トヨタの「役員や従業員は子供のようなもの」なのか

2015年06月20日 23:40


女性役員が麻薬輸入の容疑で逮捕された事件で、トヨタの豊田章男社長が翌日に記者会見した。一役員の私的な事件で社長が出てくるのは異例だが、リコール事件の教訓で迅速な対応をしたのだろう。それはいいが、「弊社常務役員の件で、世間をお騒がせすることとなり、誠に申し訳なく思っております」という言葉はいかがなものか。

これは真相がはっきりしないとき、謝罪するようなしないような曖昧な意味で使われる日本語だが、Japan Timesでは“We apologize for causing alarm to the public”と訳されている。これでは意味がわからないが、apologizeというのは罪を認めたことになる。

おまけに 「私にとって役員も従業員も子供のようなもので、子供が迷惑をかけたら謝るのが親の責任だ」という言葉は、Japan Newsでは“My company’s executives and employees are just like my children, and parents have a responsibility to apologize for problems caused by their children”と訳されている。

こういうとき咄嗟に「世間」とか「親子」とかいう言葉が出てくるトヨタは、よくも悪くも昔と変わらないコテコテの日本企業だなという印象だ。日本人には木訥でまじめな会社として好感をもたれるだろうが、グローバル企業がまるで家族経営をしているようなコメントは、海外の顧客や株主には違和感があるのではないか。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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