クリントン米大統領候補の「フロイト的失言」とは

アゴラ編集部

米国のメディアやネットは、もうすっかり大統領選挙に突入し、議論はそれについて一色に染まっているようです。特に民主党候補としてヒラリー・クリントン前国務長官が立候補表明した4月12日以降、それはかなり白熱。ネット上でほかの話題を集めようとしても、米国発の情報にはクリントン氏についてのノイズが多過ぎて困るほどです。

これはクリントン氏の大統領選挙用のHPです。ご覧の通り、夫であるビル・クリントン元大統領の現役時代にファーストレディとして「君臨」したころの美貌はすでにない。円熟したというより、失礼ながら「枯れた」感じさえ漂っています。もし彼女が大統領になるとすれば、米国史上初の女性大統領の誕生となる。ただ、就任時には69歳。ドナルド・レーガン元大統領の70歳とほぼ同じくらいの高齢で、これを危惧する声も少なくありません。
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クリントン氏の大統領選挙用HPより。


歴史を振り返ると後付けですが、様々なことが見えてくることがあります。各国のリーダーもそれぞれその時代に応じた「役割」がある。バラク・オバマ現米大統領の役割は、経済財政金融の立て直しと一種の「デタント」と考えられます。ドルバラ撒きを引き締め、日本やEUへその役割を肩代わりさせた。キューバへの歩み寄りも緊張緩和の一環でしょうか。

では、オバマ政権の次の大統領の役割は、といえば、民主党共和党どちらの候補が勝つかに関わらず、その使命はすでに決められているのかもしれません。もし歴史の振り子の揺り戻しがあるのなら、再びブッシュ共和党政権時代のような「強い米国」の再現となるのでしょう。

4月14日にアイオワ州で行われたクリントン氏と学生らの対話集会で彼女は、国民を守るために闘うと宣言したようです。さらに経済を発展させ、地域社会の役割を強化し、機能しない政治を変えると主張。どこかの国の首相と同じようなことを言ってます。

表題の記事では、クリントン氏の「失言」について書いています。彼女が立候補表明した際の公式プレスリリースの内容に「she’s fought children and families all her carrer」という一文があり、書き手も「こじつけ」と首を傾げつつ、これは「フロイト的失言(Freudian slip、parapraxis)」ではないか、といぶかしんでいる。このフロイト的失言とは、無意識の願望などをつい露呈してしまうような発言であり、思わず本心や願望が表現される状態を指します。

我々にも思い当たることがありますが、本心をとても口に出す訳にはいかない場合でフロイト的な失言をしてしまい、あわてて「言い間違えた」と言い訳したりします。実際、人間には様々な欲求や願望がある。しかし、それらは実際に意識してはいけないことだったり、考えること自体あまりにも社会的に恐ろしいことであったりする場合、欲求や願望は意識の奥底へと抑制抑圧され、葛藤となるわけです。

しかし、そうした欲求や願望は、外へ出るチャンスをうかがい、口に出したり文章に書かれたりして表現されたがっている。そうした感情があまりに強かったりした場合、我々の精神状態もおかしくなることさえあるため、その捌け口を常に探している、というわけです。

表題の記事では、女性や子どもの味方、という立ち位置を取っているクリントン氏は、その生い立ちや夫の不義の経験などから実は逆に女性や子どもを敵視しているのでは、と書いている。たとえば、宗教的な事情から米国で政治的な議論となる人工中絶について彼女は賛成しているから、だそうです。こじつけっぽいのは確かですが、洋の東西を問わず政治家が本心でいったい何を考えているかわからない。票や支持につながれば連中はどんなことも口にしますが、必ずしもそれが本心とは限りません。

WND
Hillary’s ‘Freudian slip’


Bill Gates hydrogel condom delivers Viagra and electrical stimulation to wearer
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES
ビル・ゲイツ氏の財団は最近、世界の貧困地域の根本的問題解決の技術開発に注力しているようです。糞尿から真水を抽出するマシンの研究を援助したりしている。この記事では、人口問題のため、新たなコンドーム素材を開発した、と書いています。どうもバイアグラのようなED治療効果やバイブレーターのような刺激を同時に与える機能を持つコンドームらしい。これは妙に興味をそそられます。

Next generation condoms at UOW

Polish researchers develop liquid body armor
ZME SCIENCE
ポーランドの研究者らが、防弾液の開発に成功した、という記事です。この液体を注入した防弾用ベストを着用すれば、現在の炭素繊維によるものより軽量で高性能の防弾機能を発揮する、と書いている。ようするに、粘性がとても高い液体、というわけです。

Video gamers’ brain study reveals how people morally justify violence
abc.net.au
オーストラリアの研究者らが、ビデオゲームをしていると暴力的な行為を正当化する脳のメカニズムになることを示唆した、という記事です。ゲーム内で、武器を持たない一般市民に対するものと敵兵に対する脳の働きが異なっていたため、ゲーマーは他者を攻撃する際に対象によってメカニズムを切り替えていたそうです。しかし、この切り替えは簡単に変えられ、敵対する相手ではなくても攻撃することができるようになる、というわけ。一方、このメカニズムを逆手にとれば、他者に対して共感する愛情深い脳のメカニズムにスイッチを入れられるかもしれない、と書いています。

US Shale oil production may have maxed out – EIA
RT
米国のエネルギー省情報局(EIA、US Energy Information Adminisutration)が、米国におけるシェールオイルの生産が減ってきた、と発表、という記事です。原油価格が上がる兆候は今のところありません。採算ベースより下回り、シェールオイルの油田への投資家が離れ始めている。いわゆる「シェールバブル」が崩壊しつつあるんでしょうか。ちょっと危険な臭いがします。


アゴラ編集部:石田 雅彦