知財次世代論議、大詰め

2016年05月05日 11:30

知財本部次世代委員会@霞が関。

1)越境侵害、2)著作権制度、3)AI創作物の議論大詰め。
ぼくがメモした意見を紹介します。

1)    越境ネット侵害への対応。事務局案:正規版展開の促進、悪質リーチサイトの法制対応、ブロッキング継続検討、悪質サイト広告の実態調査、プラットフォーマー対応策の検討。

福井委員:悪質リーチサイト対策は、非親告罪化に対する政府方針を参考に前進してよい。オンライン広告対策も積極的に講じてよい。プラットフォーマーと業界との意見交換を政府が手助けしてやってもよい。

瀬尾委員:悪質サイトを潰して正規版に誘導するリーチサイトを打ち出すなど、違法対策と正規流通の一体運用が大事。利用の阻止より利用の促進。

柳川委員:当初YouTubeには権利侵害に対するネガティブな反応が多かったが、利用ビジネスが広がりポジティブ対応となった。そういう方向性を持つべき。

上野委員:ブロッキングは欧州でも重要テーマとなってきている。電気通信事業法上の通信秘密の保護との関係が問題となる。

瀬尾委員:画像検索システムなど膨大な情報の中から侵害情報を検証できるインフラが必要となる。

続いて2)デジタル・ネット時代の著作権制度。事務局提案:1)多様な政策手段の組み合わせ、2)柔軟性を確保した権利制限の新規定を導入するか、3)登録、集中管理、裁定などを拡充するか

瀬尾委員:拡大集中許諾、裁定制度拡張といった孤児著作物対応を権利者団体側から打ち出す予定。柔軟な権利制限規定はあってよい。

赤松委員:絶版マンガの海賊版に広告をつけて公開する実験を進めていて、マンガ家の支持を得ている。こういうアプローチもあるのでは。
→そうです。制度論だけでなく、こうしたアクションに対する支援という政策もあります。

赤松委員:ある亡くなったマンガ家の作品が海賊版しか存在せず、裁定制度もうまく働かないため、広告をつけて公開し、収益を寄付することを考えているのだが。
→座長として、政府の会議でOKを出すことははばかられるが、「尊敬します」と答えておきました。

福井委員:日本の制限規定は充実している。しかし、条文を専門家が読んでも理解不能で、限界。新ビジネス、新創作を阻んでいる。

喜連川委員:検索エンジンに類する大きなビジネスを失うことはない、ということを示すことが大事。失った分を取り返すことも必要。制度面で失敗しても、リカバーする速さがあれば国力に結びつく。そのメカニズムが重要。

3)AI創作物。事務局整理: AI創作物を現行著作権で保護することには慎重対応。AIに人格を与えること、プラットフォームへの対応、人間の創作活動への影響を要検討。

水越委員:海外展開を前提に、海外の制度を精査すべき。

喜連川委員:当面コンテンツを対象としているが、AIが産業全体にどういうインパクトを及ぼすかの観点から政策を考えるべき。

議論はここで時間切れ。これから報告作成に向かうのだが、まだすんなりまとまりそうにないなぁ・・・。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2016年5月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。

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