訪日外国人というお客様にきちんと対応しているか?

2016年01月21日 10:40

2015年の訪日外国人が前年度比47%増の1974万人になりました。もともとは2020年ぐらいまでに達成できればと設定されていた2000万人の目標にあっという間に到達し、一部では3000万人、4000万人という更なる目標の声も出てきています。

訪日外国人が増えた理由は複数あります。一番効いているのがビザの緩和でしょう。次いで円安だろうと思います。多くの航空会社はアジア路線を充実させ、LCCとの相乗効果もあり、日本へのアクセスは非常に便利になりました。が、平均所得層が高く、旅行好きが多い北米とは路線がどんどん増えているわけでもなく、LCCも限られています。そういう意味ではまだ市場発掘の余地は大きく、3000万人の新たなる目標も現実的だろうと思います。

しかし、ここで考えなくてはいけないのは訪日した外国人が満足したか、リピートしたいのか、といった点を改めて見つめ直す必要性であります。

飛行機。カナダ線の場合(多分、アメリカ線も同様)、東京線を利用する目的がインドやアジア諸国など最終目的国への中継であるケースが非常に多く、飛行機のキャパシティも考えると飛行機の予約が取りにくい状態が続いている点を指摘しておきます。取りにくいということは航空運賃も比較的高止まりしているとも言えるわけでまず、日本に入る前に一つ目の価格のハードルが存在します。

二つ目に宿泊でしょう。日本で就労して長期滞在する予定のオーストラリア人の方が私のシェアハウスに入居することになったのですが、日本に着いてAirBNBで過ごしていたがとても耐えられないとこぼしていました。建物としての設備(アメニティ)はほとんど何もなく、寝泊りするスペースは2-3畳程度しかなく、スーツケースも広げられないと嘆いていました。

民泊に関して様々な議論が進んでいますが、宿泊場所があまりにもチープであるとせっかくの思いで来た日本のイメージはぶち壊しになります。学生がユースホステルやバックパッカー宿を泊まり歩くのではなく、一定の期待をしてAirBNBにも予約を入れるわけです。そのユーザーたちは世界のAirBNBとの比較すらするでしょう。その時、失望を生み出していないかと感じるわけです。

本題からはそれますが、現在民泊に関するルール作りで議論が進んでいるようですが、個人的にはマンションなど集合住宅での民泊は当面禁止すべきだと思います。民泊で要求されるサイズやスペースは戸建では実現できてもマンションではかなり厳しい上にプライバシーなどの問題も生じやすいものです。また、管理組合との取り合いの問題もあるでしょう。違法ビジネスを取り締まるという意味でもここはまず、戸建に限るという与件をつけるべきでしょう。それは宿泊設備の品質を引き上げるという日本国のメンツでもあります。数だけ増やせばよいというものではありません。

外国人旅行客の特権であるJRパスは個人旅行客のマストアイテムの一つであります。7日間ならば29000円で乗り放題なのですが、以前から「のぞみ」と「みずほ」に乗れない制約があります。新幹線の場合、ダイヤ改正が進み、東京ー新大阪間の場合、のぞみが主体となり、長距離移動に「ひかり」では対応できなくなってきています。1時間に2本しかない「ひかり」に乗ると外国人で溢れているのはこれが理由です。これは改善しなくてはいけない点でしょう。どうしてもというならば「のぞみ」も乗れるJRパスを販売するぐらいの対応は見せるべきです。

爆買いに踊らされて外国人は買い物好きだと勘違いする傾向があればこれも直していかねばならないでしょう。基本的に外国人は消費をそんなにしません。旅行は自分が経験したり楽しんだりするものでお土産をごっそり買うのは例外的ケースです。一部のアジア人が今だにいろいろ買ってくださっていますが、これは本質ではない点に気が付き、観光立国日本として印象に残るシーンをどれだけ作れるか、これにかかっていると思います。

個人的には畳の部屋、布団、行灯やこたつといって典型的な日本の習慣は興味深いと思います。五右衛門風呂なんてあれば最高だと思います。ですので、例えば信州の民宿で野沢菜を食べながらこたつに入るというのはしゃれています。地方に行くと生協の直販市場があると思いますが、そういうところも好きだと思いますし、そこに産直の食材を使った小さな食堂があればこれも面白いでしょう。(外国人が築地の魚市場に興味がある理由と同じです。)

外国人はアクティビティが好きですから例えば祭りの練習に参加できるだけでもよいのです。法被着て阿波踊りの練習したら翌日、足が筋肉痛になったぐらいの思い出が楽しいのでしょう。

こういう興味のあるところや視点はなかなか日本にいると気がつかないものです。そういう場合には外国に住む日本人を大いに利用して情報や考え方を取り込むぐらいのステップアップが必要ではないでしょうか?

日本は好む、好まざるにかかわらず、国際化していきます。その時、相手のハートが読めなければ「一を知って十を悟る」を得手とする日本人にはちょっと悲しいかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 1月21日付より

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