【映画評】ビューティー・インサイド --- 渡 まち子

2016年01月23日 06:00

ウジンは18歳の時から、目覚めると年齢や性別や国籍を問わず、それまでとは全然違う外見に変化する奇妙な運命を背負っていた。ウジンのその“病気”を知るのは、母親と親友だけ。他人に会う仕事はできないため、才能とインターネットを活かして家具デザイナーとして働いている。ある日、アンティーク家具店で働く女性イスに出会い、ひとめぼれしたウジンは、同じ姿をキープするため3日連続寝ないでイスとデートすることに成功。だがついに眠気に勝てず、うっかり寝てしまい、起きると別の顔になっていた。ウジンはイスに真実を話そうとするが…。

日々容姿が変わってしまう奇病を持った青年の恋愛を描くファンタジックなラブロマンス「ビューティー・インサイド」。眠ると容姿が変わってしまう病という突拍子もない設定だが、根底にあるのは、外見と内面、どちらが大切だろうか、という映画ではおなじみのテーマだ。複数で一役を演じるのはよくあるが、本作ではなんと123人もの男女が主人公ウジンを演じているからスゴい。姿が変わるウジンを愛してしまうイスを演じるのは日本映画「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」にも出演していたハン・ヒョジュ。「MILACLE」同様、本作でも美しい日本語を披露し、透明感あふれる美貌と自然体の演技で、唯一無二の恋に出会ったイスのとまどいとときめきを好演している。彼女が演じるイスに対して好感が持てるので、物語にも自然に入っていけるのだ。

123人のウジンを演じる1人として、日本から参加しているのが、上野樹里だが、イスの心情に大きな変化をもたらす重要なポジションなので注目してほしい。ファンタジーだということを差し引いても、物語はかなり無理があり、突っ込みどころも満載だ。だがこの問答無用のロマンチシズムこそが韓国の純愛映画の真骨頂である。CM界出身のペク監督の美意識が随所に表れていて、ウジンとイスのさまざまなショットは、美しいポートレートのようだった。
【60点】
(原題「THE BEAUTY INSIDE」)
(韓国/ペク監督/ハン・ヒョジュ、上野樹里、キム・デミョン、他)
(純愛度:★★★★☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2016年1月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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