「出版は個人のIPO」ってホントなの?

2016年09月19日 06:00

どうも新田です。二重国籍問題の件では、ネットメディアの力と限界の両方を感じた次第です。まあ、野党第1党の代表選を揺さぶるところまでは、育ってきたのかなと思うんですが、代表選の投票行動に対する即効性はありませんでしたね(今後の政局に与える“埋伏の毒”は仕込めたとは思いますが)。

このあたり、テレビや新聞、週刊誌への広がりが遅かったこともあり、調査・発掘能力に優れたネットの良さと、拡散ブースターと社会的信用性というレガシーメディア(特にテレビ)の力をどうハイブリッドさせていくか、個人的にはPR稼業もやってますので、統合型マーケティング的な視点は持っていなければならないなと感じておる次第です。

千変万化なフローの時代だからこそのストック情報の価値

一方、出版業界でも、じゃあ書籍編集者の方々の反応はといえば、もともと「フロー」としてのニュースには関心は持ちつつも、彼らが取り扱っている「ストック」情報に向くかというと、まだ様子見という感じのようです。そういう意味では、書籍というものの奥深さというか、こういう日々情報の洪水に流される現代にあって、せめて数年はストック情報として売り物になれるよう、表象的な現象にとらわれるのではなく、本質的な知見をとりまとめていくことの意義を、私なんかはもう少し考えないといけないなとも感じます。

その点、僕らのように切った貼ったで日々フローで生きている人間に比べると、士業やコンサルタントの皆さんなんかは、まさに「ストック」としての情報・知識を活かして、お仕事されているので、まさに書籍との相性はいいわけですが、弁護士さんといえでも、最近ではイソ弁生活なしに実社会に放り投げられて、食いっぱぐれる人も少なくないと聞きます。

まあ、資格を取ったら安泰という時代はとっくに終焉しているわけですが、ビジネス的な立ち回りができるかどうか基本的な素養・実務耐性があった上での資格が生きてくるという厳しい現実。ましてや独立となると、差別化は必須で、このほど、アゴラでも開講した出版セミナーに士業やコンサル系の独立された人たちから問い合わせや申し込みが相次いでいるというのも、ブランディングの必要性を痛感して、なんとか1冊目をという宿願をお持ちの方が多いと改めて感じます。

出版は個人のIPOとまで言えるのか?

そういや、ある人に「出版は個人のIPO(上場)だ」なんて意識高く、言い得て妙なフレーズを教えてもらったことがあるんですが、これの出所が誰なのか、いろいろ調べていったら、意識高い系フリーランサー教の元祖ともいえる本田直之さんの著書に書いているという噂を聞いて、ああ、なるほどなー、とも妙に納得した次第です。

かくいう私も去年の秋、宿願ともいえる初の著書「ネットで人生棒に振りかけた!」を敢行いたしましたが、残念ながらIPO効果どころか、重版出来はかからず、やっぱり売れる本を書くことがいかに大変かも感じました。とほほ(泣)。

 

一方で、私が知っている方で本を出して人生やビジネスが様変わりした著者は、実際おられます。かつて私がお世話になったクライアントの一人で、人材コンサルタントをされている方は、もともと出身の某地方都市を拠点に独立から10年近く営業し、ローカルレベルでは堅調にやっておられました。

それで縁あって東京にあるビジネス書に強い中堅出版社から実用書を出したところ、これが5版、6版とバカ売れ。とうとう首都圏を始め、全国各地から仕事のオファーがじゃんじゃんやってきてしまい、大学時代を除いて約40年住み慣れた土地を離れ、東京に進出する決断をし、活躍の場を全国に広げておられます。

まあ、そういう話をいくつか実際に聞くと、「IPO」とまでは言いすぎでも事業に大きな追い風になるのは確かです。かくいう私も数年前まで、本を出したいけどなかなか実現しなくて悶々としているフリーランスの一人だったわけですが、商業出版が実現すると、重要な見込み客の方や、出演のオファーをしてきたテレビ局のプロデューサーさんに手土産代わりに持っていく営業ツールにはなるな、とも感じます。

独自の問題解決ノウハウに自信のある人は出版向き

先日も某所で講演した際、主催者の方がわざわざ参加者のみなさんにお配りくださって恐縮でしたが、あんなズッコケ話をまとめた書籍でも、講演後に参加者の方から反応をいただくと、嬉しいものだし、先々のお付き合いにつながる潤滑油としての機能にもなると思いました。

私のような自伝的な要素が強いものは、アレですが、本論に戻ると、士業やコンサルの方とかで、特に独自の問題解決ノウハウをお持ちで実績があり、今後飛躍を狙う方なんかは、出版というのは良い機会ではないでしょうか。前述のコンサルタント氏の事例でいえば、年輩の経営者層が書店で目に止めていたとのことで、いわばご本人の代わりに「広告ツール」として機能していました。

出版道場アイキャッチ3というわけで、限りなく宣伝原稿だろう、というツッコミは華麗にスルーしながら、アゴラで初の著者セミナー、締め切りまであと一週間となりました。ネットメディア(言論サイト)で読まれるためのライティング講座もあるのが特徴で、ネットメディアでもレガシーメディアでも活躍できる、トレンディーな論客を発掘し、編集長の私としてもアゴラに新しい才能をお迎えできたらいいなと思っております。

そういえば、きのうを以て創刊以来、初めて1000万PVに到達しました。ぜひ、新時代を一緒に切り拓く方、お待ちしてます。ではでは。

<おしらせ>
受講者全員にチャンス!「アゴラ出版道場」今秋開講
http://agora-web.jp/archives/2021063.html

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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