シニアだけが戦後を語る老人メディア

2015年08月15日 08:30

どうも新田です。70年目となる終戦の日の朝を厳かな気持ちで迎えております。総理談話は、谷口智彦さんが書かれたものと察しますが、村山談話を踏襲しつつ、それは自分語りにしないという運び方や、戦後世代に宿命を背負わせない、という決意を込めた力強い未来志向が印象的でした。スピーチライティングの妙技を感じますが、野党や左派系メディア、中韓はそれでもネガキャンしておりますが、そこはある種の様式美に則ったポジショントークというところでしょう。


日経
談話で、総理から「宿命を負わせない」と配慮いただいた戦後世代ではありますが、しかし、とりわけ現在の40代以下の世代は、戦争よりも大変な宿命を背負って生きております。言わずもがな、世界最悪の国家財政であり、超高齢化で破綻必至の年金に代表される社会保障制度であり、もろもろ国家の衰退をどうソフトランディングさせていくか、こうした課題こそ、40代以下にとっては現実的な脅威です。

もちろん、日本が引き続き戦争をしないために、戦争の恐ろしさ、悲惨さを先人たちから受け継ぎ、語り継ぐことが必要です。しかしこの夏の時期は、日頃のことから一歩離れて歴史という大局観に立って過去を振り返る貴重な時間なわけですから、同時に現在から未来へとつながる展望も議論できる機会にもできるはずです。その意味で、世論の醸成装置である新聞は、テンプレ的な「反権力・平和」的なマインドセットしかない朝日や毎日はともかくとして、政治よりはリアリストの多い経済・ビジネスを取り扱う日経新聞には、未来の問題「も」しっかり語っていただきたいと思うんですよ。

日経は昨日まで一面で「戦後70年 これからの世界」と題した企画を連載しており、国内外の各界の超第一人者のインタビューを掲載されているわけですが。

第1回 アマルティア・セン ハーバード大教授 
第2回 福井俊彦 元日銀総裁
第3回 稲盛和夫 京セラ名誉会長
第4回 エマニュエル・トッド 仏国立人口学研究所研究員
第5回 佐々木毅 東大名誉教授
第6回 緒方貞子 国際協力機構特別フェロー
第7回 ブレント・スコウクロフト氏 元米大統領補佐官

さすが日経新聞。国内外の政策決定経験者を連日ラインナップできるのは凄いと思います。取り上げられているテーマも財政、人口、国際情勢もろもろ、外しておりません。皆様の卓見は当然読みたくなります。しかし一方で、「これからの世界」の語り部として、完成された論者ばかりというのも、どうなんだろうかという疑問もあります。

若ければいいというわけではありませんが、20代、30代の上場起業家も珍しくないわけですし、ソーシャルビジネスなんかはこの10年で広がってきた新しい業界なので、駒崎弘樹さんを始め、30代の第一人者が多いわけです。政治学者にも今朝の朝生に出ていた三浦瑠璃さんなんかがおられます。

見出しは少々どぎつく「老人メディア」って書き方しましたけど、年々若者の購読者を減らしている新聞が「AFTER 2020」の諸問題、“戦時レジーム”の解消を、真剣に見据え、当事者世代の声を聞いていく姿勢を、この夏の時期にもっと示してほしいなとも感じました。ではでは。
新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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