難民はなぜアフリカ大陸から地中海へ「こぼれ落ちる」のか

2015年04月22日 11:18

4月19日、北アフリカからの密航船がリビア沖合の地中海で転覆し、約700人が行方不明になる、という事故が起きました。それ以前にも何隻か、密航船が難破して数百人規模の犠牲者が出ているらしい。アフリカからヨーロッパへの密航船は依然としてなくならず、こうした事故も多い。イタリア政府によれば、4月10日から17日までの一週間で1万人以上のアフリカ人移民や難民を救助したそうです。

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アフリカ大陸の各地から移民や難民が地中海へ押し寄せ、海に「こぼれ落ちて」いる。Google Mapから作成。


密航船の多くは老朽船やゴムボートなどの小型船舶も多く、定員以上を満載し、トップヘビーで不安定な航行を強いられた結果、転覆などの事故につながっています。こうした人々は、どうしてこんな危険な航海に出ざるを得ないのでしょうか。直接の原因は、アフリカや中東の諸国の政情が不安定化し、多くの難民が行く先を失っていることにあります。

とりわけ、シリア周辺やリビアが危険で、一般庶民が安心して居住できる環境にありません。表題の記事では、報道などで我々がよく知っているこうした地域以外からの難民が多い、と書いている。それは、エリトリアとガンビアです。エリトリアは、対岸がアラビア半島のアフリカ北東部に位置し、西がスーダン、南がエチオピアなどと国境を接している人口630万人ほどの小国。地中海の難民の約20%がエリトリアからの人たちです。ガンビアは、大西洋に面するアフリカ西岸のこれも人口180万人ほどの小国で、両国を合わせた難民は全体の1/4になります。

両国とも政情が不安定で政治が機能せず、国民の安全や健康がまったく保証されない環境に陥っています。エリトリアは長年、エチオピアとの国境紛争を抱え、軍政による圧政が続いている。ガンビアも記事によれば、世界で最も抑圧的な政府らしい。反政府勢力が過酷に弾圧され、国外へ逃れる難民が激増しています。こうした人々がアフリカ大陸を彷徨い、北アフリカへ押し出され、これまた政情不安なリビアから地中海へ「こぼれ落ちて」いる。少なくともエリトリアとガンビアの2国だけでも正常化されれば、移民や難民がかなり減ると思われます。

BUSINESS INSIDER
The depressing reason the Mediterranean migrant crisis won’t end any time soon


U.S. Court Recognizes Chimpanzees As “Legal Persons” For First Time
BuzzFeeD News
米国ロングアイランドにあるニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で生物医学の実験用に飼育されている2頭のチンパンジー、ヘラクレスとレオ、について、マンハッタンの最高裁判所が人権を認める判決を出した、という記事です。チンパンジーに「人格」を与える、というわけで、実験などでハラスメントされない権利を持つ。うーん、今後、議論を呼びそうですが、そういえば日本にもチンパンジーは「チンパンジン」と言ってる研究者もいます。

ホウ素は融けると金属になる?~宇宙実験技術を活用してホウ素の謎を解明~
JAXA
なかなか興味深いリリースです。ホウ素(boron)は、元素記号Bで表される原子番号5の元素。高融点で高沸点な硬くて脆い固体で金属元素と非金属元素の中間の性質を示す「半金属」らしい。地中に一定量まとまって存在するため、古くから陶磁器の釉薬などに利用されてきた物質です。炭素との化合物、炭化ホウ素はダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、戦車の装甲などに使われています。このホウ素、半金属ということですが、理論的には「金属」とも考えられ、実態が長くわからなかった。このリリースでは、宇宙空間での実験「静電浮遊法」という技術を使い、融点が2000℃を越えるホウ素を溶融させ、その性質を明らかにした、と書いています。その結果、ホウ素は金属ではなく、半導体のような性質を持つ物質だということがわかったそうです。

Comparative analyses of animal-tracking data reveal ecological significance of endothermy in fishes
PNAS
TBS系「情熱大陸」にも出演した国立極地研究所の渡辺佑基助教らが、マグロやホオジロザメの行動をセンシングし、ほかの海棲生物と比較した結果、速く遠くへ泳ぐことで体温の高さというコストを補って余りあるメリットを得ているということがわかった、という論文です。これは渡辺助教のブログ日記。こちら「ナショナルジオグラフィック」のブログはより詳しい説明になっています。マグロやホオジロザメのこうした行動と生理は、魚類というよりむしろ、ペンギンなどの鳥類やアザラシなどのほ乳類に近いらしい。速く泳ぐことで害敵から避難でき、さらに距離をかせぐことで大量に餌を捕食できる、というわけです。
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ヒレに小型センサー「データロガー」を付けたホオジロザメ。撮影:渡辺佑基

中国の巨大クラウドを支える、Scorpio の Ver 3.0 が年末に発表される?
Agile Cat – in the cloud
台湾のクラウドサーバプロジェクト「Scorpio」について紹介している記事です。このプロジェクト、中国の検索エンジン「百度」や米国Intelと共同で進めているらしい。国境を越えるインターネットビジネス、というわけですが、中国の人口は米国と日本を合わせた数の4倍以上あり、百度も中国本土における検索数ではGoogleを抑えて1位です。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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