なぜ夜間の「ハイビーム」は必要なのか

車を運転する人以外にも、夜間のハイビームは無縁ではない。歩行中、まぶしいライトを浴びせられる不快感は強い。ハイビーム、というのは車のヘッドライトを上向きにすることだ。道交法では、夜間のヘッドライトはハイビームが基本となっている。対向車とすれ違ったり先行する車があった場合はロービームに切り替える。

法律ではこうなっているが、日本人のドライバーの多くは昼間でもヘッドライトを付けなかったり、夜間にずっとロービームのまま走行したりする。日本人が大好きな過剰な親切、お・も・て・な・し・精神の発露なのかもしれない。

こうした余計な親切心は、得てして論争のネタになりがちだ。かくして「ハイビーム論争」が勃発する。冒頭のように夜間の歩行者はまぶしくて困る、という批判が巻き起こるわけだ。

また、ドライバーにとっては、いちいちハイビームとロービームを切り替えるわずらわしさもある。そんなわけで「まぶしくないハイビーム」ヘッドライトも登場したりするのだが、表題の記事では「オートマチックハイビーム(AHB)」なる技術を紹介している。

トヨタのAHBが有名だが、これは三菱製らしい。対向車のヘッドランプや先行車のテールランプなどにより、周囲の明るさを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替える。時速30km以上の速度で走行していたり周囲が暗くなった夜間、対向車や先行車がいない、といった条件下でハイビームになる。この条件が外れるとヘッドライトが下がる、というわけだ。
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トヨタのオートマチックハイビーム(AHB)のHP。

米国で車をレンタルすると、昼間でも勝手にヘッドライトが点灯する車種があったりして驚く。事故の際、ライトを付けていたほうが有利になるからだ。日本でこれをやると対向車がパッシングして「ライトついてるよ」と教えてくれるが、よけいなお世話だろう。自車の存在をなるべく早く周囲に知らせ、それで事故を防ぐことができるなら多少ハイビームがまぶしくても我慢してもらいたいものだ。

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三菱パジェロが一部改良でオートマチックハイビームを採用


The evolution of human and ape hand proportions
nature COMMUNICATIONS
我々ヒトの祖先と、今のチンパンジーの共通祖先は、約800万~700万年前に分かれたとされているが、この論文によるとその後、ヒトの手があまり進化しなかったのに比べ、チンパンジーの手は樹上生活に適応するために親指以外がより長く進化したらしい。つまり、ヒトの手はチンパンジーの手よりも「未発達」というわけだが、この研究者らは、ヒトが手よりも「脳」を進化させた証拠だと主張している。また、ヒトとチンパンジーの共通祖先は、今のヒトやチンパンジーの手とは違う形態をしていた可能性もある。ひょっとすると、我々の手は数百万年、ほとんど進化していないのかもしれない。

Marine Corps uniform board proposes radical new changes
MarineTimes
沖縄にも展開中の米国海兵隊がユニフォームを一新する、という記事だ。かなりドラスティックに変わる可能性がある。季節や地域ごとに変えていたものを各自の好みで選ぶことができるようになるかもしれない。「軍服」というのは軍隊の象徴だが、多様性の波がこんなところにも押し寄せているようだ。

US Nuclear Weapons Base In Italy Eyed By Alleged Terrorists
FAS
在イタリア米軍基地の核兵器に対し、テロリストが襲撃計画を立てていたらしい。容疑者はイタリア警察に逮捕されている。核兵器がテロリストに奪われる、という可能性もあり、NATO軍では核兵器基地の警備を厳重にする対応策に動き出した。基地外部の警備は各国にまかせられている。日本も例外ではないだろう。

Airbus’ Runway Overrun Prevention System (ROPS) certified by EASA on A330 Family
Airbus
エアバスA330型機の滑走路オーバーラン防止システム(ROPS:Runway Overrun Prevention System)搭載の認可を欧州航空安全庁(EASA)より取得した、というエアバス社のリリースだ。ROPSは、オーバーランを防止するシステム。2009年10月にはA380型機、2013年8月にはA320型機でEASAから認可を取得し、A350型機では基本構成の一部だ。今回のA330型での取得により、全エアバス機がROPSを利用することになった。ROPS搭載A330型の初号機は、大韓航空に引き渡される予定だ。
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A330型機がトップを飾るAirbus社のHP。


アゴラ編集部:石田 雅彦