日本初!市長の前で高校生がマニフェスト評価--- 選挙ドットコム

2015年12月14日 07:00

選挙ドットコムの記事においても紹介していますが、実に70年ぶりとなる来夏の選挙権年齢の引き下げに向けて、各地で様々な取り組みが行われています。

これらの取組みの多くは模擬選挙など、選挙を対象としたものが多いのですが、選挙時以外の取組みとして注目を集めるイベントもあります。

シティズンシップ教育による高校生で作るマニフェスト検証会


一般社団法人川崎青年会議所主催「福田紀彦川崎市長マニフェスト検証会 1年2組福田君の通信簿」では、専門家によるマニフェストの第三者評価に加え、高校生によるマニフェストの進捗評価、評価結果を基にした市長と高校生のディスカッションが行われました。

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マニフェストは、任期の間にどのような政策に取り組むのかを具体的に記載した政策集です。具体的であるからこそ、取り組んでいるのか、いないのか、といった観点や、当初想定の通りの取組みが行われているのかどうか。また、何らかの理由により取組みの修正が行われた場合、それが本来の趣旨にかなうものであるのかどうか、など、政治家と市民が具体的なコミュニケーションをとることができます。

コミュニケーションを通じて、有権者と政治家の間の信頼を築くことがマニフェストを用いる大きな意義と言えます。

そして、広く政治家と有権者の対話の機会を与えるものとして、マニフェストの検証活動は各地で地道に開催されてきています。

これまでも、若者の視点を取り込もうと大学生などが参加する事例はありましたが、今回のように高校生が主たる評価者として参加し、市長と対話をする会は日本初となるのではないかとして、注目を集めました。

学ぶ!生徒たち


もちろん、社会的経験の少ない若者がマニフェストを読み解き、評価・提言することは容易なことではありません。

そこで、主催する川崎青年会議所や、第三者評価者として参加した自治創造コンソーシアムが各高校に赴き、「政治やマニフェストとはどのようなものなのか」「川崎市長のマニフェスト実現に向けた取組み」「高校生が関心を持っている事柄の抽出」など、勉強会を重ねています。

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若者への周囲のサポートが重要に!


選挙権年齢の議論をする際、注目を集める存在として、オーストリアの取組みがあります。オーストリアは、2007年にそれまで18歳であった選挙権年齢を16歳へと引き下げています。

その際、16、17歳の若者に投票にあたって十分な知識や判断力があるのかどうか、といったことが議論されました。確かに、選挙権年齢が引き下げられるまでは18、19歳の若者に比べて、これらの面において劣るところがあるとされていました。しかし、実際に投票権が与えられると、学校教育や選挙キャンペーンによる学習効果が生まれ、状況が改善されることが確認されています。

若者たちも、周囲のサポートがあれば、自分自身の意見を社会に対してアピールすることが可能になります。

人口構成を見ても明らかなように、日本において今後も社会保障費の支出額は増加していきます。債務残高の累積も将来に向けた大きな課題です。

今の若者世代は、かつて高度経済成長を経験し、政治を通して利益の分配を行ってきた世代とは違い、政治を通して負担の分かち合い方を決めていく世代です。

それだけ、政治がシビアな意味を持ってきますが、若者たちは政治に対する無力感、無関心が生じています。

果たして、周囲のサポートを得た若者の政治に対する姿勢は変わるのか。18歳投票権が話題となっていますが、本当に彼らの世代には政治家を選ぶ能力があるのか。模擬選挙が話題になっていますが、選挙の時以外にもシティズンシップを育むことはできるのでしょうか。

選挙ドットコム
原口和徳:埼玉ローカル・マニフェスト推進ネットワーク事務局
1982年埼玉県熊谷市出身。中央大学大学院公共政策研究科修了。早稲田大学マニフェスト研究所 議会改革調査部会スタッフとして、全国の議会改革の動向調査などを経験したのち、現所属にて市民の立場からのマニフェストの活用、主権者教育などの活動を行っている。
WEBサイト:http://blog.canpan.info/slm/


編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2015年12月12日の記事『日本初!市長の前で高校生がマニフェスト評価』を転載させていただきました(一部改稿)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。


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