レバレッジのリスクは投資対象によって変わってくる --- 内藤 忍

2015年07月15日 15:01

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毎月「内藤忍の資産デザイン教室」というお金に関する連載をしている「日経ビジネスアソシエ」。2015年7月10日発売の最新号では「借金」について考察してみました。

お金を借りて投資をする方法として代表的なのは、FXと不動産投資だと思います。FXの場合国内では25倍までのレバレッジをかけることができます。つまり、自己資金が40万円で1000万円の外貨リスクを取ることができるのです。不動産投資も同様です。都心の中古ワンルームの場合、自己資金70万円で2000万円の物件を購入すれば、レバレッジは約30倍です。

どちらもリスクには違いありませんが、2つの投資のレバレッジの意味は大きく異なります。

FXの場合、レバレッジが25倍なら、為替が想定した方向とは反対に1%動くと、資産の25%の損失が発生します。1ドル=125円とすれば、1%は1.25円ですから、わずか5円(4%)円高になれば、すべての資産が無くなってしまう計算になります(実際には、その前に強制的にロスカットで取引は停止されてしまいますが)。

しかし、不動産の場合は、物件価格が4%下落したとしても、何も変化はありません。不動産ローンは長期で元利均等返済になっています。その月々の返済を続けている限り、不動産価格が例え半分になったとしても、投資を続けることができるのです。

金融市場にしろ、不動産市場にしろ、短期的には相場の変動によって価格が変動します。株価や為替は一日で5%以上変動することも珍しくありませんし、不動産もリーマンショックのようなマーケットの混乱時には、場所によっては50%近く下がったところもあります。

FXでレバレッジをかけていれば、このような短期の変動で、大きな損失を出し、市場から撤退してしまう人がたくさんいます。FXの場合、多くの投資家は高レバレッジで高金利通貨の買いポジションを作り金利差から得られるスワップ金利をコツコツ稼ぎます。しかし、為替とは「通貨の交換」ですから基本的には「ゼロサムゲーム」です。買っている高金利通貨が下落すると、一気に損失が発生して終わってしまう。「コツコツ、ドカン」と呼ばれる典型的な失敗例です。

不動産の場合、長期的にマーケットが回復するのであれば、一時的な下落があったとしても投資を続けることができます。価格が下がっても賃貸収入が続いていれば、ローンの返済には影響はありません。時間をかけて相場の回復を待つことができます。

不動産投資には、空室リスク、家賃下落リスク、金利上昇リスク(変動金利の場合)、災害リスクなど、特殊なリスクがありますが、レバレッジをかけた場合の短期の相場変動に対しては、FXとは随分リスクが異なるのです。

私自身、FXのレバレッジは3倍程度にして、国内の不動産に関しては、銀行で借りられる上限までレバレッジを掛けて投資をしています。今月もまた、都内で新しい物件を購入する予定です。これについては資産デザイン研究所メールの「資産運用日記」のコーナーでまた詳しく書いてみるつもりです。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年7月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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