民主党のコミュニケーション戦略はいつになったら? --- 中妻 穣太

2016年01月29日 11:40

1/26の衆議院本会議における岡田克也・民主党代表の代表質問は、共生社会をめざす姿勢を示したすばらしいものであったと思います。…と、思っていた矢先…!

1/26、衆議院本会議において、岡田克也・民主党代表が代表質問を行いました。

民主党 | 【衆院本会議】施政方針演説に対する代表質問(案) 岡田克也代表

マスコミは冒頭の甘利明・経済再生担当大臣の献金疑惑についての質問を中心に取り上げていますが、この質問を全体としてみれば、若者、女性、低所得者、性的マイノリティなど、社会的に不利な立場にいる人々を支援し、すべての人々のための共生社会をめざそうというビジョンが見えます。
大変すばらしい質問だと思いました。

岡田代表のビジョンをテコに、今後の民主党の戦略が練られていくだろう…
と、思っていた矢先。

「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」…民主党が参院選向け新ポスター 支持率低迷の現状踏まえ 「すぐに信じなくていい」とも – 産経ニュース

なんですかこれは。

有権者と、これまで逆風下、懸命に民主党を支えてきてくださった支持者をバカにしているのでしょうか。

このメッセージは、「民主党の低迷は、民主党が嫌われているからである」と民主党が自己分析している、ということを示しています。

有権者が「好き嫌い」で政権選択をしていると民主党は理解している…というメッセージを発しているわけで、有権者からすれば「バカにしているのか」と思われても仕方がありません。

そして、この誤ったメッセージをすべての全国紙が取り上げ、全国津々浦々に伝わり、また民主党にダメージを与えるわけです。

ちょっとインパクトのあることを言えば、支持率が戻ってくるとでも思っているのでしょうか?
民主党がなすべきことは、なぜ支持率が上がらないのか、もっと真剣に考えることではありませんか?

自党批判をすべきではないことは重々承知していますが、民主党のことを考えればこそ、こういう場当たり的なメッセージを出すことをもう止めなければなりません。
(外部の方々は、もはや苦言を呈することもなく、黙って離れるだけです)

いつまでもこのようなことを繰り返していては、絶対に勝たなければならない参院選が本当に危なくなります。
民主党が本当に国民に支持される政党になることを願い、岡田代表にならって、建設的な提案をしたいと思います。

支持してくれる人をつなぎとめる「コミュニケーション戦略」が必要


民主党がまず取るべき戦略は、「民主党を支持してくれるはずの人をしっかり固めること」です。

次の参院選では、改憲勢力が3分の2の議席を占めることを阻めばとりあえずの勝利といえるわけですから、2010年に民主党に投票してくれた有権者全員がもう一度民主党に投票してくれれば、それで十分なわけです。

ですから、大事なことは、リーチできるはずの人にきちんとリーチすること。
すなわち、支持してくれる可能性の高い有権者一人ひとりとのコミュニケーションの接点をきちんと作り直し、コミュニケーションの中から何が有効で何が有効でないかを洗い出しつつ、ビジョンを理解してもらって支持を広げていく…という「コミュニケーション戦略」が求められているのです。

そして、組織としての戦略実施のためには、組織の構成員が共通理解に至るための「データ」が必要であり、そのデータを元に指示を出す「司令塔」が必要です。

しかし、民主党のコミュニケーション戦略といったものは、私のところまで伝わってきていません。
いまのところ、私は「民主党は、コミュニケーション戦略を有していない」と理解しています。

風の噂によると、「データよりも肌感覚だ」などと言っている人がいるとかいないとか。。。

その肌感覚とやらが、民主党の支持率回復に役立っているのかどうか、振り返ってみましょう。

shijiritsu

上のグラフは、安倍内閣が実質的にスタートした2013年1月から2016年1月まで間の、安倍内閣、自民党、民主党の支持率の推移と、国政に影響を及ぼしたのではないかと思われる出来事を並べたものです。

これを見ると、安倍内閣の強引な政権運営が、何度か内閣支持率を大きく落としていることがわかります。

2013年参院選、特定秘密保護法成立、集団的自衛権容認閣議決定、「自己都合解散」と言われた2014年総選挙、そして終戦70周年といったタイミングで内閣支持率は大きく落ちているのですが、その都度、すぐに内閣支持率は回復しています。
ずっと落ち続ける、ということがないのです。

これは、マスコミのコントロールも含めた、安倍内閣のコミュニケーション戦略が功を奏していることがひとつの要因だと思われます。

集団的自衛権閣議決定後に内閣改造をするなどは「わかりやすい仕掛け」ですが、安保法可決後はこれに匹敵するような大きな仕掛けはなかったと思われる(臨時国会を開かなかった、くらいでしょうか)にもかかわらず、支持率は回復しています。

内閣に失点があったり、不人気な政策を実行したとしても、コミュニケーション戦略が常時動き続けているため、しばらくおとなしくしていれば支持率が回復してしまうとも考えられます。

民主党の支持率はどうでしょうか。
2013年参院選、特定秘密保護法、2014年総選挙、終戦70周年というタイミングで民主党の支持率は上がっています。

しかし、安倍内閣の支持率とは逆に、すぐにダラダラと支持率が落ちてしまいます。

つまり、民主党は自らの支持率を自ら上げることができておらず、「安倍内閣がどう動いたか」という他律的な要因でしか支持率を上げることができていない、と考えられるわけです。

いったんは支持してくれた人をつなぎとめておくことができない。
すなわち、自らのコミュニケーション戦略を持っていないということです。

マスコミが民主党のいいところを書いてくれないから…?
当たり前です。いま、政権与党は向こうなのです。
放っておいてもマスコミがいいことばかり書いてくれた2009年以前の時代は、とうに過ぎ去りました。

民間企業ならば、マスコミが取り上げてくれなくて当たり前。
どの組織も、どのようにして顧客との接点を作り、自身がやろうとしていることを理解していただいて「支持率」を上げていくか…というコミュニケーション戦略を、自ら作っているのです。

まずは、全国の党員に対して、意向調査アンケートを行うあたりから始めてはどうでしょうか。
私ももう8年くらい民主党員をやってますが、アンケートみたいなものが回ってきたことは1度もないんですけどね…。

nakatsuma
中妻 穣太 東京都板橋区議会議員(民主党)
1971年仙台市生まれ。早稲田大学卒業後、家庭用ゲーム制作、ネットワークエンジニア、ITセキュリティエンジニア、携帯電話網エンジニア、ITコンサルティングなどに従事。2008年より、民主党衆議院議員・長妻昭事務所にて、ボランティアやアルバイトとして働き、2011年4月、板橋区議会議員選挙に初当選。現在2期目。


編集部より;この記事は、板橋区議会議員・中妻穣太氏のブログより2016年1月28日の記事を転載させていただきました。中妻氏に心より御礼いたします。オリジナル記事をお読みになりたい方は、中妻じょうたオフィシャルブログをご覧ください。


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