那さまもよく僕の話をしてくれていたこともあり、まったく初めてのような気がしなかった。お焼香だけあげて失礼する予定だったのだが、思い出話や共通の知人友人の話で、あっという間に1時間弱が過ぎ去った。

生命保険に入っていなかったと聞いていたので少し心配をしていたが、話を伺うと、たまたま1年前に社宅を出てマンションを購入していたこと(=団体信用生命保険には入っていた)、そしてご主人が勤めていた一流企業が彼女を正社員として雇ってくれることになったとのことで、少しほっとした。もちろん、幼い娘さんをお一人で育てて行く苦労は想像を超えるだろうが。

帰国子女で一流大卒、IT系企業で8年間の勤務経験を持つ彼女でも、夫の留学と子育てで6年間のブランクがあったことが、就職活動をするうえで大きなハードルとなったそうだ。このたび就職が決まったのは、ご本人の実力が申し分ないことは言うまでもないが、彼女は次のように語った。

「就職が決まるまでの過程で、元上司の方や会社の役員の方々と何度もお話をし、主人が職場で本当の多くの人に信頼されていたことを痛感しました。共通の友人たちも、気遣って何度も訪ねてきてくれています。岩瀬さんとのご縁もそうです。彼は本当に、たくさんのものを残してくれました」

食卓でお茶を飲んでいると、すぐ横に昔と変わらない爽やかな笑顔の彼の写真がそこにある。いつも八重歯を見せながら笑っている彼だった。同じ1976年生まれの彼。僕らが年を取っても彼だけはずっとこのままでいることが、不思議に感じた。

「私が年を取っても、彼はずっとこの若いままなんて、ずるいと思いませんか。それでもなんだか、彼は長期出張に出かけているだけで、いまにもただいまーって急に帰ってくるような気がしてならないんです。」

生命保険業に携わっていると、ご家族にお金を残すことの大切さを日々痛感する。しかし、大切な家族に残せるものはそれだけではない。

安心して暮らし続けられる棲み処。
本人がいなくなっても、ずっと付き合い続けてくれる同僚や友人たち。
夫として、父親としての生きざま。
なにより、たくさんの素晴らしい思い出。

悲しい運命のいたずらを力強く乗り越えようとする二人の女性との会話によって、大切な人に何を残せるのか、考えさせられた年末のひとときだった。


編集部より:このブログは岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2014年12月30日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。

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