【映画評】信長協奏曲(ノブナガコンツェルト) --- 渡 まち子

2016年01月26日 06:00

歴史が大の苦手な高校生・サブローは、ひょんなことから戦国時代にタイムスリップしてしまう。偶然出会った織田信長とうりふたつだったことから、信長として生きることに。天下統一を目前に控えたサブローはある日、信長が間もなく死ぬ運命にある事を知る。過酷な運命に苦悩するが、正室の帰蝶や家臣の支えで運命に抗おうと決意。サブローは本能寺で帰蝶との結婚式を計画するが、周囲から愛されるサブローに嫉妬する光秀や、信長に深い恨みを抱く秀吉らによる不穏な企てが動き出していた…。

石井あゆみの大ヒットコミックを原作に作られた人気TVドラマの劇場版「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」。ドラマ版初見の観客にもわかるようにと、映画冒頭に、それまでのあらすじがご丁寧に流れるという、サービスぶりに苦笑するが、ともあれ、TVドラマファン向けの完結編である。コメディタッチの演出が大半だが、自分から信長の座を手放したにも関わらず、家臣や妻の愛を勝ち得ているサブローに対して嫉妬する光秀という、ちょっと複雑なキャラクター設定は面白い。主演の小栗旬が一人二役で演じるサブローと光秀(本物の信長)を太陽と月に準えて、どちらも必要な存在なのだと説くせりふはなかなか良い。映画そのものは、あくまでもテレビの延長線上にあるエンタテインメントで、ドタバタ劇や、歴史を軽く無視した設定、ほとんどゴリ押しに近いラストの収束まで、どこまでもライト感覚だ。原作はまだ連載中なので、物語はまだまだ続きそうだが、何事にも逃げ腰だった若者サブローの成長物語として、映画版エンディングを楽しみたい。
【50点】
(原題「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」)
(日本/松山博昭監督/小栗旬、柴咲コウ、向井理、他)
(ライト感覚度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2016年1月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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