就活生が絶対に使ってはいけない法則

2015年05月01日 05:00
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産経ニュース(2015年4月26日)にメラビアンの記事が掲載されていました。
「第一印象が評価に直結バカにできない身だしなみ」どうやら内定塾という就活支援をおこなう会社の寄稿のようです。


内定塾については株式会社ガクー(GAQOO)が運営する「卒業生7000人以上排出、業界NO1、内定率95%」という相当影響力のある就活塾(就職活動支援塾)とあります。良い機会なので、間違った解釈をしないためにいくつか重要なポイントを指摘したいと思います。

記事では次のように記載されています。

人の第一印象は一瞬で判断されるといわれています。「メラビアンの法則」は有名です。知らないという方のために簡単に紹介します。「メラビアンの法則」とは、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが、人と人がコミュニケーションを取る際に、相手がどのように受けとめるか研究した内容になります。この研究により、人の第一印象は以下の割合で決まるといわれるようになりました。
視覚情報:55%
聴覚情報:38%
言語情報:7%
視覚情報と聴覚情報で93%になってしまうのです。就職活動でよく行われる「グループディスカッション」や「集団面接」は、印象を重視するためメラビアンの法則の考えは非常に大切な考え方になります。

●メラビアンよりハロー効果
これが事実なら、企業の採用担当者は、見た目のみで93%を選んでいることになります。さらに言語情報は関係ない(視覚情報55%+聴覚情報38%=93%のみ)と言っているわけですからかなりの曲解になります。

印象が大きな影響を及ぼすことを理解させたいならハロー効果のほうが分かりやすいはずです。ハロー効果(halo effect)は心理学者エドワード・ソーンダイクによって名づけられた造語で、顕著な特徴に引きずられて評価が歪められる現象のことです。顕著な特徴とは、外見や容姿、見た目などが該当します。次のようなシミュレーションをすれば分かりやすいと思います。

目の前に、スマートにスーツを着こなした紳士がいたらどのように思うでしょうか?
=出来そうなビジネスマン
=社会的に地位のある仕事をしている
=高いブランド物のスーツに違いない

次に、よれよれのスーツを着た紳士風の人を見たらどのように思うでしょうか?
=仕事ができないサラリーマン
=社内でも評価が低く役職も無いのでは?
=安物のスーツに違いない

見ず知らずの相手の評価を決定する際に、その特徴によって引きずられてしまう事例です。面接で見た目が重要といわれるのにはこのような理由があるからです。見た目以外では、大学名や学部、経歴などで決め付けてしまうこともあります。

●結局、なにが一番問題なのか
メラビアンの法則が成立したのは1971年。40年以上の約半世紀前の学説を、あたかも現代でも使える理論のように紹介していることに無理があるわけです。ところが脈々と伝えている、研修講師、コンサルタントが多いのです。もし使用するなら研究手法、そして学説提唱者であるメラビアン自身が誤ったものであることを明示していることまでを伝えなくてはいけません。

メラビアン博士のサイト(Mehrabian and nonverbal communication)には次の一文が記されています。「these equations are not applicable」

提唱者が、適用されないことを明言している理論です。最近では、学生向けの就活ゼミやセミナーで全く誤った教え方をしている方がいますので、注意をしてください。

メラビアンの法則に関心があるからはアゴラの記事も参照ください。
いまだに使われるメラビアンの法則の不思議

尾藤克之
経営コンサルタント
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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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