日本の大企業病

2016年03月20日 10:07

東芝の家電部門を中国企業に売却することで交渉が加速しているようです。この売却は東芝のリストラの一環で営業赤字が続く白物家電は売却対象になっていました。東芝問題とシャープ再建問題が時期的に重なっていたこともあり、シャープの液晶部門が産業革新機構の傘下に入った場合に東芝白物をシャープ本体にくっつけるという経済産業省を中心としたプランもありました。ところがシャープが台湾の鴻海との最終交渉に入っているため、産業革新機構案は消滅し、東芝としては当初の独自リストに戻り、中国企業との売買を進める方針のようです。

産業革新機構案は日本の技術を囲い込み、守るという発想でした。極端な話、日本の技術をブラックボックス化しようとしたわけです。このブラックボックス化は技術にもよりますが、1年から2年程度の先行能力があるとされ、他国のライバル企業を突き放す技の一つであります。

個人的にはブラックボックス化は技術によってはその先行能力は以前よりより短くなり、そして、それ以上に他国で進むであろう優れた技術との融合性等が出来なくなり、不利になることすらでてきそうです。日本のお得意芸がどんどん少なくなるこの時代、これを悲観するのか、といえば私はそうは思っていません。また、「技術の東芝」というキャッチが有名でしたが、私は今やビジネスは技術だけではだめで欲しいと思わせる商品を開発し、市場を作り上げるというマーケティングが技術以上に意味を成す時代だと思っています。

イギリス。その昔、自動車会社がごろごろしていました。ざっと20はあったと思いますが、大手の多くは他国の会社に買収されてしまいました。ミニ、ベントレー、ジャガー、MG…。ではイギリスはそれで腐ってしまったかといえばそんなことはありません。なくなればまた別の食いブチを探すのでしょう。掃除機で有名なダイソンはイギリスの代表的企業に育ちました。フォーチューングローバル500の企業数にはドイツを上回る29社がイギリス企業であります。

日本の家電の場合、大企業が水平展開する時代ではなくなったのが最大の変化ではないでしょうか?家電量販店に行って白物家電の売り場に行き買い物をする機会は何か壊れた時で積極的にそのフロアでうろうろしないでしょう。

しかし、私には最近、どうしても欲しいと思わせる白物家電があります。それはヌードルメーカー。販売しているのはフィリップス。オランダの会社です。これは麺好きな日本人が家庭でうどん、そば、パスタ、ラーメンの生麺を10分程度で作れるという優れものです。価格は25000円ぐらいだった気がします。

そういえば旨いコーヒーを家庭で飲めるようにしたのはネッスル(ネスレ)のネスプレッソでした。この企業はスイスです。フィリップス、ネスレとも世界を代表する巨大企業であります。しかし日本の大企業にはなぜできないのでしょうか?

多分ですが、企業文化の中に想像力が欠如してしまった気がします。儲けること、ライバル企業とのシェア争いなどにエネルギーを取られ、企業が本来やらなくてはいけない新たな製品の発想力、そしてそれをマーケティングする能力が欠如しているような気がします。ネスレもフィリップスも日本市場では注目されていませんでした。それ故、一気に牙城を崩したということではないでしょうか?

ならば、家電やオーディオを作る企業も少なくなってきた今、日本はゼロからのやり直しでとびっきり面白いものを生み出せばよいでしょう。ダイソンはオーナーの個人的発明から生み出された製品です。ならば、私は新興企業にその期待を寄せたいと思います。

最近の株式市場。元気があるのは新興市場の企業で特化した商品を持つ会社に勢いがあるようです。それに比べて一部上場の老舗企業は守りの経営ですので今までの売り上げ、利益を確保することに注力しています。それではあまりにもつまらないし、企業に入ってくる若者の芽を摘むと思います。以前、このブログで東大生の起業家が増えていることを指摘したと思います。「能力ある者はその能力をもっと伸ばせ」、です。大企業で管理人のような仕事をするにはまだ早いでしょう。大企業に優秀な人材が集まらなくなったと嘆くようになったら日本は本物の復活を遂げらえると思います。

期待しましょう。

では今日はこのぐらいで。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 3月20日付より

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

関連記事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑