「ベースロード電源」の比率なんて意味がない

2015年04月24日 00:45

今月中にもエネルギー基本計画の方針が出る見通しだが、エネルギー・ミックスをめぐってよく話題になるのがベースロード電源という言葉だ。「原発はベースロード電源として重要だ」とか「ベースロード電源は60%以上は必要だ」といった話がよくあるが、baseloadとはWikipediaによれば、”minimum level of demand on an electrical supply system over 24 hours”で、「基礎的な電源」という意味はない。

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図のように原発や水力などは需要に応じて出力を変えることがむずかしいため、最小限度の需要を満たすベースロードとして24時間運転し、ピークロードの部分は火力や太陽光などで調整するのが普通だ。自然エネルギー財団ではベースロードを「燃料や運転コストが最も安い発電所」と誤解して「多くの国でベースロード電源を、燃料費ゼロの太陽光や風力が担っている」と称しているが、これは間違いである。

ベースロードという言葉には、彼らの誤解しているような価値判断は含まれておらず、むしろ「需要に応じて出力を変えるコストが高い」という意味だ。もともと経産省は「ベース電源」という言葉を使っていたが、これだと「原発がベースだ」という印象を与えると民主党政権が批判したため、違う意味のベースロードという言葉を流用したのが混乱の原因である。

したがってその比率を何%にするかというのは無意味な議論だが、ピークロードの比重が高くなりすぎるのもよくない。負荷率(平均電力/ピーク電力)が下がって、設備の無駄が増えるからだ。しかし負荷率は夜間電力の料金を下げるなど、需要側で調節するもので、エネルギー・ミックスとは関係ない。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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