民主党政権の失敗への反省なしで新党の未来もない --- 八幡 和郎

2016年03月08日 14:30

minshugouryu
▲党名を募集も、世論調査で多数に期待されず…(民主党サイトより、アゴラ編集部)


現在の政権より民主党政権がベターだったと思う人は国民のなかでかなり少数派だと思う。だからこそ、民主党にはいまの政権は民主党政権よりベターかもしれないが、さらにもっと良い政権があるはずという層にもアピールできるように変身して欲しいと思う。

しかし、民維新党の政治家やその支持者から民主党政権時の責任を棚に上げての批判がされ、それに反論されてブーメランで撃沈すると、それにヒステリックに怒るパターンが続出している。

昨日は社民党の福島みずほ氏が、「保育所落ちた、死ね日本」というグロテスクな表現を正当化して安倍首相を攻撃し「福島委員が政権にいたときより受け皿増やしている」と反論され撃沈して嘲笑されている。民主党政権は子ども手当という現金での支給を優先して現物支給にはあまり熱心でなかったはずだ。

私は健全な形で中道右派と中道左派の政権交代可能な二大政党が存在することが(ほかの中小政党の存在を否定するのではない)健全な政治のあり方だと思っているが、そのためには、政権を失った政党が徹底的な反省をし、過ちを繰り返さないよう体質改善を図ることが最低の条件だと思う。自民党はある程度それをしたから、二度も政権に復帰し、しかも長期政権に成功しているのだ。

民主党は理念先行で失敗したのだから現実路線への転換を図るべきだと思うが、どんどん左に傾斜して、かつての社会党よりまだ非現実的になりそうで、これでは政権など間違ってもとって欲しくない。むしろ、かつての民社党はもちろん社会党の方が、自民党と互いに役割分担をしてうまくやっていたと思う。

たとえば、民主党は外交で対米政策で失敗して政権を失う原因になったのだから、こんどは、どうしたら日米関係を上手に担えるか考えるべきなのだが、反米路線まっしぐらだ。

民主党と維新の合併についても、維新からの合流組が、民主党政権時の政策を厳しく反省するように促すなら新党に期待を持てるのだが、自分が野党として批判してきた、あるいはおかしいと思うから民主党を出たはずなのに提灯持ちに転じるようでは新党の意味がない。

保育園以外でも、新国立競技場は民主党政権のときに建て直しが決まり、スペックを決めザハ案を採用したもので、そこで、すでに予算は膨大となり、聖火台も設置の余地がなかったものだ。

NHKクローズアップ現代で話題になった、所得家庭の子を受け入れた高校に年30万就学支援金を与える就学支援金制度を利用して、自己負担なし、学力のいかんにかかわらず必ず卒業させていた伊賀市のウィッツ青山学園高校の問題にしても、民主党政権下で民主党議員(発議者:福山哲郎、鈴木寛、水岡俊一、藤末健三、植松恵美子、大島九州男)による議員立法で、自民党などの反対を押し切って成立したものだ。

そのまま引き継いだら問題が出たとなれば、もちろん、引き継いだ者も悪いが、見直して止めれば良かったはずなのでもとの制度を作ったり路線を引いた側には何の責任もないというのは無茶苦茶だ。企業でも事情変更があったので不適当になったのでなければ、最初の人が責任を最も問われるのが当然だ。

ゼロベースで見直しと簡単にいうがコストもかかれば、時間もかかるし、法的な安定性や期待権も損なわれるから、政権交代した、担当者が変わったといっても徹底的に見直しをやるのがいいわけではない。民主党政権のやったことは全部いんちきだと思って事業や制度やその運用をいったん休止してチェックして引き継ぐかどうか判断すべきだったのにしなかったからけしからんというべきなのだろうか?継続性をそれなりに大事にしないと開発途上国によくある法治でなく人治の国のような大混乱になるだけと思うが。

shouzou
八幡和郎  評論家・歴史作家。徳島文理大学大学院教授。
滋賀県大津市出身。東京大学法学部を経て1975年通商産業省入省。入省後官費留学生としてフランス国立行政学院(ENA)留学。通産省大臣官房法令審査委員、通商政策局北西アジア課長、官房情報管理課長などを歴任し、1997年退官。2004年より徳島文理大学大学院教授。著書に『歴代総理の通信簿』(PHP文庫)『地方維新vs.土着権力 〈47都道府県〉政治地図』(文春新書)『吉田松陰名言集 思えば得るあり学べば為すあり』(宝島SUGOI文庫)など多数。


編集部より;この原稿は八幡和郎氏のFacebook投稿にご本人が加筆、アゴラに寄稿いただました。心より御礼申し上げます。

タグ:
アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

関連記事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑