増田候補競馬に投じた330億円の闇は今も超深い

2016年07月26日 06:00

新宿区議会議員の伊藤陽平です。
今回は選挙取材とは少し趣旨が異なりますが、増田ひろや候補をテーマに数本に渡って記事を書かせていただきます。

増田ひろや氏は、岩手県知事、総務大臣などのご経験を前面に押し出し「実務家」としてPRをされています。岩手県知事時代にファーストクラスを利用していたこと、借金が7000億円から倍増し1.4兆円になったことなどが話題となりました。

これらに対して説明責任を果たそうと、増田ひろや候補の陣営は「いわれなき批判」として以下の文書を発表されています。

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ファーストクラスに関しては、他人を批判しながら自分は利用していたこと、過去の議会では不況を考慮し県民の税金でファーストクラスをやめて欲しいと切実なお願いされていたにも関わらず、自ら答弁することもなく県庁職員を通じて冷たく却下したことについては、一切触れられていません。

また、借金を倍増させた理由に関しては、県立大学(約500億円)や新幹線(約950億円)についての説明のみです。
こちらに掲げられている実績はごく一部のもので、他の事業についても検証を行う必要があります。

そこで、岩手県に2泊3日で滞在し、増田ひろや氏の実務能力について徹底検証してみることにしました。
今回の調査では、増田ひろや県政時代に議論された、県立大学、県立情報センター、県立美術館、県庁、花巻空港、久慈港、盛岡競馬場、森のトレーなどに訪問をさせていただきました。

第一回目は、増田ひろや氏が管理者として組合のトップを勤められていた競馬事業についてご紹介させていただきます。

まずは、現場の写真から。

盛岡駅から、競馬場への無料のバスが出ています。

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9:30の便では、乗客のほとんどがシニア世代の方々でした。

案内係の方と体調が悪そうなお年寄りの方が、
「大丈夫?本当に競馬いくの?」
「俺は行くんだ!」
というやりとりをされていました。
そのお年寄りの方は何度も歩けずにかがんでいらっしゃいましたが、バスに乗り込んで行かれました。

競馬場に到着し、入場すると立派な馬の銅像が。

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とても立派な建物です。

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高級感のある会員専用階には高そうな絵画も。

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美術品に関しては気になったので調べてみました。増田ひろや氏が知事になる直前の委員会でのご発言ですが、ご紹介します。

それから、絵画の御指摘があったけれども、1億円以上の絵画の購入が確かにある。1億300万円というようなものである。スーチンという作家の油絵である。それから、ブロンズ像についても1億6、480万円というものがある。そして、絵画とか彫刻はほかにも買い求めておって、合わせると都合3億8、500万円程度になるわけであるが、この目的としておるのは、新しくできる新競馬場が、ゆとり、触れ合い、そして、自然を醸し出すような、これからの新しい競馬場としてゆったりとした雰囲気の中で、また、落ち着きのある雰囲気の中で楽しんでいただこうということを目途として、絵画や彫刻をその中に展示いたしたいという目的で今、そろえつつあるものである。

出展: 予算特別委員会 濱田副知事 (平成7年3月1日)

なんと、絵画に1億円以上。この頃とっくにバブルは終わってるはずなのですが(笑)
盛岡競馬場が移転したことが赤字の大きな原因となりましたが、バブル期であれば結果は違っていたかもしれません。

増田ひろや氏もバブル期と同じような感覚で事業を行い、赤字が出ても問題を先送りしたことが借金をつくる原因になったものと考えられます。

特に販売額に関してはバブル崩壊後に急激に落ち込み、平成4年の700億円をピークにその後は減少。
現在では200億円台、当時の約1/3となりました。

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出展:岩手競馬の現状(平成22年11月26日)

最終的に、増田ひろや氏は解決策も見出せず、借金問題を抱えることになりました。そして、それを補填するために330億円の融資を行うことになります。

岩手競馬は、平成18年11月「新しい岩手県競馬組合改革計画」(以下、「現計画」という。)を策定し、平成19年3月に構成団体(岩手県、奥州市、盛岡市)から330億円の融資を受け、単年度ごとに収支均衡を実現し、新たな赤字を出さないことを存続の条件として事業を運営してきた。

出展:岩手県競馬組あい競馬事業収支改善計画書 平成23年7月より

融資と書かれてはいますが、返済の見込みもないため実質的な公費負担ではないかと、県議会でも厳しく追及をされてきました。
先ほどの改善計画書にも記載があった通り、一期でも赤字であれば廃止されるという厳しい条件がついてます。

岩手県ではこうした厳しい状況を改善するために、「競馬改革推進室」という部署で現在も徹底した改革を行っています。

例えば、競馬組合職員の人件費を削減し、賞金も全国最低レベルまで下げるなど、現在も徹底した改革の実行を続けているところです。
その成果として、東日本大震災には売上が落ち込みましたが、ネット競馬による増収の恩恵も取りこぼすことなく受けることに成功し、黒字を達成し続けているのです。

職員の方とお話させていただきましたが、具体的なプランもしっかりと考えられていましたし、改革に熱心に取り組む様子が伝わってきました。

しかし、これだけの成果を出してはいるものの、修繕費などを積み立てなければならない関係で、まだ330億円に関しては利息の支払いだけで元本は一切減少していません。

増田ひろや氏が残した負の遺産は、現在も県政にとっては大きなマイナスとなっています。

もちろん融資した330億円の回収の見込みがないことも問題ですが、優秀な行政マンたちが、本来不要な競馬改革に従事せざるを得なくなったことも、大きな問題だと考えられます。

もちろん、完璧な人間など存在しませんし、すべての事業が成功するわけではありません。
しかし、増田元知事は引退前最後の定例会期間中の臨時会で、以下のような発言をされています。

今、議員の方からお話がございましたとおり、一方で知事あるいは管理者としての任期が迫っておりますし、時期が来ましたら退任ということになるわけでありますが、私はこの競馬問題につきましては、任期の間は任期の間の中で、一番最善の対応ができるように全力を尽くす覚悟でありますし、また、任期が終わりましても、それはその任期が終わって管理者、知事を退いた後でも、その退いた後の立場で、こうした問題について自分としてできること、最善を尽くしていきたいと、このように考えております。

増田寛也知事(平成19年3月臨時会)

ちょうど、昨日行われた候補者ネット討論会で、増田ひろや候補が競馬に関して追及をされる場面がありましたが、
「かつての先輩方はこれまで競馬事業は収入になっていた。今もきちんと運営されている。これまでの投資が岩手県の姿を変えて、未来への投資が進んでいる。」
とお答えになりました。

明らかに現在に至るまで岩手県に損害を与え続けている状況にも関わらず、競馬事業は知らんぷり。こうした過去の実績には触れず実務家として打ち出されていますが、インチキな候補者だとしか表現のしようがありません。

岩手県には現在進行形で当時の問題解決をしている方がいらっしゃることを受け止めていただき、同時に、なぜ同じことを都政にも繰り返さないと言えるのか、きちんと説明をしていただきたいと思います。

それでは本日はこの辺で。

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