議員が、新年会200箇所まわって何票とれる? --- 柳ヶ瀬 裕文

2016年01月08日 18:00

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皆さん、あけましておめでとうございます。

そして議員の皆さんにとっては、待ちに待った!?新年会まわりの季節がやってきました。私は、新年早々しばらく風邪でダウンしていましたが、昨日より完全復帰!

これから2月中旬まで、かなりの数の新年会や行事に出席をすることになります。(といっても、自民党議員の半分以下だとは思いますが)

さて、この新年会まわりですが、近年さまざまな批判の声が聞こえてきます。

「数分、顔を出してハシゴするなんて、ただの売名行為だろ!」

「そんな時間があるのなら、政策立案に使え!」

うーん。

また、地方議員が「新年会費」を「政務活動費」から支払っていることが報道され、

「税金で飲み食いに使うのはおかしい!」

「選挙対策に税金を使うな!」

などと批判されてきました。

私も、飲食代としての会費を、税金が原資の「政務活動費」からあてることは不適当だと考えますし、実際に支出することもありません。

しかし、私のなかでは、この「新年会まわり」は議員活動のなかでも避けて通れない活動のひとつだと考えています。これは、議員活動ではお馴染みの、季節ものである「お祭りまわり」や「餅つきまわり」などについても同様です。

それは、なぜか?

大げさにいってしまいますが、「民意を肌で感じるため」ということでしょうか。

「選挙対策だろ」というのが主な批判かと推察されますが、正直にお答えすると「地域の声を聞かせてもらいながら、選挙対策にもなればいいなぁ」ぐらいの感覚でしょうか。

■橋下さんのツッコミ

かつて、日本維新の会で衆院選の直後に落選者を集めた会で、「年明けには新年会を200件回るので、支部長などの肩書きをつけてほしい」との参加者からの要望に対して、橋下徹代表が以下のようなツッコミを入れたことを思い出します。

あなたは、新年会に200件出て何票とれると思っているのか?もっとクレバーな選挙をしようよ

私は、このやりとりを出席者の一人から後日聞いたのですが、「そりゃそうだよね」と感じたわけで。選挙対策を目的としたなら、これらの活動は、時間やコストの投資対効果としてはかなり低いものとなるでしょう。出席者よりも議員の数のほうが多い、なんてこともありますし、そもそも、新年会を開催するような団体は、どこか既存の政党を支援している可能性が高いでしょうから。だから「選挙対策にもなればいいなぁ」ぐらいの感覚しかありません。

■「新年会」は、民意を汲み取るのに有効か?

私はこれまで、どうすれば多様な意見を聞くことができるのか、さまざまな取り組みをしてきました。

1.チラシをひたすら配り、議会報告会を開催。動員なし!
→数万枚配布して3名の参加。1名は途中で帰宅。残る2名は爆睡。初当選直後のことです。意見交換には至らず力のなさを実感しました。トホホ。

2.話題性のあるテーマ(原発事故直後に「放射能対策」)で意見交換会を実施。ツイッターとブログで告知。
→2回実施。各5名づつ参加。活発な議論ができました。

3.戸別アンケート調査(1軒づつローラーでまわって、都政の関心事をさぐる)
→留守宅がほとんど。インターホンで断られるも多数。信頼関係がないため、かなりバイアスがかかっている回答。

4.街頭アンケート調査(駅前でキャッチして、都政の関心事をさぐる)
→宗教の勧誘と勘違いされるなど、サンプルがなかなかとれず。回答も、突飛なものが多く、かなりバイアスがかかっている。

私にも後援会がありますが、そこに所属してくださる方は、基本的に「応援する」立場の皆さんなので、耳が痛いご意見もガンガン頂戴しますが、これもバイアスがかかっていることに違いはありません。

ほかにも、いろいろと試行錯誤しました。継続している活動もあります。企業秘密もあるので、これくらいで止めますけどw

結論としては、しっかりと本音で意見を聞かせてもらうためには、一定程度の信頼関係が必要で、それは地道な地域活動で培っていくしかない、のかなあと。さまざまな立場の方が集まるコミュニティに顔を出し、さまざまなイベントを通じて信頼関係を構築し、悩みや困っていることを教えてもらえるようになる。

■議員は、思い込みが激しい?

恐れるのは、「フツーの感覚が失われていく」ということ。

議員って、かなり閉鎖的な状況におかれているので、外に開いていかないと、どんどん独善的になっていくんです。提案している政策が、ひとりよがりのもので、何のために提案するのかわからない、根無し草の政策となっていく。過去の自分を振り返っても、パソコンの前だけでセコセコ作り上げた質問は、今見ると恥ずかしいものが散見されますし。。。

対立する意見と向き合い、自分の意見を検証するプロセスが必要で、できるだけ多くの立場の異なるヒトと話すことが、議員活動には欠かせないでしょう。

SNSなどの普及で、以前と比べれば、多くの声を聞かせて頂ける環境となったことは間違いありません。

最近は、「私は新年会なんて1か所も参加しません」というツワモノ議員も登場していますが、その分、ネットを駆使して意見を集約する活動に注力をしているようです。効率性を追求していくと、ネット活用ははずせません。今後のさらなる進化も期待しますが、現状、ユーザーの割合からいって、ここだけに特化するのには勇気がいりますね。

だからといって、私は、こういった「地域活動」ばかりしていればいい、などと思っているわけではありません。キャッチした情報から、どう政策に生かしていくのか。ここが肝心なわけで。そこが各議員の腕の見せ所となってきます。

ちょっと長くなりました。こういう文章を書くと、たくさんの批判を頂きそうですが、それも大事なことですから。ご意見をお待ちしております。

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柳ヶ瀬裕文 東京都議会議員
プロフィール 1974年生まれ。広告会社、国会議員公設秘書、大田区議会議員を経て、現在は東京都議会議員(東京維新の会・大田区選出・2期目)。「こども達の未来へ」をキャッチに、徹底した行革、ムダの削減、都営地下鉄と東京メトロの統合民営化、医療、教育、虐待、放射能対策など幅広く活動中。


編集部より:この記事は、東京都議会議員・柳ヶ瀬裕文氏のオフィシャルブログ 2016年1月8日の記事を転載させていただきました(アゴラ編集部で改題)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、やながせ裕文オフィシャルブログ「日々是決戦」をご覧ください。

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