僕が考える地方創生の本質

もし自分が小さなカフェオーナーだったら、ということを考えると、地方創生については理解しやすくなる気がする。大手レストランの真似ばかりしたり比べていてもお客さんはやってこない。小さくても、華やかじゃなくても、自信を持って言える「何か」は自分のそばにある。それは与えられるものじゃない。

上手くいった他店の真似ばかりした結果、コピペしたようなお店ばかりになってしまう。「こうすれば上手くいきます」なんてやり方は無いんだよね。街並みも、ゆるキャラも、町おこしイベントも、既視感しかない。コピーされるものの価値は限りなくゼロに近くなる、これはデジタル産業に限った話じゃない。

大切にすべきは「ここでしか見れない景色」「ここでしか吸えない空気」ってことですね、コレよくない?よくないコレ?よくなくなくなくなくセイイエー、ってことです。

地方が抱える問題は、承認欲求が人を不幸にするパターンとも似てると思っていて、自分の良さや自分のことを認めてくれている人のことに気づかず、どこかの誰かと自分を比較しては嘆き、誰かの真似ばかりし、遠くの不特定多数に認められようとばかりした結果、身近な人まで去ってしまうという不幸。「ここじゃないどこか」「自分じゃない誰か」ばかり見ていると、大切なものを見失ってしまう。

僕らが立ち上げたCAMPFIRE LOCALがパートナー制をとっているのは、「こういう仕組みが出来たので地域のみんな使ってね!」じゃダメで、ちゃんと自分の地域に根付いた活動をされていて、地域の魅力を知っている方々と、1つずつ一緒にやってくしかやり方は無いんだ、と考えているからです。

地方創生の本質とは、その地域に住む人たち一人一人の小さな物語の集積である、と僕は思っています。


編集部より;このエントリーは、株式会社キメラ代表取締役CEO、家入一真氏のFacebook 2016年7月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。