北陸新幹線を成田空港直通にしよう

成田新幹線を作ろう、というお話。

先週末、モナコへ行ってきた。帰りはニースからパリのシャルルドゴール空港まで、フランスの新幹線TGVの直通列車に乗って移動した。TGVはドゴール空港に直接乗り入れているのだ。ハブ空港に直接新幹線が乗り入れているというのは、荷物が多い海外旅行の時には、とても便利である。

同じように、以前スイスへ行った時も、スイスのバーゼルからドイツの新幹線ICEに乗って、フランクフルト空港へ直接向かった。



ドゴール空港もフランクフルト空港も、新幹線は空港と市の中心部を結ぶために乗り入れているのではない。ドゴール空港はリヨンや地中海沿岸そしてベルギー方面、フランクフルト空港はドイツ国内各地とスイス、オランダ方面に向かう列車が発着している。ともに市内向けの新幹線路線は持たない。

成田新幹線も同様に、東京都心へ向かうのではなく、海外から国内他都市へ向かう人のための路線として整備するのはどうだろう。

海外から長野県内へ向かう観光客は多い。また、今後は金沢など北陸へ向かう観光客も増えると思われる。こうした旅客が、成田空港から直接目的地へ新幹線で移動できれば非常に便利になるし、外国人観光客のさらなる増加の一助にはなるだろう。

そのため、大宮駅から成田空港に向かう新幹線路線を建設することを提案する。

そして、大宮駅で東北新幹線と向かいのホームで相互に乗り継ぎができるようにすれば、成田空港と東北北海道方面との接続も便利になる。

フランクフルト空港への路線も、手前の駅でフランクフルト中央駅を経由する列車と空港を経由する列車が、相互に乗り換えできるようになっている。私がスイスのバーゼルからフランクフルト空港に向かった時も、乗っていた列車はフランクフルト中央駅経由だったが、手前のマインハイム駅で向かいのホームに止まっていたフランクフルト空港駅経由の列車に待ち時間なく乗り換えることができた。

もちろん国際線との乗り換えだけを目的にする訳ではない。信越東北方面から国内線を利用する人を成田空港へ誘導すれば、羽田空港の混雑が緩和される。

首都圏の空港容量が逼迫している現状のなかで、何でも羽田に一極集中させればいいというものではない。ある程度は成田と分散させるほうが経済的である。羽田にもう一本滑走路を増設することを考えるよりは、大宮と成田空港を結ぶ新幹線を作り、成田に3本目の滑走路を増設する方が、遥かに安上がりだろう。千葉ニュータウン中央駅周辺には、成田新幹線建設用地が相当の距離にわたって放置される。これを利用できるのだから、ゼロから新幹線を建設するのに比べれば、かなり安上がりになる。

建設費は千葉県と埼玉県とJR東日本が負担すればいい。こういう首都圏の話ならば国会を通して国に予算を出させるのだって、困難ではないだろう。また埼玉県内に中間駅を1駅作れば、埼玉県の理解も得やすくなる。

長い目で見れば、この話はメリットが多いと思えるのだが、いかがだろう。

長崎総合科学大学非常勤講師
前田 陽次郎