朝日新聞の隠ぺい、消えた首相と報道幹部会合リスト

1月21日に安倍首相とマスコミ幹部が会合

1月21日に安倍首相とマスコミ幹部が夕食会を行いました。朝日新聞が1月22付の首相動静で伝えたメンバーは下記の通り。従来から首相とメディア幹部との会合は先進国では異常とされてきましたが、日本では平常運転で今年も堂々と行われる運びとなっています。

<1月21日安倍首相との会合出席者として報じられたメンバー>

渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長
橋本五郎・読売新聞東京本社特別編集委員
今井環・NHKエンタープライズ社長
清原武彦・産経新聞相談役
ジャーナリスト・後藤謙次氏(元共同通信編集局長)
芹川洋一・日本経済新聞論説委員長
早野透・桜美林大教授(元朝日新聞編集委員)
評論家・屋山太郎氏

誤報検証機構による記事画面キャプチャ

朝日新聞が訂正報道によって「消した」出席者記録

1月23日朝刊で、早野透本人から出席していない、という連絡を受けて朝日新聞は訂正報道を出しました。

<朝日新聞>
18分、経済財政諮問会議。6時55分、東京・大手町の読売新聞東京本社ビル。渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長、今井環・NHKエンタープライズ社長、評論家・屋山太郎氏らと食事。8時52分、東京・富ケ谷の自宅。

1月21日配信の「首相動静」で、安倍晋三首相と食事をした方々の中で、「早野透・桜美林大教授」と記載しましたが、早野氏は同席していませんでした。訂正しておわびします。

という感じです。早野氏が本当に出席していたかどうかはともかく、「他の人まで消えちゃってるのは何でなの?」という素朴な疑問を持たざるを得ません。

ちなみに、読売新聞は首相を自社に呼びつけたことが自明過ぎるので今更感がありますが、他メディアは、

<時事通信>
午後6時55分、東京・大手町の読売新聞東京本社ビル着。渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長、今井環NHKエンタープライズ社長、評論家の屋山太郎氏らと会食。

<産経新聞>
55分、東京・大手町の読売新聞東京本社ビル着。清原武彦産経新聞取締役相談役、渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長、今井環NHKエンタープライズ社長、評論家の屋山太郎氏らと会食。

<毎日新聞>
6時55分 東京・大手町の読売新聞東京本社ビル。渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長、今井環NHKエンタープライズ社長、評論家の屋山太郎氏らと会食。

<日経新聞>
18時55分 大手町の読売新聞東京本社ビルで渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長ら。

という形で報道しています。産経新聞は堂々と取締役相談役が出席している旨を記事にしている漢気を溢れる対応です(笑)日経新聞は自社の論説委員長が出席しているにも関わらず、「他社の会長」のみを生贄に捧げて自社のことは一切触れないほどにヒヨッた報道ぶりでした。

朝日新聞は「早野氏の出席報道の経緯」「出席者リストの削除」について説明責任を

首相動静は新聞各社が総理番記者を配置して密着取材の上で作成されているものです。そのため、他社ならともかく、自社の大幹部である元編集委員が参加していたかどうかを見誤ることは考え難い失敗と言えます。なぜ、このような報道がなされたのでしょうか?

また、誤報の修正という形で他の出席者リストを隠ぺいした理由についても同様に説明するべきだと思います。昨年から新聞への軽減税率の問題などで、政権とメディアの関係が問われている最中での出来事であり、新聞社として正確かつ詳細な報道を行うことは社会の公器として当然の姿勢です。

今回の朝日新聞の対応は「自社の元編集委員の出席を無かったこと」にするために「他社の幹部の出席リストを消す取引を行った」と邪推されても仕方がないかと思います。

自らの潔白を証明するために朝日新聞は上記の「見間違え」が何故発生したのか、なおかつ訂正と称して他の出席メンバーの記録まで消した理由について説明責任を果たすべきでしょう。

渡瀬裕哉(ワタセユウヤ)
早稲田大学公共政策研究所地域主権研究センター招聘研究員
東京茶会(Tokyo Tea Party)事務局長、一般社団法人Japan Conservative Union 理事
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