笑顔と恫喝-ビジネスに役立つ議員秘書のスキル

2016年03月21日 05:00

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秘書の誰もが願っていること。それは議員(親分)の出世です。親分が出世をすれば仕事がやりやすくなり、高いポストに就けばより権限の高い職務を遂行することができます。

●政治家が料亭を利用するのは

彼らのヤリガイとはなんでしょうか。一般のビジネスマンでは構築できない人脈やコネクションを築くことや、黒子として立法を支えるということでしょう。多少のリスクをはらいながらも、ドロをかぶることを恐れません。

ドロをかぶる際には、勘や情報網を駆使します。笑顔と恫喝を使い分けながら火中の栗の中身を分析します。うまくいけば化ける栗が存在するからです。そして、サル・カニ合戦のサルのように火傷をしないように注意しながら必ず落としどころを想定して拾いにいきます。そして来たる選挙に備えるのです。やはり気になるのはライバルになりそうな候補者です。

選挙間近になると、地元の会合やパーティで、互いの陣営が顔を合わせることがあるものです。多くの場合、秘書が代理出席をするわけですが腹の探りあいのような状態になることがあります。お互いに相手の腹を探っているのですが、基本的には建前しか話しません。さりげなく質問を繰り返し、相手の質問には建前で答える、これが基本なのです。「政治家たる者、ペラペラ話すべきではない」ともいわれますが、まさにその通りです。

政治家が料亭を使うのは「建前」を取り除くための手段であり方策です。料亭の従業員は口が堅いことに加えて部屋は個室です。料亭であれば本音で話ことができます。マスコミが料亭の外で張っていて「何を話されていたのですか」「今日の会合の目的はなんですか」と聞かれても建前でしか答えません。政治家は決して料亭に行きたいのではなく本音で情報交換をするために利用します。

●ドロをかぶえって実を得る

政治は一寸先が闇の世界。生き馬の目を抜くような世界で、腹心として信頼できるのは秘書しかいません。スキャンダルが発生した時、「私は存じません。秘書に任せておりました」といったセリフを聞かれたことがある人は多いでしょう。秘書は「私がやりました」と潔くドロをかぶろうとします。会社組織のなかで上司のドロをセッセとかぶろうとする人はまずいません。

世間を騒がすようなスキャンダルは別にしても、小さいドロは毎日のようにかぶっているものです。ドロをかぶるとは言い方が悪いですが、議員のマイナスになりそうな要素はことごとく潰していかなければいけません。

ビジネスマンであれば考えられないことでしょうか。社内で上司の責任を押し付けられたり、拭わされたりしたら頭にくるでしょう。場合によっては大きなトラブルにまで発展する危険性もあります。しかし、責任を押し付けられるということは「潔く責任をとってくれ」と期待されている証拠です。信頼関係が構築されている限り「潔く責任をとってしまう」ほうが良いのです。逆に信頼関係が崩壊していたら徹底的に争うしかありませんが。

上司になったときに、自分のミスを率先してかぶってくれるような部下がいたらどのように思いますか。その部下をマイナス評価にしたり、問題があったとしてもクビにしたりはできないものです。また理不尽な責任を一手に引き受けて会社を辞めたにも関わらず、一切の恨み節も言わない人が、転職マーケットに居たら間違いなく採用したいと思いませんか。

このような人は社外にもたくさんのネットワークを築いていることが少なくありません。事情を知っている経営者などからすれば自分のところに来てほしい逸材です。社内で理不尽なことが発生したら中身を吟味してください。それはもの凄い、チャンスかも知れません。

尾藤克之
コラムニスト
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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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