外国人旅行者数世界一を目指すには --- 松田 公太

アゴラ

日本政府観光局(JNTO)によると、今年1月から9月までに日本を訪れた外国人旅行者は推計で1448万人。去年1年間の1341万人を9か月間で上回り、過去最高を更新しました。円安傾向が続いたり、中国人向けビザの発給要件が緩和されたりしたのが急増の要因と言われています。

また、一昨日の記者会見で田村観光庁長官は、「特段の外的な要因がなければ、今年は1900万人に届きそうな勢いである」とも発言しています。

※日本の「観光立国」ポテンシャルはまだ大きい
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政府の進める訪日外国人3000万人プログラムは2030年という期限も定め、2020年までに2000万人という中間目標を設定していますが、私は更に上を目指すべきだと考えています。

2014年の「世界各国、地域への外国人訪問者数ランキング」では、1341万人の日本は世界22位(アジア7位)。8370万人で世界1位のフランスや、5562万人でアジア1位の中国と比べるとまだまだ開きが大きいのです。

しかし、世界で最も影響力がある米国の大手旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー」による2015年の世界の人気都市ランキングでは、京都市が2年連続1位。また、英総合月刊誌「モノクル」による「住み良い都市ランキング」では、東京が1位で福岡・京都も12位・14位にランクイン。魅力・知名度のあるコンテンツをもっているという観点では、現時点でどの国とも互角以上にわたりあえるレベルです。

このような状況を考えれば、2030年までに少なくとも中国を追い抜くことを明確な目標にするべきだと思います。本気で観光立国(観光で国を発展・繁栄させること)を掲げているのであれば、最終ゴールは外国人旅行者数世界一とするべきです。

その実現のためには、「民泊」や「配車アプリ(ウーバーのような)」などの規制改革による宿泊施設の充実や交通手段の低価格化、英語力向上や多言語による様々な表記、無料WIFIによる通信環境の整備など、国を挙げて行っていくことが必要ですが、それだけでは足りません。

ビジネスでも政治でも共通していますが、「戦略」を立てる上での本質は、ストロングポイントに立脚することです。それぞれが長い歴史と素晴らしい特色を持っている全国の都市の魅力を高めていくことこそが重要になってきます。

心配なのは、今の日本にあるすべての街が金太郎飴的に同じような街並みになってしまうこと。例えば、私がサラリーマンだった25年前の赤坂と、今の赤坂では全く別物です。

当時は料亭が多く、今のようにコンビニやファーストフード店で埋め尽くされているような状況ではありませんでした。かねてより述べさせて頂いていますが 、これからは都市vs都市の時代。国の競争力もそれに大きく影響されるようになります。

地方や都市が自ら世界とわたり合っていくための工夫ができるよう、国は各自治体に権限・財源・人間を移し政策の自由度を高めていく・・・つまり、地域主権型の改革が必要になってくるのです。

中央からお金をばらまくことによるのではなく、内部の土壌から生まれる芽を育んでいくことで地方を活性化する。「多様な価値観・文化を許容する環境整備」を基本政策に掲げる元気会は、人の生き方だけでなく、街の在り方についても多様性を推進してまいります。

日本人がふるさと自慢を外国人相手にしている。外国人同士が日本の好きな都道府県について熱く語り合う。そんな光景がみられるようにすることが世界一に繋がる道筋だと思います。


松田公太宣材


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2015年10月23日の記事「外国人旅行者数世界一を目指すには」を転載させていただきました(画像はアゴラ編集部が担当)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。


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